システム ディ Research Memo(8):公立小中高向け学校運営用システムは今後の成長の要として期待する
[14/07/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■各事業部門の状況
(5)公教育ソリューション事業
公教育ソリューション事業は、公立の小中高向けに学校運営用のパッケージソフトをクラウドサービスで提供している。学園ソリューション事業が個別の学校法人を対象としているのに対し、販売相手が地方自治体の教育委員会などであり、意思決定プロセスや予算規模が私立学校とまったく異なるため、学園ソリューションと別の事業としている。同事業部門の製品は「School Engine」という校務支援サービスで、2014年4月末の累計ユーザー数は567校と半年前から129校増加した。
システム ディ<3804>は公教育ソリューション事業について、今後の成長の要となる存在として大きな期待を寄せている。期待が大きい背景の1つは市場の大きさである。公立学校の数は小中高合わせて38,000校に及ぶ。現在の顧客数567校はその1.5%に過ぎない。また、例えば県立高校の場合、稼働がモデル高や実験高からであっても最終的に県下の全高校に導入することになり、市町村(小中学校)では、逆に一気にすべての小中学校への導入となる。競合他社が従来のクライアント/サーバ型の提供にとどまっているのに対し、同社のクラウドサービスは圧倒的に優位なポジションにある。同社は、それらに対応すべく複数の大手ベンダー、地場企業との連携を強化している。
同製品は2010年の発売当初、初期対応に多くの人員と時間を割き、それが一時的に業績を圧迫する状況を招いた。ただ、現在までに初期対応は完了しており、結果的にそれが製品の完成度を高めることにもつながった。ユーザー自治体の増加と製品の完成度の向上が正のスパイラルを生み出し、すでに県案件ではニーズの高い集中管理型、市町村案件ではパブリック(完全)型クラウドでの導入実績があり、多くの自治体からの引き合い増加につながっている状況にある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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