アイスタイル Research Memo(13):タイムライン型の「@cosme」サイトを3Q中にも稼働させる予定
[14/08/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長戦略
(2)経営課題と解決に向けた取り組み
経営課題としてアイスタイル<3660>では表のとおり3つの課題を掲げている。第1に「@cosme」内で閲覧するコンテンツが化粧品のクチコミ情報、ランキング情報に偏っている点である。サイト内の回遊が進まないという課題に対して、同社ではサイトの構造をFacebookなどのソーシャルメディアのようにタイムライン型に作り変え、ユーザーごとに関連する様々な美容情報をプッシュ表示することで、閲覧頻度の向上を進めていくことを考えている。特に、スマートフォン経由での閲覧が主流となりつつあるなかで、従来のポータル型のサイト構造は使い勝手が悪く、サイト内回遊が伸び悩む要因になっていると考えている。
同社では、ブラウザベースでタイムライン型の「@cosme」サイトを第3四半期中にも稼働させる予定で、ブラッシュアップや機能拡張を適宜行っていく。ユーザーごとに幅広い美容情報をプッシュ表示できる、タイムライン型に変えることで、サイト内のトラフィック量の増加(=広告量が増加)が見込まれるほか、グループで利用できるクーポンの利用頻度向上も期待され、EC事業や店舗事業、「ispot」事業などの増収にも寄与することが予想される。また、ブランディング広告の見せ方に関しても、より効果的な手法を開発していく計画となっている。
第2に、利用するデバイスが広告単価の高いPCからスマートフォンにシフトするなかで、平均広告単価が低下するという課題に直面している。同社ではこうした課題の解決として、メディアを軸とした広告サービスの提供から、クライアント企業の課題解決に向けたソリューションサービスをより一層強化していく方針としている。そのなかには販促サービスも含まれる。
7月30日付で子会社化を発表したビューティー・トレンド・ジャパン(株)が行っている定期頒布型サービスも、販促サービスの1つとして注目される。GLOSSYBOX(グロッシーボックス)と呼ばれる同社のサービスは、月額1,620円(税込)で、毎月4〜5アイテムのサンプルサイズのビューティプロダクトを宅配サービスするというもの。2011年12月より日本でのサービスを開始しており、これまで約300ブランドが協賛している。アイスタイルでは、同社のクライアントである約850の化粧品メーカーとのネットワークを活かしながら、ソリューションサービスの一環として事業を推進していく考えだ。
第3の経営課題として、システム開発の非効率性が挙げられる。同社は創業来、順調に成長を続けてきたが、サイトの機能拡張などその都度改修してきたこと、また、PCサイトをベースにマルチデバイスに対応してきたこともあって、ソフトウェア構造や、データ構造が複雑なものとなり、開発効率低下の要因ともなっていた。今回、タイムライン型のサイトにリニューアルするタイミングで、ソフトウェアアーキテクチャーの構造見直しとデータ構造の大幅整理を行うことで、今後のシステム開発スピードの向上と開発コスト低減を進めていく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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