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BS11 Research Memo(5):注目すべきは自由度の高いCM枠の設定

注目トピックス 日本株
■BS11の強みと成長戦略

(4)独立系の強み:広告主のニーズに対応した広告枠の設定

日本BS放送<9414>は、特徴の1つである独立系であることを、いくつかの強みへと発展させた。具体的には、60分枠にとらわれない番組編成、最適・最良の番組制作会社選定の自由度の実現、収益性の高い4本柱(通信販売、ドラマ、アニメ、競馬)コンテンツ体制の確立などだ。

なかでも弊社が注目するのは、自由度の高いCM枠設定だ。同社はBS放送局として、時間の制約が少ない、視聴者のザッピングが少ない、多様なスポンサーニーズに対応可能、といった特徴を有しており、それらを活かした「説明型CM」に注力している。この説明型CMを効率的に配信するためには、CM枠の設定においても工夫が必要となる。同社は30秒から60分までの多様なCM枠設定で広告主のニーズに応えている。こうした取り組みは今後の広告収入増大に重要な貢献を果たすと弊社では考えている。

(5)中期的な業績規模のイメージ

同社は、いわゆる中期経営計画や中期業績目標といったものを公表していない。前述のような施策を実行し、成功したとして、同社の収益規模をどうイメージしたら良いのであろうか。

弊社では、キー局系BS放送局の収益規模が1つの手掛かりになると考えている。前述の図で見たように、キー局系のBS放送各社は、認知度において80%超、売上高で15,000百万円〜16,000百万円という水準にある。したがって同社にとっての合理的な収益目標としても、まずはこの売上高規模が浮上してくる。

別の見方をするならば、キー局系BS各社の実績から、認知度向上と売上高の相関関係は売上高15,000百万円〜16,000百万円規模までは有効に働くということができる。これは、拡大・成長期に入ったばかりの同社には心強いポイントだ。

利益面はどうか。BS放送局は地上波放送局に比べて、本質的にローコストオペレーションが可能なコスト構造になっているのは前述のとおりだ。地上波キー局各社の連結決算ベースでの比較では、営業利益率やROE(自己資本当期利益率)など各収益性指標で、同社が圧倒的に高い状況にある。

キー局系列系BS各社の単体の財務諸表は公表されていないが、それらとの比較においても同社は低コスト構造となっている模様だ。同社は原価のうち「番組関連費用」(番組購入費と番組制作費の合計)について、売上高比率30%を1つの基準として経営を行っている。キー局系列各社は約40%と高い状況にあるとみられる。これは、激しい視聴世帯数競争や企業グループ内での政策的側面などが影響しているためと考えられる。独立系の同社は経済合理性の観点に基づいたコスト管理を徹底することで、低コスト体質を将来的に維持できると弊社ではみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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