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ネットプライスドットコム Research Memo(9):14/9期は2ケタ増収、圧倒的ポジション確立を優先し費用先行

注目トピックス 日本株

■業績動向

(3)2014年9月期通期の業績見通し

ネットプライスドットコム<3328>の2014年9月期通期の連結業績は、売上高が前期比19.8%増〜21.7%増の12,347百万円〜12,547百万円、営業損失が413百万円〜283百万円、経常損失が395百万円〜255百万円、当期純損失が457百万円〜327百万円と、売上高は伸びるものの経常利益ベースでは2期ぶりに赤字となる見通しだ。バリューサイクル、クロスボーダー部門の成長により売上高は拡大するものの、業界圧倒的No.1確立のための費用が先行することに加え、リテール・ライセンス部門や新規事業の収益悪化が足を引っ張る格好となる。第4四半期における各部門の見通しについては以下のとおり。

○バリューサイクル部門
バリューサイクル部門の第4四半期は、売上高、利益ともに拡大する見通しで、四半期ベースでは過去最高の売上高が見込まれている。また、買取件数拡大のための業務提携も引き続き強化していく方針でいる。買い取りの間口を広げることで業界内での圧倒的ポジションをまずは確立していくことを優先していく。この結果、通期の売上高としては前期比4割増の6,200〜6,300百万円程度まで拡大する見通しだ。

○リテール・ライセンス部門
リテール・ライセンス部門のうち、ネットショッピング事業に関しては、売上高の減少傾向が続くものの、固定費の削減を実施したことで損失額は縮小する見込みとなっている。スマートフォンサイトの全面リニューアルによって、7月にはスマートフォン経由の売上高比率が50%台まで上昇している(前年は30%台)。今後はスマートフォンユーザーをターゲットにしたサービス展開を強化し、12月にはスマートフォン比率を70〜80%まで引き上げていく考えだ。通期の売上高は前期比で1割減収、営業損失も若干拡大する見通しとなる。

○クロスボーダー部門
クロスボーダー部門のうち海外転送・代理購入事業に関しては、好調な市場環境を背景に引き続き高成長を見込んでおり、通期の流通額としては前期比9割増の8,000百万円となる見通し。第4四半期においても、物流サービス機能の強化を図るなど利便性向上のための投資を継続していくため、利益面に関しては大きな伸びを見込んでいない。

一方、グローバルショッピングサイト事業に関しては、円安という逆境下において利用客層の拡大を図ることが当面の経営課題となっており、現状は利用手続きの簡素化を図るなど、手軽にサイトを利用するためのプラットフォーム作りに向けた取り組みを進めている段階にある。このため、第4四半期においても、売上高、利益面ともに前四半期並みの推移になることが予想される。同社では、こうしたプラットフォームの再構築が終わった段階で、本格的なプロモーション活動を展開し、再び成長軌道に乗せる計画を立てている。

○インキュベーション事業
前述したとおり、知育アプリ・コンテンツ配信事業に関しては固定費の削減を進めたことで、第4四半期の赤字幅は縮小が見込まれる。

投資事業に関しては、極めて順調に推移していると言える。ここ2年ほどで投資してきた新興国のネットベンチャー企業の企業価値は市場の成長とともに軒並み上昇しており、売却益を計上しやすい体制になっている。新興国向け企業に対する出資総額は1,100百万円程度となっているが、直近のファイナンス時における株価などをもとに試算すると3〜4倍程度に上昇しているものと推計される。

また、米国における投資事業に関しても、食料・雑貨品のデリバリーサービスを提供するInstacartが急成長しており、出資額は小さいものの企業価値としては数十倍程度になっていると推計される。国内においても複数社のベンチャー企業に出資しており、オークファン<3674>に続く成長株企業として、フリーマーケット用アプリ「Fril(フリル)」の運営会社であるFablicなどが注目されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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