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アクセル Research Memo(10):高シェアによる収益性の高さが特長、成長戦略の取り組み状況に注目

注目トピックス 日本株
■同業他社比較と今後の課題

上場している主な半導体ファブレス企業(ザインエレクトロニクス<6769>、メガチップス<6875>、アクセル<6730>)に関して、2014年度業績計画と株価指標を表にまとめた。特徴としては、いずれの企業も自己資本比率が高いことが挙げられる。これはファブレスであるため、設備資金がほとんど必要ないことが背景にある。収益性に関しては、アクセルが唯一経常利益率で10%以上を確保していることが特筆される。主力のグラフィックスLSIが遊技機器市場で6割弱と高シェアを維持してことに加え、事業拡大のために無理な多角化を進めていないことも収益性の高さにつながっている。ただ、2014年度の業績予想では唯一減収減益となっており、今後の成長戦略の取り組み状況が注目されよう。

日本の半導体産業は1990年代以降、アジアメーカーの台頭や円高の影響によって年々その競争力を失い、大手半導体メーカーにおいては収益を大幅に悪化させ再編統合が進むなど厳しい環境が続いている。特にここ1〜2年は、デジタルカメラやゲーム機など日系半導体メーカーが得意としてきたデジタルAV機器の市場が縮小する一方で、シェアの低いスマートデバイスが急速に拡大するなど、市場構造の変化を読み切れなかったことも苦戦する要因となっている。こうした市場環境下において、ファブレスメーカーである同社などは健闘しているとみることもできる。

ただ、世界でみると、半導体ファブレスメーカーでは米国のクアルコムやブロードコム、台湾のメディアテックなどここ数年で高成長を遂げた企業がいくつもあることから、戦略次第では伸びる余地も大きいとみられる。同社の場合、中期計画では遊技機器市場における深掘りを進めていくことで成長を進めていく戦略だが、長期的には遊技機器市場以外の顧客開拓が成長のための必要条件となろう。同社が得意とするデータ圧縮伸長技術や描画エフェクト技術を活かしたグラフィックスLSIでの新規市場開拓が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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