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ティー・ワイ・オー Research Memo(1):卓越したクリエイティブ力に優位性を発揮する広告制作会社

注目トピックス 日本株

ティー・ワイ・オー<4358>は、TV-CMの企画・制作を主力としており、大手CM制作会社の一角を占めている。また、ブランディングやWebを中心としたデジタル広告、スマートフォンアプリなどあらゆる広告コンテンツの企画・制作も手掛けている。好調な受注環境が続くなか、消費者の印象に残る数々のCM制作を手掛けてきたクリエイティブ力と幅広い広告の制作に対応するワンストップソリューションを武器として業績を順調に拡大している。過去にゲームソフトやアニメーションなど、エンタテインメントビジネスへ事業領域の拡充を図ったことが、景気後退の影響と重なって業績の足を引っ張る要因となった。しかし、不採算部門の整理と本業回帰による企業再編が奏功して、財務基盤の強化と収益性の向上に一定の成果が現われ、更なる成長を追求するフェーズに入ったとみられる。

2013年7月期の業績は、売上高が前期比3.5%増の25,000百万円、営業利益が同3.1%増の1,493百万円と増収営業増益決算となった。不採算子会社の譲渡などがあったものの、大手代理店経由のTV-CM制作案件や広告主との直接取引によるクロスメディア案件が順調に拡大した。

2014年7月期第2四半期(累計)の業績は、消費税増税前後の購買意欲喚起を目的とした一部大型案件の検収時期の変更から、売上高が前年同期比5.0%減の11,752百万円、営業利益が同21.2%減の644百万円と減収減益となった。ただし、受注残高は大きく積み上がっており、増収基調に変化はないと判断できる。同社は、2014年7月期の通期業績予想について、期初予想を据え置いており、売上高が前期比6.0%増の26,500百万円,営業利益が同13.8%増の1,700百万円と増収増益を見込んでいる。

同社の成長戦略の柱は、広告代理店経由モデルの継続強化に加えて、同社のワンストップソリューションが生かせる広告主直接モデルの躍進、海外事業の新規展開の3軸であり、5年後(2018年7月期)の売上高目標として500億円を目指している。

Check Point
・卓越したクリエイティブ力と多様な広告の制作能力を武器に業績は順調に拡大
・本業回帰による事業再編が完了し、新たな成長フェーズへの移行を目指す
・TV-CM制作市場は継続成長しているうえ、東京オリンピック効果や大手CM制作会社による寡占化の進展等に好機
・同社のワンストップソリューションが生かせる広告主直接モデルが成長を牽引

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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