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アイ・エス・ビー Research Memo(5):金融分野は証券市況の動向を受け急回復、14/12期も大幅増収を見込む

注目トピックス 日本株

■事業の詳細

○検証

検証分野は、他社が開発したソフトウェアが正常に作動するかをテストする請負業務である。対象は携帯電話のアプリなどはもちろん、家電や自動車などあらゆる分野に及ぶ。この分野の作業は、同社自身に加えて、持分法子会社のGIOTも担当している。同社<9702>は、GIOTに一部の検証業務を発注している。GIOTは在沖縄の企業であり、人件費の点でコスト優位性を有しているためだ。検証業務は、需要が多い一方で参入企業も多いため、受注単価は常に値下げ圧力にさらされている。そうした状況にあって同社は、ファームウェアを長く手掛けてきたことで培った技術力とGIOTのコスト競争力を活用することで、受注を伸ばしている状況だ。

2013年は前期比49.4%増の726百万円と大幅な伸びとなった。2014年も引き続き検証需要が伸びるとみて同27.5%増の926百万円を計画している。

○金融

金融分野は、銀行・証券・保険等の各業界向けにシステム構築や受託開発などを請負っている。同社は特に証券会社向けに強みを持っており、この分野の売上高のおよそ90%を証券会社向けが占めている。同社が証券会社向けに強みを持つようになった背景には、大手証券会社系システム事業者と共同で実績を積み重ねてきたためだ。内容的には、トレーディングシステムから業務系まで幅広く対応している。

証券会社向け売上高は、証券市況の動向に左右されやすいという傾向がある。2008年のリーマンショック以降は、大きく落ち込んだが、2013年には前期比68.8%増収の783百万円と急回復を見せた。これはNISA開始に伴うシステムの変更・手直しの需要があったためだ。市況回復で証券会社のIT投資が増加したこともある。2014年12月期も同24.6%増の976百万円と2期連続の大幅増収を計画している。

○情報サービス

情報サービス分野は、官公庁・自治体など公的部門と民間部門の両方を対象に、システム開発とその後の保守・メンテナンスが内容となっている。現状は、大手SI企業が受注した案件について同社は実働部隊として参画するという形での売上高がほとんどであるが、近年は、民間企業向けにおいて、直接受注の営業を強化している。また、同社は2014年1月に札幌システムサイエンスを子会社化した。札幌システムサイエンスは官庁・自治体向けに強みを持っているため、子会社化による情報サービス分野での収益貢献が期待されている。

2013年12月期の売上高は前期比3.0%増の1,998百万円だった。官需の落ち込みを民間企業向けでカバーした。2014年12月期は札幌システムサイエンスの新規連結化の効果もあって、前期比25.0%増の2,497百万円を計画している。

○フィールドサービス

フィールドサービス分野は、データセンターサービスやネットワークインフラの構築及びその運用・保守サービスが含まれる。ここ数年はクラウド関連業務が収益のけん引役となっている。クラウド関連業務では、クラウド型のITサービスを提供するのではなく、顧客企業がクラウドサービスを行うためのネットワークシステム構築などを支援している。2013年12月期の売上高は前期比52.5%増の1,699百万円だった。2014年12月期もクラウド関連業務のけん引で同11.2%増の1,890百万円を計画している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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