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システム ディ Research Memo(4):16年10月期に向けた中計推進中、KPIはいずれも順調に伸長

注目トピックス 日本株

■「V&V Business」戦略と中期成長シナリオ

(1)中期経営計画の進捗状況

システムディ<3804>は2016年10月期を最終年度とする中期経営計画を策定している。初年度の2014年10月期は売上高、利益ともに計画を上回って着地した。同社がKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)と位置付ける「パッケージ販売本数」「ユーザ件数」「サポート・クラウド契約件数」及び「サポート・クラウド売上金額」は、いずれも順調に拡大している。サポート・クラウド契約は、月々、継続的に収入が入るタイプの契約で、いわゆるストック型収入をもたらすものだ。後述する「V&V Business」の中の「Volume Business」が拡大すると、ここが伸びていくことになる。

中期計画の進捗を先行事業と新規事業とに分けて見てみると、2014年10月期の実績においてばらつきがあったことがわかる。先行事業は営業利益が361百万円の予想に対して442百万円と22%上回ったが、新規事業では営業利益30百万円の予想に対して実績は45百万円の営業損失だった。新規事業が予想を下回った詳細は後述するが、意思決定プロセスやスピード感で民間とは大きな差があるほか、予算の制約なども民間に比べて大きく、公会計、公教育の両方で計画を下回ったことが影響した。

同社では2014年10月期実績を踏まえて2015年10月期の業績計画を一部修正した。売上高は先行事業、新規事業ともに従来予想から引き上げている。先行事業は足元の好調を反映させたことが要因と推測される。新規事業は2014年10月期の発注先送り分や営業上のアプローチ改善効果の寄与を見込んでいるものと思われる。利益では新規事業は増収に合わせて黒字転換を見込んでいるのに対して、先行事業では反対に営業利益見通しを引き下げている。これについては2014年10月期にあった大口特需の反動減を考慮したためのようだ。同社の考え方の根底には、2期分合計では計画を上回るペースで順調に進捗しているという認識があるようだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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