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アイ・エス・ビー Research Memo(11):クラウドサービス型の新事業の売上高も急成長が見込まれる

注目トピックス 日本株

■業績動向

(2)業績見通し

2014年は中期経営計画の2年目であるが、売上高が前期比19.0%増の14,000百万円、営業利益が同43.3%増の560百万円を見込んでいる。札幌システムサイエンスの収益貢献を織り込んで、売上高の計画値を当初の13,000百万円から14,000百万円に引き上げた以外は、中期経営計画策定時のままである。

事業の詳細の項で分野別に詳述したように、2014年12月期は全部門で前期比増収を計画している。ただし、予想増収率には濃淡があり、主力の携帯端末については4.4%の増収と低い計画となっている。組込みとモバイルインフラはいずれも約24%増と高い増収率を計画しているが、これらは、手持ちの受注残や、新規顧客・新事業関連の売上高の足元の勢いなどを考えれば、十分に達成可能であると期待できよう。利益面では売上高営業利益率が4.0%と足踏みをしているようにも見えるが、これは、札幌システムサイエンスの連結に伴って、売上高が膨らんだ影響で懸念には当たらない。また、受注単価や販売単価の下落を織り込んだ保守的な前提に基づいたものとなっている。

2014年12月期及び2015年12月期で最も注目すべきは、同社<9702>が「新事業」と位置付ける新規サービスの売上状況と、新規顧客獲得の動向であろう。新事業は前述したように、同社が受託開発型からサービス提供型へと変貌を遂げる上での中核部分である。一方、新規顧客開発は、一部は新事業とも重なるが、旧来型の製品・サービス分野においても、顧客の入れ替わりは激しいため、新規顧客開拓は安定収益確保という意味でも非常に重要である。

フィーチャーフォンとスマートフォンでは、同社の顧客構造が大きく変化したため、ここ数年は主力の携帯端末では苦戦を強いられてきた。しかし、携帯端末ビジネスにおいても底入れが見えてきた。一方で、もう1つの柱である組込み分野では自動車向けや医療機器向けなどで好調が続いているほか、クラウドサービス型の新事業の売上高も急成長が見込まれている。つまり、携帯端末に依存するポートフォリオから安定した受注ポートフォリオにシフトしてきていると言える。技術力は従来から定評があるだけに、製品開発と販売力が備わってくれば同社が目指すサービス提供型企業への変身も着実に進むとことが期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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