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ボルテージ Research Memo(1):サスペンスアプリ立て直しと海外収益化を図る

注目トピックス 日本株

ボルテージ<3639>はモバイルコンテンツの企画・制作・配信を行う企業で、創業して以来、企業理念「アート&ビジネス」に基づき、モバイルにおけるドラマを追求し、ゲームともマンガとも異なるストーリー型エンターテインメントである「ドラマアプリ」というジャンルを確立した。現在では同社が圧倒的な強みを有する「恋愛ドラマアプリ」に加えて、サスペンスや推理をテーマにした「サスペンスアプリ」の提供も開始している。

収益の中核を成す「恋愛ドラマアプリ」については堅調に推移している。2015年6月期に投入した中でも複数のヒット作が生まれているほか、従来からのタイトルにもロングセラーとなっているものが多い。2015年6月期上期に歴史ものとしてソーシャル型で初めて投入した『天下統一恋の乱 Love Ballad』は、サービスインから日が浅いもののランキング上位に顔を出しており、同社の今後の方向性を占う大きな手掛かりの1つと言えそうだ。

同社は2015年6月期第2四半期決算において、通期業績見通しを下方修正した。この要因は、同社が新たなジャンルとしてリリースした「サスペンスアプリ」の2つのタイトルが、いずれも不発に終わったためである。同社では、その原因を「マネタイズ、すなわちサスペンスアプリへの潜在需要を収益に結び付けることができなかったこと」にあると分析しており、その対策を施した3作目を2015年6月期末に投入する予定だ。

来年、2016年6月期については、業績がV字回復となる可能性は十分にあると弊社では考えている。中核の恋愛ドラマアプリは堅調であり、V字回復の成否は、サスペンスアプリの立て直しと海外事業の収益化がカギを握る。同社の経営判断のポイントは売上高を伸ばすためにどれだけの費用を投下するかのバランス取りにあると弊社ではみているが、それは同時に同社の業績予想を難しくさせている要因でもある。しかし逆に言えば、費用のコントロールで利益を出すことが可能であるということでもあり、2015年6月期の水準からさらに業績が大幅に落ち込むようなリスクは小さいと言えよう。結局のところ、来期の最大の注目点はサスペンスアプリのヒットによりトップライン・グロースを実現できるかにかかってくると弊社では考えている。

■Check Point
・スマホアプリ化した人気作品はユーザー層が拡大し好調を維持
・サスペンスアプリはコンセプトの見直しで長期継続率、課金率の上昇に期待
・英語市場における恋愛ドラマアプリのポジショニングは良好

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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