ブイキューブ<3681>成長ドライバーはクラウドとアプライアンス
[15/10/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』10月8日放送において、ブイキューブ<3681>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■会社の概要
ブイキューブ<3681>は、クラウドを使ってのWeb会議やWebセミナー(Webinar)を中心とした「ビジュアルコミュニケーションサービス」を主力事業としており、国内及びアジアで急速に事業を伸ばしている。営業支援、遠隔教育などユーザーのニーズに適した幅広い製品を取り揃えて、商品開発・提供に注力しており、「アジアナンバーワンのビジュアルコミュニケーションプラットフォーム」を目指した成長戦略を展開している。2013年12月に東証マザーズへ上場し、今年7月には東証1部へ市場変更した。
■事業内容について
前述のとおり、同社はインターネットを経由してビジュアルコミュニケーションサービスを提供しているが、代表例としてWeb会議サービス、Webセミナーサービスなどがある。このビジュアルコミュニケーションサービスを、クラウドを使って提供する月額課金方式の「SaaS(Software as a Service)」が同社の主力事業となっている。
以前から電話会議やTV会議は大手企業を中心に利用されてきたが、これらのサービスを利用するためには特定の機器が必要であり、その機器を設置してある場所でしか利用できず、利用コストが比較的高価である。これに対して同社が提供するWeb会議サービスはインターネットを介して提供されるため、ネットへの接続が可能な場所であればどこでも利用が可能である。さらに専用の機器や端末は不要で、一般的なPC、スマートフォン、タブレット端末などで利用可能である。比較的安価に、「いつでも、どこでも、誰でも」利用できるのがWeb会議サービスの特色であり、TV会議に比べて優位な点と言える。
また、同社は「クラウド型」サービスを中心に事業展開を行っている。このため、基本的にはよほど大きな中途解約がない限り、翌年度の売上高は前年最終月(12月)の月間売上高×12ヶ月に新規獲得分を加えた額となる。一般的に変動費が少なく、売上高が増加すればそのかなりの部分が利益に上乗せされる公算が大きい。損益分岐点を超えてからは利益率が高くなるのがクラウド型サービスの特色である。
2015年12月期の予想では売上高の57%がクラウド型となっているが、金融機関などセキュリティの関係からクラウド型を敬遠する顧客もあり、顧客の設備内に専用サーバーを置いて使用する「オンプレミス型」(売り切り)のサービスも提供している。また、ハードウェアとソフトウェアを一体として取り扱う、電子黒板システムなどを含むアプライアンスの売上もある。連結子会社のパイオニアVC(PVC)が主に担っている。
■足元の業績は
2015年12月期の上期(1-6月)業績は、売上高が前年同期比55.8%増の26.99億円、営業利益が同81.0%増の1.94億円と大幅な増収増益で着地した。
販売形態別では、主力のクラウドが昨年度からの販売活動投資の効果もあり、前年同期比39.5%増と順調に拡大した。同サービスは限界利益率が高いことから、増収がそのまま増益に大きく寄与した。また、クラウド型サービスの重要指標である契約ポート数(利用単位)及び平均利用時間は順調に拡大しており、将来の増収につながる顧客基盤は拡大しつつあると言える。オンプレミスも絶対額は少ないが、顧客のセキュリティポリシーの点から根強い需要があり、同35.3%増となった。アプライアンス(主にPVC社の電子黒板システム関連売上高)は、PVC社がフルに連結決算に寄与したことから同638.3%増と大幅増収となった。
2015年12月期の通期業績については、売上高が前期比41.0%増の66.00億円、営業利益が同24.5%増の5.02億円と予想されている。但し、今期は事業拡大加速フェーズと捉えて市場の拡大とシェアの拡大を急ぐため、利益より売上拡大を重視した展開を進めている。売上高の成長ドライバーは、形態別ではクラウドとアプライアンス、地域別では中国となっている。その他海外の売上高も積極的な顧客開拓により拡大を見込んでいる。かなり下期偏重の利益予想だが、アプライアンスが下期偏重であることや主力事業がクラウド型であることから、達成は十分可能な予想と思われる。
■中長期的な見通しについて
同社は「アジアナンバーワンのビジュアルコミュニケーションプラットフォーム」というビジョンを掲げ、(1)国内シェアの拡大と潜在市場の開拓、(2)アジアを中心とする海外展開の拡大、(3)B2B2C型のプラットフォームモデルの展開、の3つを中心に中長期的な事業戦略を進めている。
(1)国内シェアの拡大と潜在市場の開拓
同社は、国内の潜在市場の開拓を進めると同時にシェアアップを図ることで、さらに国内売上高を伸ばすことは可能とみている。これを実現するため、以下の重要施策を実行していく方針だ。
・M&A、OEMを活用したシェアの拡大
・ポート数、ポート単価の拡大施策
・技術革新による環境・快適性拡大
・業界特化型のサービス、利用モデルの確立
・ドローンなどを中心としたロボティックス関連事業
(2)アジアを中心とする海外展開の拡大
同社は海外売上を拡大するため、既存市場での拡販とともに未展開国への展開を重要戦略に挙げている。拠点展開と同時にパートナー(企業)の開拓も積極的に行う計画だ。既に韓国での販売を開始したが、2015年5月からは台湾での展開を本格開始し、続いてベトナムでも準備を進めている。またマレーシアでは急拡大したパイプラインのクロージングを目指し、インドネシアでは更なるパイプラインの拡大を図っていく計画だ。
(3)B2B2C型のプラットフォームモデルの展開
教育・医療を初めとした様々な分野での共同事業モデルと、「V-CUBEマーケット」を用いたロングテールの取り込みの2つのパターンで展開している。共同事業モデルでは、「RECRUIT(リクルートホールディングス<6098>)」「Gakken(学研ホールディングス<9470>)」「やる気スイッチ(やる気スイッチグループホールディングス)」「EAJ(エスクロー・エージェント・ジャパン<6093>)」などとの実績例がある。また、V-CUBEマーケットとは、同社が培ってきたWeb会議、Webセミナーを使った課金型ライブ配信サービスのプラットフォームで、これを利用すれば誰もが容易に講座・セミナー等をライブ配信できるようになる。
■株価動向
おおむね上昇する25日線に沿ったトレンドが継続している。9月後半は横ばいで推移していたが、25日線接近から強い値動きを見せ9月高値を突破してきており、資金回転が利いていると言える。成長市場への積極的な取り組みによるテーマ性や豊富なニュースフローで今後も注目を集めるだろう。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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■会社の概要
ブイキューブ<3681>は、クラウドを使ってのWeb会議やWebセミナー(Webinar)を中心とした「ビジュアルコミュニケーションサービス」を主力事業としており、国内及びアジアで急速に事業を伸ばしている。営業支援、遠隔教育などユーザーのニーズに適した幅広い製品を取り揃えて、商品開発・提供に注力しており、「アジアナンバーワンのビジュアルコミュニケーションプラットフォーム」を目指した成長戦略を展開している。2013年12月に東証マザーズへ上場し、今年7月には東証1部へ市場変更した。
■事業内容について
前述のとおり、同社はインターネットを経由してビジュアルコミュニケーションサービスを提供しているが、代表例としてWeb会議サービス、Webセミナーサービスなどがある。このビジュアルコミュニケーションサービスを、クラウドを使って提供する月額課金方式の「SaaS(Software as a Service)」が同社の主力事業となっている。
以前から電話会議やTV会議は大手企業を中心に利用されてきたが、これらのサービスを利用するためには特定の機器が必要であり、その機器を設置してある場所でしか利用できず、利用コストが比較的高価である。これに対して同社が提供するWeb会議サービスはインターネットを介して提供されるため、ネットへの接続が可能な場所であればどこでも利用が可能である。さらに専用の機器や端末は不要で、一般的なPC、スマートフォン、タブレット端末などで利用可能である。比較的安価に、「いつでも、どこでも、誰でも」利用できるのがWeb会議サービスの特色であり、TV会議に比べて優位な点と言える。
また、同社は「クラウド型」サービスを中心に事業展開を行っている。このため、基本的にはよほど大きな中途解約がない限り、翌年度の売上高は前年最終月(12月)の月間売上高×12ヶ月に新規獲得分を加えた額となる。一般的に変動費が少なく、売上高が増加すればそのかなりの部分が利益に上乗せされる公算が大きい。損益分岐点を超えてからは利益率が高くなるのがクラウド型サービスの特色である。
2015年12月期の予想では売上高の57%がクラウド型となっているが、金融機関などセキュリティの関係からクラウド型を敬遠する顧客もあり、顧客の設備内に専用サーバーを置いて使用する「オンプレミス型」(売り切り)のサービスも提供している。また、ハードウェアとソフトウェアを一体として取り扱う、電子黒板システムなどを含むアプライアンスの売上もある。連結子会社のパイオニアVC(PVC)が主に担っている。
■足元の業績は
2015年12月期の上期(1-6月)業績は、売上高が前年同期比55.8%増の26.99億円、営業利益が同81.0%増の1.94億円と大幅な増収増益で着地した。
販売形態別では、主力のクラウドが昨年度からの販売活動投資の効果もあり、前年同期比39.5%増と順調に拡大した。同サービスは限界利益率が高いことから、増収がそのまま増益に大きく寄与した。また、クラウド型サービスの重要指標である契約ポート数(利用単位)及び平均利用時間は順調に拡大しており、将来の増収につながる顧客基盤は拡大しつつあると言える。オンプレミスも絶対額は少ないが、顧客のセキュリティポリシーの点から根強い需要があり、同35.3%増となった。アプライアンス(主にPVC社の電子黒板システム関連売上高)は、PVC社がフルに連結決算に寄与したことから同638.3%増と大幅増収となった。
2015年12月期の通期業績については、売上高が前期比41.0%増の66.00億円、営業利益が同24.5%増の5.02億円と予想されている。但し、今期は事業拡大加速フェーズと捉えて市場の拡大とシェアの拡大を急ぐため、利益より売上拡大を重視した展開を進めている。売上高の成長ドライバーは、形態別ではクラウドとアプライアンス、地域別では中国となっている。その他海外の売上高も積極的な顧客開拓により拡大を見込んでいる。かなり下期偏重の利益予想だが、アプライアンスが下期偏重であることや主力事業がクラウド型であることから、達成は十分可能な予想と思われる。
■中長期的な見通しについて
同社は「アジアナンバーワンのビジュアルコミュニケーションプラットフォーム」というビジョンを掲げ、(1)国内シェアの拡大と潜在市場の開拓、(2)アジアを中心とする海外展開の拡大、(3)B2B2C型のプラットフォームモデルの展開、の3つを中心に中長期的な事業戦略を進めている。
(1)国内シェアの拡大と潜在市場の開拓
同社は、国内の潜在市場の開拓を進めると同時にシェアアップを図ることで、さらに国内売上高を伸ばすことは可能とみている。これを実現するため、以下の重要施策を実行していく方針だ。
・M&A、OEMを活用したシェアの拡大
・ポート数、ポート単価の拡大施策
・技術革新による環境・快適性拡大
・業界特化型のサービス、利用モデルの確立
・ドローンなどを中心としたロボティックス関連事業
(2)アジアを中心とする海外展開の拡大
同社は海外売上を拡大するため、既存市場での拡販とともに未展開国への展開を重要戦略に挙げている。拠点展開と同時にパートナー(企業)の開拓も積極的に行う計画だ。既に韓国での販売を開始したが、2015年5月からは台湾での展開を本格開始し、続いてベトナムでも準備を進めている。またマレーシアでは急拡大したパイプラインのクロージングを目指し、インドネシアでは更なるパイプラインの拡大を図っていく計画だ。
(3)B2B2C型のプラットフォームモデルの展開
教育・医療を初めとした様々な分野での共同事業モデルと、「V-CUBEマーケット」を用いたロングテールの取り込みの2つのパターンで展開している。共同事業モデルでは、「RECRUIT(リクルートホールディングス<6098>)」「Gakken(学研ホールディングス<9470>)」「やる気スイッチ(やる気スイッチグループホールディングス)」「EAJ(エスクロー・エージェント・ジャパン<6093>)」などとの実績例がある。また、V-CUBEマーケットとは、同社が培ってきたWeb会議、Webセミナーを使った課金型ライブ配信サービスのプラットフォームで、これを利用すれば誰もが容易に講座・セミナー等をライブ配信できるようになる。
■株価動向
おおむね上昇する25日線に沿ったトレンドが継続している。9月後半は横ばいで推移していたが、25日線接近から強い値動きを見せ9月高値を突破してきており、資金回転が利いていると言える。成長市場への積極的な取り組みによるテーマ性や豊富なニュースフローで今後も注目を集めるだろう。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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