イグニス Research Memo(2):売上高の約70%を占める無料ネイティブアプリが安定収益源
[15/03/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
イグニス<3689>は、スマートフォン向けネイティブアプリの企画・制作・運営・販売を手掛けており、広告収入を主な収益源とする無料ネイティブアプリを中核とする。「次のあたりまえを創る。何度でも」をビジョンに掲げ、日常的に利用する様々なアプリを高品質で提供し、ダウンロード数やMAUの拡大を図ってきたことが同社の成長をけん引してきた。2014年12月末現在のダウンロード数は累計7,512万DL※(ダウンロード)を超え、無料ネイティブアプリのMAUも約800万を誇っている。
※2015年3月時点で、累計ダウンロード数は8,000万DLを突破している。
ネイティブアプリは、App Store及びGoogle Play等のプラットフォームを通じてスマートフォンユーザーに提供されているが、同社はスマートフォンアプリ事業を収益モデル別に、「無料ネイティブアプリ」「全巻無料型ハイブリッドアプリ」「ネイティブソーシャルゲーム」の3つのジャンルに分類している。2014年9月期において無料ネイティブアプリが売上高の約70%を占めるとともに、安定収益源として同社の収益基盤を支えている。
各ジャンルの特徴は以下のとおりである。
(1)無料ネイティブアプリ(広告収入モデル)
無料で提供するアプリ内に広告を掲載することで、広告収入を収益源とする。したがって、ダウンロード数やMAUを増やすことが広告収入の拡大に結び付く。スマートフォンの使い勝手や日常生活の利便性を高めるツール系アプリのほか、エンターテインメント系アプリ、カジュアルゲーム系アプリなど、様々なジャンルのアプリを展開している。無料ながら有料アプリと同等の品質を保証していることに加え、利便性や使いやすさの追求、パンダのオリジナル人気キャラクター「だーぱん」の活用などがユーザーからの評価を高め、ダウンロード数やMAUの拡大につながっている。
(2)全巻無料型ハイブリッドアプリ(広告収入+課金収入モデル)
コンテンツの公開期間中、毎日30分無料で漫画コンテンツを楽しむことができるところに特徴がある。30分の無料時間経過後も継続して漫画コンテンツを読みたいユーザーは課金購入することで続きを楽しむことができ、広告収入と課金収入を合わせた収益モデルとなっているためハイブリッドアプリと呼称している。なお、2014年9月期の第4四半期からは複数作品を1アプリにまとめたストア型アプリを開始した。ユーザーにとっては1回のダウンロードで複数の漫画コンテンツを同時に読むことができる一方、同社にとってもMAUの蓄積を図ることが可能となる。今期もユーザーの蓄積が見込めるストア型に注力する方針である。
(3)ネイティブソーシャルゲーム(課金収入モデル)
アイテム課金を基本とするネイティブソーシャルゲームを提供している。ソーシャルゲームは他のユーザーとコミュニケーションを取りながらプレイするオンラインゲームである。開発本数を一定数に絞り込むことで品質の高いゲームを提供する方針のもと、2013年5月にリリースした「神姫覚醒!!メルティメイデン」がヒット作品になった(ただし、2014年9月に売却)。なお、2作品目となる「ぼくとドラゴン」(Android版)は2015年2月20日に、iOS版は2015年3月12日に配信を開始している。
同社グループは、2014年12月末現在、連結子会社6社と関連会社1社で構成される。連結子会社には、無料ネイティブアプリの企画・制作・運営・販売を行う (株)アイビー、スワッグアップ(株)、IGNIS AMERICA、INC.(米国子会社)のほか、全巻無料型ハイブリッドアプリの企画・制作・運営を行う(株)イグニッション、ネイティブソーシャルゲームの企画・制作・運営・販売を行う(株)スタジオキング、新しい視点でSNSを展開するALTR THINK (株)(2014年10月に買収)がある。
各連結子会社を通じて、ゲーム及び非ゲームの領域で、広告収入と課金収入の両方の収益モデルを手掛けており、専業への特化や単一の収益モデルに依存しがちな同業他社と比較すると、IT上場企業では特殊なポジショニングをとっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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