モバファク Research Memo(3):安定収益源のコンテンツサービスと成長ドライバーのソーシャルアプリが二本柱
[15/11/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業内容
モバイルファクトリー<3912>の提供するサービスはユーザーが他のユーザーと交流するサービスを提供するソーシャルアプリサービス(位置ゲーム、スマートノベルなど)と、主に個人で着信メロディや占い等のエンターテインメントを楽しむサイトを運営するコンテンツサービスからなる。2014年12月期の売上構成は、ソーシャルアプリ42.4%(位置ゲーム19.5%、スマートノベル21.6%、その他1.4%)、コンテンツ57.6%。
●ソーシャルアプリサービス
ソーシャルアプリサービスは、SNSプラットフォーム※1やアプリマーケット※2等を通じて、位置ゲームとスマートノベル分野で、ユーザー同士が協力または競争、交流を行いながら楽しむ内容のゲームアプリの配信を行っている。ユーザーはサービスを基本無料で利用できるが、アイテムや機能を購入することでゲームをより楽しめる仕組みとなっており、その有料サービスが同社の収入となる。
※1グリー<3632>が運営するGREE、ディー・エヌ・エー<2432>が運営するMobage(モバゲー)、ミクシィ<2121>が運営するmixi等のプラットフォーム。
※2App Store、Google Playなどアプリケーションを流通させるオンラインサービス。
ゲーム制作に関しては、一部イラストやシナリオを外部委託しているが、ゲームの開発、運営等に関しては自社グループで行う。また、制作したサービスは、SNSプラットフォームやアプリマーケットを通して提供するほか、一部作品は業務提携先のブランドで提供している。
(1)位置ゲーム
位置ゲームは、位置情報サービスプラットフォーム※1等で行われるゲームで、2011年12月からサービスを開始した「駅奪取PLUS」と2014年6月からサービスを開始した「駅メモ!」※2が主力となっている。
※1コロプラ等が提供している位置情報を利用したゲームを提供するプラットフォーム。
※26月にコロプラで配信開始したのに続き、11月にはフジテレビジョン提供でGoogle Play/App Storeにて配信を開始している。
「駅奪取」シリーズは、身近な「鉄道駅」を他人と奪い合う競争要素、実際に訪れた場所が履歴として残るライフログ要素、奪取した駅や路線、称号等を集めるコレクション要素があり、移動そのものを楽しみに変えることがユーザーから支持され、連続してログインした日数が1,000日以上を数えるユーザーが2,000人を超える(2015年10月15日時点2,771人)という、通常のSNSゲームと比較して息の長いゲームとなっている。さらに、「駅メモ!」は「駅奪取」シリーズの駅を奪い合う楽しさを維持しつつ、駅を収集する楽しさを追求した内容となっており、夏休みや年末年始などの行事のある時期に関連したイベントを配信するなど、ゲームの魅力を向上させたことにより、人気ゲームになっている。
(2)スマートノベル
スマートノベルはユーザーがストーリー性のあるシナリオを楽しむノベル型ゲーム。10代から30代までの男性をターゲットとしたスマートノベル「おかわりいかが?ご主人様!!」、「俺の彼女が2人とも可愛すぎる!」などを運営する(2015年1月末時点で累計のインストール数は200万人)。サービス開始当初はWebアプリによるサービスが中心であったが、2014年5月からネイティブアプリによるサービスを本格展開している。
●コンテンツサービス
コンテンツサービスは、創業来のビジネスで、同社の安定収益源となっている。主にNTTドコモ<9437>、KDDI<9433>、ソフトバンク(株)(ソフトバンクグループ<9984>)等の通信キャリアが運営するメニューに着信メロディや占い等のサイトを、自社で直運営する自社モデル形式と他社名義で運営するOEMモデル形式で提供している。2015年1月末現在、スマートフォンサイト5本、フィーチャーフォンサイト50本を運営しており、有料月額会員数は28万人超を数える。なお、フィーチャーフォンサイトはOEMモデルが6割とウエイトが高いのに対して、スマートフォンサイトは自社モデルのウエイトが高い。
主力の着信メロディは、スマートフォン、フィーチャーフォンで配信を行っており、J-POP、洋楽、アニメ、K-POPなどの幅広いジャンルの着信メロディ、着信音、メール音が月額100円(税抜)から300円(税抜)で取り放題のサービスを提供している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
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