情報技術開発 Research Memo(2):独立系ソフト開発会社、顧客は幅広い業種に分布
[14/10/01]
提供元:株式会社フィスコ
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■事業概要
情報技術開発<9638>は、中堅規模の独立系ソフト開発会社である。主力のソフトウェア開発及び情報処理サービスを軸として、組込ソフトウェアやデータセンターのほか、様々なソリューションも手掛けている。ワンストップソリューションと幅広い業種を対象とした直接取引に特徴がある。
事業セグメントは、「ソフトウェア開発」「情報処理サービス」「エンベデット・ユビキタス/半導体関連」の3つに区分される。売上高ではソフトウェア開発が56.5%を占める一方、営業利益(調整前)では情報処理サービスが69.2%を稼ぎ出している(2014年3月期実績)。
顧客数は約400社である。業種別の売上構成比率では、主要取引先であるパナソニックグループを含む製造業の比率が高いものの、その影響を除けば幅広い業種にバランスよく分散されていると言える。また、約90%がエンドユーザーあるいはその情報子会社との直接取引となっている。
同社では、事業分野を以下の5つに分類している。
1.ソフトウェア開発
物流業、製造業、保険業などを中心に幅広い業種を顧客とし、基幹業務システムなどの構築に関するコンサルティングから企画提案、設計、開発、保守まで、一貫して支援するトータルサービスを提供している。
2.情報処理サービス
顧客の情報システムに関するインフラ構築、サーバ管理、ネットワーク監視、ヘルプデスクなど情報システムの管理運営サービスに加え、グループで保有するリモートセンターを活用したIT部門のアウトソーシングサービスを提供している。100%子会社のTDIシステムサービス(株)が手掛けている。
3.エンベデット・ユビキタス/半導体関連
車載機器、情報家電、モバイル・マルチメディア機器用の組込ソフトウェア開発サービスを行っている。また、半導体製品の設計・評価・解析サービスや、工場などの生産ラインにおける各種自動検査サービスも提供している。100%子会社のTDIプロダクトソリューション(株)を中心に手掛けている。
4.データセンター
グループで保有するインターネットデータセンターを活用し、ホスティングやハウジング、レンタルサーバーなど、様々なインターネット関連サービスを提供している。事業セグメントでは情報処理サービスに含まれる。2012年4月に買収した連結子会社(株式の51%保有)のカゴヤ・ジャパン(株)が手掛けている。
5.ソリューションサービス
顧客の課題解決を実現するために、ビジネス環境、業務、業種に合わせた様々なソリューションを提供している。なお、事業セグメントでは、3つの事業セグメントにそれぞれ含まれている。具体的には、小売業向けを中心としたデジタル広告や、工場の生産ラインで画像認識による自動検査(欠品、異物混入など)を実現する画像認識・自動検査サービス、IT業務のアウトソーシングを実現するリモート運用サービス、地域医療機関を中心とした在宅介護・医療の情報共有システムなどがあげられる。現在の売上構成比率は3%前後と推察されるが、これからの同社の成長をけん引する分野と位置付けられている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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