イグニス Research Memo(7):アプリ黎明期に先駆けて事業基盤を拡大、設立4年2ヶ月でスピード上場
[15/06/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■沿革及び過去の業績推移
(1)沿革
イグニス<3689>は、2010年5月、東京都渋谷区において代表取締役社長の銭コン(せんこん)氏によりスマートフォンネイティブアプリの企画・制作・運営を目的として設立された。「世界にインパクトを与えなければ、気がすまない」を経営理念に掲げている。2010年12月に提供を開始した「妄想電話」のヒットを皮切りに、「サクサク for iPhone HD」や「節電♪長持ちバッテリー」など無料ツール系アプリを中心として数々のヒットアプリを生み出し、ダウンロード数やMAUの拡大とともに事業基盤を確立してきた。
特に、2012年5月に1年以上かけて開発を進めてきたチャットアプリ「peep」を休止したことをきっかけに、現在の「小さく産んで大きく育てる」開発方針に切り替え、無料ネイティブアプリに本格的に参入したことが転機となった。特にその時期はスマートフォンアプリの黎明期であり、そこに特化した企業がなかったことや使い勝手のよいアプリが少なかったことも、同社が他社に先駆けて事業基盤を拡大する好機となったと考えられる。
また、代表取締役である銭氏及び代表取締役CTOである鈴木貴明(すずきたかあき)氏による2人体制が、それぞれプロデューサー及びエンジニアとして最前線の現場力を発揮し、素早く的確な経営判断や社員の最大パフォーマンスを引き出すマネジメントを可能としたことも成功した要因に挙げられる。
2013年5月にソーシャルゲーム「神姫覚醒!!メルティメイデン」の提供を開始(2014年9月に売却)すると、同年9月には全巻無料型ハイブリッドアプリの提供も開始し、ゲーム及び非ゲームの領域で広告収入及び課金収入の両方の収益モデルを手掛ける独自のポジショニングを構築した。
2014年2月には、ソーシャルゲームの開発及び運営を目的としてスタジオキングを設立。2014年10月には、次世代SNSの開発を手掛けるALTR THINKを買収するなど、今後の成長戦略の軸となるゲーム及びコミュニケーション分野の強化も進めている。
東証マザーズには2014年7月に上場を果たしたが、設立後4年2ヶ月でのスピード上場となった。
(2)過去の業績推移
前期(2014年9月期)までの業績を振り返ると、本格的な業績拡大が始まったのは、無料ネイティブアプリが軌道に乗り始めた2013年9月期からである。「サクサク for iPhone HD」などのツール系を中心として順調にダウンロード数やMAUを拡大したことで広告収入が大きく伸長した。2014年9月期には全巻無料型ハイブリッドアプリやネイティブソーシャルゲームによる業績貢献が上乗せされ、成長に拍車がかかった。
利益面では、2012年9月期まではチャットアプリ「peep」の開発コストが先行していたことなどが響いて営業赤字が続いていたものの、2013年9月期に無料ネイティブアプリ(広告収入)の拡大により営業黒字に転換すると、限界利益率が極めて高い収益モデル※であることから一気に利益水準が高まった。2014年9月期は株式上場や人員拡充に伴う費用増などにより販管費が増加したものの、売上高の拡大とともに営業利益も大きく伸びている。
※広告収入モデルは、変動費がかからないことから損益分岐点を超えると、売上高の拡大がそのまま利益の拡大につながる
財務面では、創業後3期目となる2012年9月期までは債務超過の状況であったが、2013年9月期に営業黒字に転換すると財務基盤も一気に健全化し、2014年9月期には新株発行及び内部留保の積み上げから自己資本比率は74.0%の高い水準となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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(1)沿革
イグニス<3689>は、2010年5月、東京都渋谷区において代表取締役社長の銭コン(せんこん)氏によりスマートフォンネイティブアプリの企画・制作・運営を目的として設立された。「世界にインパクトを与えなければ、気がすまない」を経営理念に掲げている。2010年12月に提供を開始した「妄想電話」のヒットを皮切りに、「サクサク for iPhone HD」や「節電♪長持ちバッテリー」など無料ツール系アプリを中心として数々のヒットアプリを生み出し、ダウンロード数やMAUの拡大とともに事業基盤を確立してきた。
特に、2012年5月に1年以上かけて開発を進めてきたチャットアプリ「peep」を休止したことをきっかけに、現在の「小さく産んで大きく育てる」開発方針に切り替え、無料ネイティブアプリに本格的に参入したことが転機となった。特にその時期はスマートフォンアプリの黎明期であり、そこに特化した企業がなかったことや使い勝手のよいアプリが少なかったことも、同社が他社に先駆けて事業基盤を拡大する好機となったと考えられる。
また、代表取締役である銭氏及び代表取締役CTOである鈴木貴明(すずきたかあき)氏による2人体制が、それぞれプロデューサー及びエンジニアとして最前線の現場力を発揮し、素早く的確な経営判断や社員の最大パフォーマンスを引き出すマネジメントを可能としたことも成功した要因に挙げられる。
2013年5月にソーシャルゲーム「神姫覚醒!!メルティメイデン」の提供を開始(2014年9月に売却)すると、同年9月には全巻無料型ハイブリッドアプリの提供も開始し、ゲーム及び非ゲームの領域で広告収入及び課金収入の両方の収益モデルを手掛ける独自のポジショニングを構築した。
2014年2月には、ソーシャルゲームの開発及び運営を目的としてスタジオキングを設立。2014年10月には、次世代SNSの開発を手掛けるALTR THINKを買収するなど、今後の成長戦略の軸となるゲーム及びコミュニケーション分野の強化も進めている。
東証マザーズには2014年7月に上場を果たしたが、設立後4年2ヶ月でのスピード上場となった。
(2)過去の業績推移
前期(2014年9月期)までの業績を振り返ると、本格的な業績拡大が始まったのは、無料ネイティブアプリが軌道に乗り始めた2013年9月期からである。「サクサク for iPhone HD」などのツール系を中心として順調にダウンロード数やMAUを拡大したことで広告収入が大きく伸長した。2014年9月期には全巻無料型ハイブリッドアプリやネイティブソーシャルゲームによる業績貢献が上乗せされ、成長に拍車がかかった。
利益面では、2012年9月期まではチャットアプリ「peep」の開発コストが先行していたことなどが響いて営業赤字が続いていたものの、2013年9月期に無料ネイティブアプリ(広告収入)の拡大により営業黒字に転換すると、限界利益率が極めて高い収益モデル※であることから一気に利益水準が高まった。2014年9月期は株式上場や人員拡充に伴う費用増などにより販管費が増加したものの、売上高の拡大とともに営業利益も大きく伸びている。
※広告収入モデルは、変動費がかからないことから損益分岐点を超えると、売上高の拡大がそのまま利益の拡大につながる
財務面では、創業後3期目となる2012年9月期までは債務超過の状況であったが、2013年9月期に営業黒字に転換すると財務基盤も一気に健全化し、2014年9月期には新株発行及び内部留保の積み上げから自己資本比率は74.0%の高い水準となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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