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シュッピン Research Memo(5):買取強化策の相次ぐ投入で買取額は着実に増大

注目トピックス 日本株
■会社概要

(4)買取強化策とECサイトの強化策

上記のような同社の特徴と強みは、継続的な努力を怠ると絵に描いた餅に終わってしまう。当然のことだが、同社は自社の事業モデルの肝要な部分については誰よりも詳しく把握して、その対応には資金を惜しまず投資をしている。

(i)買取強化
中古品の調達は同社の生命線だ。中古品が入らなければ中古品を触媒に新品の売上を加速させるという同社独特のモデルが成り立たなくなるからだ。この点について同社は、「ワンプライス買取」(2013年7月導入)、「スムーズ買取」(2013年12月導入)、「先取交換」(2014年9月導入)といった施策を矢継ぎ早に打ち出し、利用者の利便性向上を図ることで買取額増加につなげている。

シュッピン<3179>がECにこだわるのは販売だけではなく買取においても同様だ。同店は1商材1店舗しか構えていないため、地方在住者はEC買取を利用することになる。その際に、消費者の価格交渉の手間を省いたり安心感を与えたり、あるいは手元から愛機がなくなる不安を和らげたりといった対応が上記の諸施策だ。同社の主力商材であるカメラ買取額は、毎四半期着実に増加してきている。同社は買取額増大につなげる施策に関して、他にも腹案がいくつかあるようで、今後の発表が待たれるところだ。

同社の買取スキームで、弊社がもう1つ評価している点は、同社の買取が本社の専任担当者に一本化されているということだ。日本中の誰が商品を持ち込んでも、同じモデルで同じ程度であれば買取価格は同じだ。この安心感は非常に大きいと弊社では考えている。例えば、全国に多店舗展開している会社の場合、買取価格はエリアごとに自由に決められる体制となっていることが多い。買取制度を利用する側からは、どこで買い取ってもらうのが1番トクなのかを調べなければならないし、自分の売却価格が他地域よりも低かったら「損した」感が生じるであろう。このような事態は著しく顧客満足度を下げてしまう。シュッピンが全国一律の買取価格を設定できるのは、ECによる全国一律販売体制となっているからである。

(ii) ECサイト強化
同社は2014年3月期と2015年3月期に、Map Cameraのサイトを一新して利便性を高めた。初心者向けに「イメージ検索」や「スペック検索」を、上級者向けには「こだわり検索」を、それぞれ導入したほか、関連製品を自動的にオファーするような仕組みを取り入れた。また、スタッフによるメーカーや機種ごとのブログ「Kasyapa」も開始して、オーナー及びオーナー予備軍に対するアピールを強めている。

また同社は25万人を超える(2015年3月末時点)Web会員に、毎日350点以上の新着中古情報を載せたメールを送付している。Map Cameraの会員の多くは「よい中古があれば買いたい」といった気持ちを多少は有しているものであり、多くの会員が短時間にせよメールをクリックして同社サイトを訪れて目指す中古品の有無をチェックしているものと推測される。これはMap Cameraブランドの刷り込みに多大な貢献をしているものと思われる。同社はこのような取り組みを他の商材にも順次広げている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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