コニシ Research Memo(7):通期は2Q結果を受けて、期初計画から下方修正
[15/01/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
(2)2015年3月通期の業績見通し
○損益状況
2015年3月通期の業績見通しは、売上高116,000百万円(前年比2.8%増)、営業利益5,110百万円(同21.1%減)、経常利益5,140百万円(同23.3%減)、当期純利益2,980百万円(同20.3%減)と予想されており、第2四半期の結果を受けて期初計画を下方修正した。ただし下半期については、売上高の見込みだけでなく売上原価率のアップ、販売管理費の増加などコスト面もかなり厳しく予想していることから、更なる下振れはなさそうだ。
セグメント別では、ボンド事業の売上高を56,200百万円(同2.1%増)、営業利益を4,130百万円(同21.8%減)、化成品事業の売上高を49,800百万円(同1.7%増)、営業利益を450百万円(同17.0%減)、その他事業の売上高を10,000百万円(同13.1%増)、営業利益を530百万円(同17.3%減)と予想している。
各事業については、以下のように予想している。
▼ボンド事業
ボンド事業においては、引き続き住宅関連は厳しい状況が続くと予想しているが、鉄道関連の補修・補強用、橋梁・床版などの剥落防止用など土木工事用の接着剤を積極的に伸ばす方針だ。既に専門の部署を設置しており、2015年3月期は売上高2,400百万円(前期実績1,883百万円)を計画している。
M&Aによって2014年4月から新規連結子会社となった矢沢化学工業との業務連携を一段と強化する。既に矢沢化学工業の販売ルートで「ボンド」製品の販売をスタートしており、さらにコニシ<4956>の全国代理店網を活用して矢沢化学工業製品の販売を計画している。
外装タイル接着剤では、接着剤張り工法である「トータルフレックス工法」のデファクトスタンダード化が進んでいるが、一段と競争力のある製品を市場に投入して市場自体の更なる拡大を目指す。この工法は竹中工務店との共同開発であったため、当初は竹中工務店向けだけであった。現在ではこの拘束がなくなり、他のゼネコンにも供給が可能になっているので拡販に拍車がかかりそうだ。
また一般家庭用向け市場ではメディアを積極的に活用して販促を進め、売上高拡大を目指す。この方針に沿って、既に名古屋地区では2014年8月から、関西地区では同11月から手芸用製品のテレビCMを放映開始したが、販売実績で6〜8月の15,000本から9〜10月には51,000本へ増加しており効果は出ているようだ。さらに首都圏地区でも2015年2月から放映開始予定で、今後の売上高増が期待されている。
▼化成品事業
売上高規模は大きいものの利益寄与は小さいセグメントであり、売上水準を下げないよう各業界向けに取りこぼしのない営業を展開していく予定だ。
▼その他事業
引き続き道路・鉄道向けを中心に補修改修工事は好調に推移すると予想している。ただし、同社は新設工事を行っていないため、オリンピック関連の受注については過大な期待はしていないようだ。
○設備投資計画
同社の過去数年の設備投資額は下図のように2,000百万円前後で推移していたが、2015年3月期は3,600百万円と大幅に増加する計画だ。
生産体制の強化として栃木工場に新製造棟を建設し、外壁タイル用弾性接着剤及び床施工用弾性接着剤の製造設備を導入する。従来外壁へのタイル貼り付け工事では主にコンクリートやモルタルで行ってきたが、はく離のリスクがあるため最近では接着剤による貼り付けが増加している。投資額は1,400百万円を予定している。製造能力は6,000トンであり、既存の能力82,000トンと比較して10%弱の能力増強となる。需要増や次期中期計画に向けた前向きな投資と言える。
もう1つは物流体制の強化のための投資で、栃木物流センターの危険物倉庫に200百万円、滋賀物流センターの建設に1,300百万円を予定している。これらの投資により、東日本を栃木物流センター、西日本を滋賀物流センターでカバーすることになり、物流体制が大幅に強化される。これに伴い、以前は外部委託していた物流業務を内部へ取り込むことが可能になり、それぞれのセンターで年間約100百万円の経費節減になる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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