ダイキアクシス Research Memo(8):積上げ型ビジネスの上水事業を強化
[15/09/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中期経営計画
(1)上水事業:高収益の積上げ型ビジネス
環境機器関連事業に属し、新規事業に位置付けられている上水事業は、主に病院、大型商業施設、スポーツジム、福祉施設などに安全で安価な飲料水を安定的に提供するエスコ(Energy Service Company)サービスになる。供給する上水は、地下水を飲料化したもので、従来の上水料金よりも10〜30%のコスト削減になる。利用方法は水道とまったく変わらず、使用量に応じて課金される。エスコの上水設備は、ダイキアクシス<4245>が所有する。顧客先の設備の稼働状況は、同社の本社から1日24時間、365日モニタリングする遠隔自動監視システムを導入している。
エスコサービスの累計契約は60件に達している。業態別ユーザーの内訳は、ライフライン確保を重視する病院が16件、次いで大型商業施設が11件、スポーツジムが9件、福祉施設が8件などとなる。大型商業施設では「イオンモール」に利用されており、同チェーンでの横展開を図る。地下水の飲料化は、工場排水の処理システムを手掛けている同社にとって技術的な困難さはないが、リスクを嫌う食品加工業への浸透が遅れていた。同分野でも新規開拓に成功したことから、同社エスコサービスの水質安全性に対する信用度が高まった。
エスコサービスの契約期間は、10年の長期になる。既存の顧客との契約が長期間にわたり継続して安定的な収益を生み、新規契約が収益を加算する積上げ型のビジネスモデルになる。同事業は、供給開始初年度から黒字化する。供給設備の減価償却は、契約期間に応じて決められ、償却方法は定額法を用いている。契約期間内の年間償却負担は一定だが、2年目より営業費用が不要になるため、営業利益率が大幅に改善する。上水事業を本格的に開始してまだ5年であるが、償却期間が終了した10年目以降も契約が継続されれば、収益性は飛躍的に上がることになる。
2015年12期第2四半期に5件の新規供給を開始した。また、飲料化装置の販売も手掛けており、2014年12月期に3件、2015年12期第2四半期でも3件の売上を記録した。同社は、エスコサービスと機器販売の合計で年間15件程度の販売・生産体制をとっている。2015年12月期は、前期と同様に15件を確保しよう。
同事業にかかる設備投資額は、2012年12月期が155百万円、2013年12月期は161百万円であった。2014年12月期は、新規供給開始件数が過去最多の年間12件となり、設備投資額は386百万円に増えた。上水事業全体の売上高は、2012年12月期が440百万円、2013年12月期が461百万円、2014年12月期は542百万円に増加した。1件当たりの年間売上高は、おおよそ8百万円になる。上水事業全体の2015年12月期の売上高は、696百万円が予想されている。
エスコ事業は、荏原<6361>や栗田工業<6370>などの大手水処理機器メーカーが参入するには市場規模が小さい。一方、中小企業では資本力を含め企業体力に欠ける。現在のところ競争激化のおそれはない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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(1)上水事業:高収益の積上げ型ビジネス
環境機器関連事業に属し、新規事業に位置付けられている上水事業は、主に病院、大型商業施設、スポーツジム、福祉施設などに安全で安価な飲料水を安定的に提供するエスコ(Energy Service Company)サービスになる。供給する上水は、地下水を飲料化したもので、従来の上水料金よりも10〜30%のコスト削減になる。利用方法は水道とまったく変わらず、使用量に応じて課金される。エスコの上水設備は、ダイキアクシス<4245>が所有する。顧客先の設備の稼働状況は、同社の本社から1日24時間、365日モニタリングする遠隔自動監視システムを導入している。
エスコサービスの累計契約は60件に達している。業態別ユーザーの内訳は、ライフライン確保を重視する病院が16件、次いで大型商業施設が11件、スポーツジムが9件、福祉施設が8件などとなる。大型商業施設では「イオンモール」に利用されており、同チェーンでの横展開を図る。地下水の飲料化は、工場排水の処理システムを手掛けている同社にとって技術的な困難さはないが、リスクを嫌う食品加工業への浸透が遅れていた。同分野でも新規開拓に成功したことから、同社エスコサービスの水質安全性に対する信用度が高まった。
エスコサービスの契約期間は、10年の長期になる。既存の顧客との契約が長期間にわたり継続して安定的な収益を生み、新規契約が収益を加算する積上げ型のビジネスモデルになる。同事業は、供給開始初年度から黒字化する。供給設備の減価償却は、契約期間に応じて決められ、償却方法は定額法を用いている。契約期間内の年間償却負担は一定だが、2年目より営業費用が不要になるため、営業利益率が大幅に改善する。上水事業を本格的に開始してまだ5年であるが、償却期間が終了した10年目以降も契約が継続されれば、収益性は飛躍的に上がることになる。
2015年12期第2四半期に5件の新規供給を開始した。また、飲料化装置の販売も手掛けており、2014年12月期に3件、2015年12期第2四半期でも3件の売上を記録した。同社は、エスコサービスと機器販売の合計で年間15件程度の販売・生産体制をとっている。2015年12月期は、前期と同様に15件を確保しよう。
同事業にかかる設備投資額は、2012年12月期が155百万円、2013年12月期は161百万円であった。2014年12月期は、新規供給開始件数が過去最多の年間12件となり、設備投資額は386百万円に増えた。上水事業全体の売上高は、2012年12月期が440百万円、2013年12月期が461百万円、2014年12月期は542百万円に増加した。1件当たりの年間売上高は、おおよそ8百万円になる。上水事業全体の2015年12月期の売上高は、696百万円が予想されている。
エスコ事業は、荏原<6361>や栗田工業<6370>などの大手水処理機器メーカーが参入するには市場規模が小さい。一方、中小企業では資本力を含め企業体力に欠ける。現在のところ競争激化のおそれはない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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