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イグニス Research Memo(1):第2四半期以降にアプリのリリースが本格化する見通し

注目トピックス 日本株

イグニス<3689>は、スマートフォン向けネイティブアプリの企画・制作・運営・販売を手掛け、広告収入を主な収益源とする「無料ネイティブアプリ」の提供を中核事業にしている。また、30分無料で漫画コンテンツを楽しむことができる「全巻無料型ハイブリッドアプリ」や「ネイティブソーシャルゲーム」も展開し、ゲーム及び非ゲームの領域で独自のポジションを確立している。特に、日常的に利用するツール系アプリなどを無料かつ高品質で提供することで、ダウンロード数やMAU(Monthly Active User)※の拡大を図ってきたことが同社の成長をけん引してきた。国内屈指の約800万MAUを誇る事業基盤や市場開拓力、高い収益性などを活かして更なる事業拡大を目指す方針である。
※当該月に1回以上、アプリの利用があったユーザー数(アプリ間の重複も含む)

2015年9月期の第1四半期累計の業績は、売上高で前年同期比31.0%減の243百万円、営業損失で101百万円(前年同期は営業利益32百万円)となったが、ほぼ期初予想どおりの進捗とみられる。2015年9月期より、主力となる無料ネイティブアプリで、これまでの小規模アプリ中心から、中・大規模アプリ※の開発にも注力する方針としているが、第1四半期はその移行期に当たり、リリースタイトルが少なかったことが減収及び営業損失となった要因である。
※同社では、開発期間に応じて、無料ネイティブアプリを小規模アプリ(1ヶ月未満)、中規模アプリ(1ヶ月超3ヶ月未満)、大規模アプリ(3ヶ月超)に分類している。

同社は2015年9月期の業績予想について、売上高を前期比61.9%増の3,314百万円、営業利益を同78.1%増の1,000百万円と大幅な増収増益を見込んでいる。年間40タイトルを予定している「無料ネイティブアプリ」や、新たな有力作品の配信を予定している「全巻無料型ハイブリッドアプリ」は第2四半期以降にリリースが本格化する見通しである。また、「ネイティブソーシャルゲーム」でも、新作タイトル「ぼくとドラゴン」を2015年2月20日より配信スタート(本格的な収益貢献は第3四半期以降)させており、3ジャンルともに事業年度の後半に向けて業績を大きく伸ばしていく計画である。

同社は2010年5月の設立以来、「小さく産んで大きく育てる」開発方針により、ヒットアプリを多数輩出することで急速に事業基盤を拡大してきたが、これまでのステージをノウハウの蓄積のための期間と位置付けており、本格的な成長はこれからだと考えている。これまで積み上げてきた事業基盤やノウハウを活かし、海外展開を含め、各事業の拡大を図る方針である。特にネイティブソーシャルゲームと無料ネイティブアプリのうち、コミュニケーション領域を今後の注力分野としている。

■Check Point
・売上高の約70%を占める無料ネイティブアプリが安定収益源
・2015年9月期は3事業がそれぞれ拡大し大幅増収増益を見込む
・市場の大きいゲーム、コミュニケーション領域が今後の注力分野

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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