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テラ Research Memo(3):最先端のがん治療である免疫細胞療法

注目トピックス 日本株

■会社概要

(2)樹状細胞ワクチン療法とは

がんの治療法には一般的に、「外科療法(手術)」「化学療法(抗がん剤治療)」「放射線療法」と3つの標準的な治療法があり、それぞれ単独で行うか、症状に応じて複数の治療法を組み合わせながら治療を行っている。テラ<2191>が提供する樹状細胞ワクチン「バクセル(R)」は第4のがん治療法と言われる免疫療法のひとつであり、これらの標準的な治療と組み合わせることで効果を発揮する、最先端のがん治療法となる。

免疫細胞療法とは患者自身の体から血液(免疫細胞)を一旦採取して、それを培養、活性化して体に戻し、取り除きたい悪性細胞(がん細胞)を退治していく方法である。「樹状細胞」はこの免疫細胞のことを言い、体内で異物を捕食することによりその異物の特徴(抗原)を認識し、リンパ球(異物を攻撃する役割を持つT細胞等)にその特徴を覚え込ませるといった役割を担う。これにより、そのリンパ球が異物のみを狙って攻撃することができるようになる。こうした「樹状細胞」とリンパ球の体内での役割、特徴をがん治療に活かしたものが、「樹状細胞ワクチン療法」と呼ばれるものである。同療法は同社が先駆して開発してきたが、現在は同療法を独自で開発、実施する競合企業や医療機関が増えてきている。

「樹状細胞ワクチン療法」の最大のメリットは、がん細胞のみを狙って攻撃し、正常細胞を傷つけないため、副作用が少ないという点にある。また、がん種に関しても同社では免疫効果の高い「WT1ペプチド」(独占実施権保有)をがん抗原として使用することでほぼすべてのがんを対象とすることが可能となっている。

一方、デメリットとしては、保険適用外であるため治療費が全額自己負担となることである。このため、現状では「手術」や「抗がん剤」など一般的な治療法では効き目がなくなった重度のがん患者、あるいは膵臓がんのように外科的手術が難しいがん種患者の症例数が多くなっている。2014年12月末までの約8,900症例をがん種別でみると、膵臓がんが約2割と最も多く、次いで大腸がん、胃がんが各1割強となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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