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あいホールディングス<3076>上半期の上方修正期待が高まりやすい

注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』9月8日放送において、あいホールディングス<3076>を取り上げている。主な内容は以下の通り。


■注目ポイント
好業績期待が高まりやすいことが注目点。上半期決算末を迎え、全般的に4-6月期好決算銘柄に対しては、上半期の上方修正期待が高まりやすいタイミングとなる。同社はここ3期間、売上、利益ともに高成長が続いており、15年6月期も2ケタ増収増益見通しとなっている。第1四半期に当たる7-9月期の好決算を先取りするような動きが目先的に強まる可能性は高い。

■会社概要
あいホールディングス<3076>は、傘下にドッドウエルビー・エム・エス、グラフテックなど16の事業会社を持つ純粋持株会社。これらの会社が主に7つの事業を展開しているが、現在はセキュリティ事業と米国での情報機器事業が成長エンジンとなっている。14年6月期の事業別売上構成比は、セキュリティ機器24.7%、カード機器及びその他事務用機器9.1%、保守サービス4.6%、情報機器28.2%、計測機器及び環境試験装置6.2%、設計事業13.1%、リース・その他14.0%となっている。セキュリティ機器、カード機器及びその他事務用機器、保守サービス、リース・その他をドットウェルビー・エム・エスが手掛け、情報機器、計測機器及び環境試験装置はグラフテック、設計事業はあい設計が手掛けている。

■事業内容
セキュリティ機器
主要製品は監視カメラやレコーダー等のセキュリティシステム。製品は主に韓国メーカーから仕入れているが、購入製品の仕様決定には同社も深く関わっている。韓国製の強みは、基本技術が軍事技術から転用されたものもあることからコストに比べて性能が高いこと。したがって同社製品は、国内の競合大手に比べてコストパフォーマンスが高い。主なユーザーは、マンション、銀行・証券会社等の金融機関など幅広いが、ここ数年は特に既設の分譲マンション向けが大きく伸びている。

カード機器及びその他事務用機器
主要製品は病院向けの診察券発行機、再来受付機、金融・流通機関向けのICカード即時発行機等。金融・流通機関向けでは、即時発行機は依然としてマイナーであるが一部地銀で採用が始まっており、加えて一部のメガバンクでも導入が決定しているもよう。

保守サービス
セキュリティ機器、カード機器などの保守サービスを行う部門。同社の扱うセキュリティ機器やカード機器は、一括購入よりリース契約を行うことが多く定期的なメンテナンスを必要としている。さらには、保守部門を有していることが顧客への安心感や営業での強みとなることで、セキュリティ機器やカード機器等の売上増に寄与している面もある。

情報機器
グラフテックが扱っているカッティングマシンやスキャナなどのコンピューター周辺機器。カッティングマシンは、元々はグラフテック創業の技術であるプロッタ技術を転用して開発されたもので、カット幅が小型のA4サイズから大型のものまである。主な用途は屋外広告・看板制作など企業向けが中心。近年は従来の業務用カッティングマシンをコンシューマー向けに小型化した製品がホビー(主にペーパークラフト)用として欧米で大きく伸びている。

計測機器及び環境試験装置
計測機器は電圧、温度、湿度、パルスなど幅広いデータ収録に対応できる製品ラインアップを揃えている。環境試験装置は、高温・低温などの特殊な環境下での電子部品やプリント基板等の動作確認を行う装置。

設計事業
関連技術者200名以上を有しており、建築設計業界の中でも専門性の高い「耐震診断・耐震構造設計」を事業の中心に据えている。その他にも、意匠設計、構造設計、設備設計など高い技術力を軸とした建築総合コンサルタント業を行っている。

その他
この部門の主たる事業は「リース・割賦」で、セキュリティ機器やカード機器等の販売に関連して割賦やリースを行う部門。

■14年6月期業績
売上高は、369億7千6百万円(前年同期比14.2%増)、営業利益は63億9千9百万円(前年同期比28.6%増)、経常利益は65億5千3百万円(前年同期比29.0%増)、当期純利益は40億4千3百万円(前年同期比36.0%増)となった。

セキュリティ機器については、マンション向けセキュリティシステムの販売が新規・リプレースとも引き続き順調に推移。売上高は91億円(前年同期比18.2%増)、セグメント利益は27億円(前年同期比19.0%増)となった。カード機器及びその他事務用機器については、カード即時発行機の販売が順調に推移したことなどにより、売上高は34億円(前年同期比35.2%増)、セグメント利益は9億円(前年同期比66.0%増)となった。情報機器については、新商品が販売に寄与したことやコンシューマ向け小型カッティングマシンの販売が好調に推移したことにより、売上高は104億円(前年同期比30.4%増)、セグメント利益は11億円(前年同期比34.8%増)となった。計測機器及び環境試験装置、設計事業に関しても、それぞれ増収増益となっている。

■2015年6月期業績
2015 年6 月期通期業績予想は、売上高42,000 百万円(前年比13.6%増)、営業利益7,400百万円(同15.6%増)、経常利益7,500 百万円(同14.4%増)、当期純利益4,800 百万円(同18.7%増)としている。セキュリティ機器、カード機器及びその他事務用機器事業、情報機器などが牽引役に。セキュリティ機器事業はマンションのリプレイス物件の増加が牽引する見通し。カード機器及びその他事務用機器は、カード機器が大手メガバンク、大手流通系クレジットカード会社向けに受注増加を見込む。情報機器事業は海外子会社の大幅な収益拡大を見込んでいる。GMS向けの小型機投入効果、主力商品の新商品投入効果などを想定へ。

■中長期展望
セキュリティ機器
富士経済の調査によれば、国内のセキュリティ関連市場は2013年見込の5,819億円から2016年には6,239億円になると予想され、同社が提供する監視カメラシステムの市場は、2013年見込の715億円から、2016年には853億円(2013年比19.3%増)になると予想されている。
強盗や通り魔事件などの凶悪犯罪の多くが、監視カメラの映像を分析することで解決していること、金融機関での不正や食品工場での毒物混入などの影響もあり、企業内でも監視カメラを設置する傾向が強まっていることなどが今後も拡大が予想される背景。以前は「プライバシー保護」の点から監視カメラの設置を躊躇する団体や企業が多かったが、近年では「犯罪防止」の機運のほうが高くなっており、同社のセキュリティ事業にとっては追い風に。
同社はマンション向けへ特化している。大手に比べて限られた営業リソースを活かすためには対象を特化するほうが効率的であるためだ。シェアアップがまだまだ可能であること、監視カメラが未開拓の市場に食い込む余地があることから、今後数年はマンション向けだけでもセキュリティ機器の売上高を伸ばすことは十分に可能と判断される。

情報機器
全米クラフト&ホビー協会によれば、2011年のクラフトホビー市場は303億ドル(約3兆300億円)であるが、シルエットが対象とするペーパークラフトや芸術的クラフト市場の規模は合計でおよそ65億ドル(約6,500億円)と推計されている。ペーパークラフトがこれだけ巨大な趣味の市場として存在することは日本では想像し難いが、米国では「旅行」「スポーツ」「クラフト」が3大ホビーと呼ばれるほどクラフトは大変人気の高い趣味として一般主婦層に定着しているのである。
今でも、多くの人はハサミやカッターを使って紙を切り抜いてペーパークラフトを行っているが、パソコンの普及に伴いデザインコンテンツやカッティングマシンを使ってより高いレベルのペーパークラフトを行う人も年々増加しており、これを提案しているのが子会社のシルエットである。自ら市場を拡大していける余地が大きいと考えられる。

ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送





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