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テクマトリックス Research Memo(8):市場成長が期待できる事業領域への選択と集中

注目トピックス 日本株

■中長期的な成長戦略

(2)事業領域の絞り込み

テクマトリックス<3762>は、従来から特にアプリケーション・サービス事業において、事業領域の絞り込みを行っている。インターネット分野、金融分野、ソフトウェア品質保証分野、医療分野、CRM分野の5分野である。クラウドサービスとセキュリティ&セイフティサービスの強化という事業構造の転換を進めながら、事業領域の絞り込みという点では、従来どおりの方針を堅持する。

これら事業は、いずれも「ボトムアップによるアプローチ」、つまり、過去に社員がビジネスを現場で体験しながら蓄積した技術力や業務知識が社内で集約され、事業として成り立ったものばかりである。これらは同社の独自商品といえる。独自商品は他社との差別化ができるほか、利益率も高い。

しかも、これら5分野は、今後の市場成長も期待できる。以下に今後の各分野の成長性を予測したデータ及び根拠を示す。

インターネット分野は、親会社の楽天<4755>からの請負により成長した分野で、EC関連サービスを展開している。経済産業省と野村総合研究所<4307>の調査によれば、2013年に11兆1,660億円まで拡大したEC市場は、2014年には12兆9,000億円と15.5%も拡大するとされ、2018年まで年率で平均12.6%の伸びを示すと予測している。市場の拡大に伴い、EC関連サービスの市場も比例して拡大してくと期待される。

金融分野は、統計などがないため、数字で伸び率を示すのは難しい。しかし、金融分野においてもクラウド化が進んでいる。単にコスト削減ということではない。金融機関には、システム化されていない業務が複数存在し、今でもエンドユーザーが個々にシステム構築するようなケースが散見される。これら業務に対応する統合されたシステムを構築するために、クラウドサービスが今後、活用されると見られている。

ソフトウェア品質保証分野は、ソフトウェアのテストツールなどが中心となっている。これらが属するカテゴリーである「組込みシステムにおけるサービス関連」の市場規模は、2012年度実績が5,670億円で、市場は16年度まで年率2%程度の堅調な伸びを示すと予想されている(ミック経済研究所調べ)。

医療分野は、医用画像システムにおけるクラウドモデルの市場において、国内契約施設数が2012年度に102施設だったが、2016年度には710施設に導入拡大すると見られている。医用画像の保存容量に関しても、2012年度の355TB(テラバイト)から2016年度には4,100TBになると予想されている(いずれも、矢野経済研究所調べ)。同社は、2013年度で150施設からNOBORIの受注を獲得し、医用画像システムにおけるクラウドサービスで先行していることから、今後は医療分野の売上高も上昇していくことが期待できる。

CRM分野は、ソフトウェアの市場規模全体では年率1.6%程度の伸びに止まるが、SaaS(サービス型ソフトウェア)に限ると、2012年度の約360億円が15年度には487億円と年率で10.6%の成長が続くとされている(ミック経済研究所調べ)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)



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