シュッピン<3179> Eコマース企業として成長加速へ
[14/07/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』7月28日放送において、シュッピン<3179>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■事業概要
インターネットを中心としてカメラ、時計、筆記具、自転車の4つの商材で中古品の買取と中古品及び新品の販売を行っている。同社を見る上で重要な視点は、店舗で展開することが主流である中古品流通業において、インターネットを最大限活用し最小限の店舗で、低コスト運営を徹底しているEコマース(EC)企業であるということである。
■足元の業績
2014 年3 月期は売上高156.03億円( 前期比25.2% 増)、営業利益7.01億円( 同80.0% 増)、経常利益6.89億円( 同88.4% 増)、純利益3.90億円( 同68.3% 増) となった。同社は第3 四半期(2013 年10-12 月期) の決算発表時に期初の業績予想を上方修正したが、実績値はその上方修正後の予想をさらに上回って着地した。ただし、消費税増税前の駆け込み需要による上乗せも発生している。
カメラ部門売上高は113.33億円( 前期比23.5% 増)、セグメント営業利益は9.86億円( 同36.9% 増) となった。インターネットによるEC 売上高が34.3% 増と特に大きな伸びを示している。
また、2014年6月度の月次動向では、売上高が前年同月比24.4%増の14.04億円(うちEC売上高の比率は同21.3%増の7.07億円)、Web会員数が前月比2,123人増の22万8,164人となっている。
■注目ポイント(Eコマース企業としての評価)
事業モデルは「中古品流通事業者」という見方をされることが多いかもしれない。しかし、同社はインターネットを利用したE コマースによる取引にフォーカスすることを創業当初から経営方針としている。その背景には、E コマース中心の体制にすることで、固定費の増大を抑制しながら売上高を伸ばし、増収分を着実に利益につなげるということがある。
E コマースに特化している同社の収益構造は、売上高が増収となっても費用、特に固定費の伸びが限定的で、利益が増収につながり易い。
事業モデルの本質は、本来的に動きの鈍い高額品の市場において流動性を提供し、売買のスピードを上げることである。同社の事業モデルでは中古品がスピードアップのための触媒であり、中古品を確保することが何より大事である。新品の仕入、新品の販売、中古品の買取、中古品の販売の4 つは密接につながっており、どれか一つが滞ると他に影響がおよび、反対にどこか一つを加速させることができれば、他に効果が波及するという関係にある。この循環関係が当てはまり易いのが、最も売上高構成比高いカメラ事業である。同社は2014 年3 月期に2 つの中古品買取強化策を打ち出した。ワンプライス買取とスムーズ買取である。
ワンプライス買取
同一モデルであれば買取価格は一定とし、価格交渉の手間をなくした。買取価格自体は同業他社のレンジの上限前後に設定し、競争力ある買取価格設定としている。
スムーズ買取
中古品買取のプロセスにおいて住民票送付のプロセスをなくした手法。役所で住民票を取得し郵送する手間と費用を省略でき、ワンプライス買取と合わせて同社の選好度を高める効果がある。
ワンプライス買取の利用率が約80%、スムーズ買取の利用率が約50% ということで、消費者に受け入れられていると評価できる。
■新中期計画について
2015 年3 月期から2017 年3 月期の3 か年計画を策定。新たな中期経営計画では、業績目標が従来計画比で大幅に上方修正されている。
2014 年3 月期に大幅増収増益を達成したことに加え、Web 会員数増加や中古品買取り量の増大、サイト内検索システムのリニューアル投資の手応えなど、将来につながる指標や諸施策が全般的に好調に推移していることがその要因とみられる。
■市場規模の潜在成長性
カメラとスマホの競合が言われて久しいが、同社のメインターゲットとするミドル、ハイエンドカメラは、スマホとは全く競合しない領域なので、この点の懸念はない。リタイア後の趣味としてカメラを選択する人の割合は多い。旅行や登山を第一の趣味する人も、やはりカメラは重要だ。今後しばらくは、資金的に余裕があって活動的なアクティブ・シニア層が増加していくと予想される。ミドル・ハイエンドカメラについては、これらアクティブ・シニア層が顧客層としてのプレゼンスを増してきて追い風として機能してくれると期待される。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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■事業概要
インターネットを中心としてカメラ、時計、筆記具、自転車の4つの商材で中古品の買取と中古品及び新品の販売を行っている。同社を見る上で重要な視点は、店舗で展開することが主流である中古品流通業において、インターネットを最大限活用し最小限の店舗で、低コスト運営を徹底しているEコマース(EC)企業であるということである。
■足元の業績
2014 年3 月期は売上高156.03億円( 前期比25.2% 増)、営業利益7.01億円( 同80.0% 増)、経常利益6.89億円( 同88.4% 増)、純利益3.90億円( 同68.3% 増) となった。同社は第3 四半期(2013 年10-12 月期) の決算発表時に期初の業績予想を上方修正したが、実績値はその上方修正後の予想をさらに上回って着地した。ただし、消費税増税前の駆け込み需要による上乗せも発生している。
カメラ部門売上高は113.33億円( 前期比23.5% 増)、セグメント営業利益は9.86億円( 同36.9% 増) となった。インターネットによるEC 売上高が34.3% 増と特に大きな伸びを示している。
また、2014年6月度の月次動向では、売上高が前年同月比24.4%増の14.04億円(うちEC売上高の比率は同21.3%増の7.07億円)、Web会員数が前月比2,123人増の22万8,164人となっている。
■注目ポイント(Eコマース企業としての評価)
事業モデルは「中古品流通事業者」という見方をされることが多いかもしれない。しかし、同社はインターネットを利用したE コマースによる取引にフォーカスすることを創業当初から経営方針としている。その背景には、E コマース中心の体制にすることで、固定費の増大を抑制しながら売上高を伸ばし、増収分を着実に利益につなげるということがある。
E コマースに特化している同社の収益構造は、売上高が増収となっても費用、特に固定費の伸びが限定的で、利益が増収につながり易い。
事業モデルの本質は、本来的に動きの鈍い高額品の市場において流動性を提供し、売買のスピードを上げることである。同社の事業モデルでは中古品がスピードアップのための触媒であり、中古品を確保することが何より大事である。新品の仕入、新品の販売、中古品の買取、中古品の販売の4 つは密接につながっており、どれか一つが滞ると他に影響がおよび、反対にどこか一つを加速させることができれば、他に効果が波及するという関係にある。この循環関係が当てはまり易いのが、最も売上高構成比高いカメラ事業である。同社は2014 年3 月期に2 つの中古品買取強化策を打ち出した。ワンプライス買取とスムーズ買取である。
ワンプライス買取
同一モデルであれば買取価格は一定とし、価格交渉の手間をなくした。買取価格自体は同業他社のレンジの上限前後に設定し、競争力ある買取価格設定としている。
スムーズ買取
中古品買取のプロセスにおいて住民票送付のプロセスをなくした手法。役所で住民票を取得し郵送する手間と費用を省略でき、ワンプライス買取と合わせて同社の選好度を高める効果がある。
ワンプライス買取の利用率が約80%、スムーズ買取の利用率が約50% ということで、消費者に受け入れられていると評価できる。
■新中期計画について
2015 年3 月期から2017 年3 月期の3 か年計画を策定。新たな中期経営計画では、業績目標が従来計画比で大幅に上方修正されている。
2014 年3 月期に大幅増収増益を達成したことに加え、Web 会員数増加や中古品買取り量の増大、サイト内検索システムのリニューアル投資の手応えなど、将来につながる指標や諸施策が全般的に好調に推移していることがその要因とみられる。
■市場規模の潜在成長性
カメラとスマホの競合が言われて久しいが、同社のメインターゲットとするミドル、ハイエンドカメラは、スマホとは全く競合しない領域なので、この点の懸念はない。リタイア後の趣味としてカメラを選択する人の割合は多い。旅行や登山を第一の趣味する人も、やはりカメラは重要だ。今後しばらくは、資金的に余裕があって活動的なアクティブ・シニア層が増加していくと予想される。ミドル・ハイエンドカメラについては、これらアクティブ・シニア層が顧客層としてのプレゼンスを増してきて追い風として機能してくれると期待される。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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