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国際標準化が近づくレドックスフロー電池と他社を圧倒する住友電気工業(3)

注目トピックス 日本株
東レ、富士フイルムホールディングスは住友電気工業および関西電力とは異なる分布を示しており、両社ともに「高分子電解質膜」領域に多数の公報を有している(図7、8)。同領域における東レの最新公報の一例として、「耐久性に優れ、高イオン伝導性、低燃料透過性の電解質膜を効率よく工業的に製造できる電解質膜の製造方法を提供する」ことを課題とする特開2013-131490「高分子電解質膜の製造方法。」がある。同公報においては、同技術により製造した高分子電解質膜の用途のひとつとしてレドックスフロー電池が想定されている。

富士フイルムホールディングスの同領域における最新公報は、「寸法変化が小さく、固体電解質からの添加剤の浸みだしがないプロトン伝導性に優れた固体電解質複層フィルムをつくる」ことを課題とする特開2009-48992「固体電解質複層フィルム及びその製造方法」である。同公報における複層フィルムの用途のひとつとしてレドックスフロー電池が想定されている。

最後に、東洋紡もこれまでの4社とは異なる分布を示しており、同社は「炭素繊維不織布」領域に多数の公報を有している(図9)。同領域における同社の最新公報の一例は、「電解液の三次元電極への流通斑、特に電極の幅方向の流通斑を低減し、電解液の利用効率を高め、電気抵抗の低減や電解槽の寿命向上が図れる電極材を提供する」ことを課題とする特開2005-158409「溝付き電極材および液流通型電解槽用電極」がある。同公報における溝付き電極材はとりわけレドックスフロー電池に適しているとされている。

3.まとめ
本レポートにおいては、国際標準化が近づくレドックスフロー電池の国内技術開発動向を分析した。それによると、同分野において世界最先端の技術を持つとされる住友電気工業が公開特許件数およびコア技術の保有状況において他社を圧倒していることがわかった。一方、関連する部材の開発も東レを始めとした化学関連企業において活発化しているため、住友電気工業をのみならず、同社を中心とした国内勢の国際標準化に向けた今後の動きによりいっそう注目してゆきたい。

XLUS TechRadarを活用した技術開発動向分析
【執筆】VALUENEXコンサルティング株式会社





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