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森下仁丹---腸内フローラを改善する「オーダーメードサプリメント」に注力

注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』8月27日放送において、森下仁丹<4524>を取り上げている。主な内容は以下の通り。

■事業概要
森下仁丹<4524>は、サプリメント、医薬品・医療機器、仁丹シリーズ、食品・酒類、医療機関向け商品、化粧品・トイレタリーを手掛けるヘルスケア事業本部と、コア技術として発展した「シームレスカプセル技術」を元に医薬品・食品等の受託製造、産業用カプセルの開発製造を手掛けるカプセル事業本部の2つの事業を展開している。

■足元の業績
足元の業績は、2016年3月期第1四半期(15年4-6月)決算は、売上高が前年同期比6.0%増の23.20億円、営業利益が0.24億円(前年同期は3.06億円の営業損失)、経常利益が0.26億円(同3.01億円の経常損失)、四半期純利益が0.14億円(同3.03億円の純損失)だった。

ヘルスケア事業の売上高は前年同期比0.69億円増の14.58億円。消費税増税の駆け込み需要の反動はないもののオーラルケア商品を中心にやや力強さに欠けた。損益面では、プロモーション費用等の経費の圧縮により、セグメント損失は1.06億円と2.18億円の増益。

カプセル受託事業の売上高は同0.69億円増の8.57億円。フレーバーカプセルは引き続き順調に推移した一方で、医薬品カプセルやその他の受託は前年同期比落ち込んだ。損益面では、効率的な研究開発投資に努めたことにより、セグメント地益は1.05億円増の1.23億円だった。

16年3月期通期については、売上高が前期比12.0%増の110.00億円、営業利益が同4.3倍の4.70億円、経常利益が同3.5倍の4.50億円、純利益が同4.0倍の4.00億円を見込んでいる。


■注目ポイント
(腸内フローラ)
同社が注力するのが「オーダーメードサプリメント(栄養補助食品)」である。同社は独自の耐酸性カプセルでビフィズス菌(ロンガム種)を守り、腸内フローラを良好にし、便通を改善する機能性表示食品「ビフィーナ(R)」を発売している。

7月には腸内環境デザインのバイオベンチャー、メタジェン(山形県鶴岡市)と、「ビフィーナ(R)」の摂取により生きたまま腸に届いたビフィズス菌が、ヒトの腸内環境に与える影響について明らかにするため、共同研究を開始すると発表している。

メタジェンは、慶応義塾大学先端生命科学研究所の福田特任准教授らよって設立された注目のベンチャー企業であり、ヒトの便から腸内フローラの遺伝子情報と腸内代謝産物情報を抽出し、網羅的に統合解析する独自技術「メタボロゲノミクス」を用いて、腸内環境に基づいた新たな健康評価方法を開発している。

同社はこの「メタボロゲノミクス」を用いて、「ビフィーナ(R)」摂取前後の腸内環境の変化を解析する試みは、今回の共同研究が世界初となる。これまでにビフィズス菌には、腸内フローラを良好にし、便通を改善する機能が報告されており、新たな機能性の解明が期待されている。将来的には、腸内フローラを改善する有用素材を配合した、オーダーメードサプリメントの提供を考えている。

(シームレスカプセルの成長期待)
一般的なカプセルは菌を胃酸から守ることができないため、ほとんどの菌が腸まで届くことができない。一方で、同社製品は室温で18ヶ月間保管することができるほか、胃酸によるダメージを防ぎ、菌を腸まで届けることができる。将来的には患者独自オーダーメイド薬としての応用が期待される。

研究開発では医薬品のみならず、大阪府立大学とともにレアメタルイオンを吸着・還元するバクテリア(微生物)を独自の技術「シームレスカプセル」で生きたまま包んだ「レアメタル回収バイオカプセル」を用いて、レアメタルイオンの含まれる産業排水などの中からレアメタルを効率的に回収する技術の研究開発を進めている。

シロアリ駆除では、京都大学らの研究グループと共に、独自のシームレスカプセル技術を応用したシロアリ駆除剤の開発を推進している。

(機能性表示食品制度)
また、ことしの4月から「機能性表示食品」制度が始まったことで、同社のサプリメント製品等の需要が拡大する可能性がある。機能性を表示することができる食品は、これまで国が個別に許可した特定保健用食品(トクホ)と国の規格基準に適合した栄養機能食品に限られていた。そこで、機能性を分かりやすく表示した商品の選択肢を増やし、消費者がそうした商品の正しい情報を得て選択できるよう、「機能性表示食品」制度がはじまった。


この制度により、健康に関する表示が事業者の責任の下に「解禁」されることになるため、消費者の購買意欲につながり、市場が一気に拡大することになる。実際に○○に効果がある。といった表示をすることで消費者にも商品内容が伝わりやすく、売上増につながっている。

(インバウンド消費)

メディケアシリーズを手掛けているが、頻尿・残尿感改善薬、唇の炎症治療薬、靴づれ、口内炎といったニッチな製品を展開。その中で、口内炎治療薬が中国からの訪日観光客に人気のようである。他社競合品もあるが、同社製品は局所麻酔剤であるジブカイン塩酸塩、アミノ安息香酸エチルを配合し、患部の痛みに対して、ダイレクトに痛みを軽減する処方上の工夫をしている。その他、自着性ポリウレタンフォームを採用した高機能傷当て材「ハイドロウェット」といった高機能製品が好調。

■株価動向
年初以降、600円処でのこう着が続いていたが、直近の世界同時株安や影響から540円処まで急落。その後はボトム圏で十字足を形成する格好であり、ボトム形成が意識される。

ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送



<TM>

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