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ソフトバンテク Research Memo(6):ストックビジネスの積み上がりにも注目

注目トピックス 日本株

■構造改革の進展状況

また、サービスプロバイダーへの変化という面でも進展が見られる。成長が期待できる分野それぞれにおいて月額課金や一定期間収益を生み出すストック型のビジネスが徐々に積み上がりつつあるからである。まとめると以下のようになる。

データアナリティクス分野においては、ソフトバンク・テクノロジー<4726>が扱うWeb解析ツールなどの契約件数は2015年3月期第1四半期には過去最高の約100社程度に到達しており、売上高も前年同期比で40%近い伸び率になっているという。一時大口の解約があったが、新規ツールの取り扱いを開始し、2014年3月期第4四半期までには新規契約を獲得してきた。今後さらに契約件数を伸ばすとともに収益源となるサービスの拡充が見込まれている。

セキュリティソリューションは前年同期比で2.9倍の7.1億円に伸びているが先に述べたように、これは子会社化したサイバートラストの貢献が非常に大きい。サイバートラストはSSL認証などのセキュリティサービスを提供している会社であるため、主要サービスのほとんどがストックビジネスである点も見過ごせない。安定した売上と利益が見込めるだけでなく、今後さらに自社サービスと連携させることでのシナジー効果も期待できる。

非常に高い伸び率を示すマイクロソフトソリューションのストックビジネスには特に注目したい。クラウド環境への移行支援ニーズの高まりを受け、大手企業を中心として受注が加速度的に伸びているという。その伸びを累計ユーザー数で見ると一目瞭然で、2013年3月期第1四半期時点では累計約6万件だったのに対し、2014年第1四半期には約10万件、2015年3月期第1四半期には約40万件にまで拡大している。わずか2年でユーザー数が約7倍となっているが、より重要なのはマイクロソフトソリューションに関連して提供している自社サービスの契約数の伸びである。実は自社サービスの累計ユーザー数だけでも20万件を超えており、これは先に述べたような月額課金型のストックビジネスになるため、安定した収益につながっていく。こうした自社サービスをより大きくしていくことで同社の収益性はより高まっていくと考えられる。

利益面でもプラスの成果が表れている。同社が経営指針として最も重視している限界利益は前年同期比55.2%増の2,242百万円、限界利益率が前年同期比4.6ポイント増の23.0%にまで上昇している。M&Aで自社に技術やコンテンツを持つ会社を子会社化したことと、変動費の多くを占める外注費圧縮が限界利益率の上昇要因となっている。

しかし、構造改革が進んでいるからこその副作用もある。それは、固定費の増加による営業利益の圧迫である。固定費は前年同期比で64.5%増となり、金額にして826百万円増加した。

今後、前述したストックビジネスが積み上がることで限界利益以外の利益水準がどのように変化していくかが同社の業績を予想する上で重要なポイントになってくるだろう。

2.財務状況
財務状況は良好である。M&Aに伴い有利子負債は2,306百万円となったものの、現預金は4,760百万円あり、実質無借金経営が続いている。自己資本比率は2014年3月期末比2.5ポイント低下の46.7%となった。M&Aにより総資産が増加したのが主な要因である。

3.株主還元
2015年3月期の配当については、前期と同じ1株当たり期末配当20円を予定している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)



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