マーケットE Research Memo(6):「3大保証」で売り買い双方の顧客に安心感を与える
[16/03/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(3)売り買い双方の顧客に安心感を与えるオペレーション
マーケットエンタープライズ<3135>のオペレーション(業務フローと言い換え可能)を子細に見ると、商品の売り手と買い手の双方について、顧客満足度を高めようという同社独自の工夫がちりばめられている。これこそが同社の事業モデルの最大の特徴であり、強みであると弊社では考えている。仕入れにおける顧客満足度向上策は、前述したところと重なるので、以下では買い手への対応について述べる。
リユースの買い手側の想定ニーズを見ると、このような買い手のニーズに対して同社が提供する最も明確なソリューションは「3大保証」だ。これは動作保証、延長保証、及び買取保証の3つを指す。動作保証は商品説明に記載のない動作不備や破損が見られた場合は、購入後7日間以内であれば同等品との交換もしくは全額返金で対応するというものだ。
延長保証は一定料金(商品価格の2.8%〜)を支払うことで、最長3年間にわたり、期間中は何度でも無料修理が受けられるというサービスだ。新品では普通にみられるサービスだが、リユース品ではあまり例がない。
買取保証は7,000円以上の商品について、30日以内であれば購入代金の50%〜65%での買取を保証するものだ。これは短期間・一時的な利用ニーズやお試し気分での購入などのニーズの取り込みに有効であると考えられる。
これらの保証サービスはいずれも、C to B to CがC to Cに対して優位性を発揮する典型事例である。そしてこれらのサービスは運用の仕方によっては競合するリユース業者に対する差別化ツールとしても利用可能な手法だと弊社では考えている。
重要なことは、買い手にきちんと対応しながら企業として持続性を持って事業を運営していくためには、仕入れがきちんとしてオペレーションされていなくてはならないということだ。販売と仕入れがまさに車の両輪として機能する必要がある。ほとんどの事業者のビジネスモデルは、「仕入れ⇒販売」で一旦完結して終了という、直線的な流れで表現できると考えられる。他方、同社の場合は、“顧客満足度”を介して「仕入れ⇒販売⇒仕入れ」という循環型で表現できる事業モデルとなっている。これが同社の最大の強みとなっているということだ。
また、“顧客満足度”と並んで「仕入れ⇒販売⇒仕入れ」の循環形成に重要な役割を果たしているのが“査定DB”である。査定DBは買取実績と販売実績の双方が反映されて、取引量の増加に伴って精度が高まる仕組みとなっているためだ。売り手と買い手の間には価格を挟んで利害関係の対立が生じる。リユース業者としての同社の立ち位置は、やり方を間違えると「板挟み」というつらい立場に陥るリスクをはらんでいる。この状況で売り買い双方の満足度を高め、自社の収益を確保し、業容拡大を実現していく上では、査定DBの精度強化こそが根幹であると弊社では考えている(同社が有するデータベースは査定DBに限らないが象徴的な存在として査定DBにフォーカスして説明した)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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(3)売り買い双方の顧客に安心感を与えるオペレーション
マーケットエンタープライズ<3135>のオペレーション(業務フローと言い換え可能)を子細に見ると、商品の売り手と買い手の双方について、顧客満足度を高めようという同社独自の工夫がちりばめられている。これこそが同社の事業モデルの最大の特徴であり、強みであると弊社では考えている。仕入れにおける顧客満足度向上策は、前述したところと重なるので、以下では買い手への対応について述べる。
リユースの買い手側の想定ニーズを見ると、このような買い手のニーズに対して同社が提供する最も明確なソリューションは「3大保証」だ。これは動作保証、延長保証、及び買取保証の3つを指す。動作保証は商品説明に記載のない動作不備や破損が見られた場合は、購入後7日間以内であれば同等品との交換もしくは全額返金で対応するというものだ。
延長保証は一定料金(商品価格の2.8%〜)を支払うことで、最長3年間にわたり、期間中は何度でも無料修理が受けられるというサービスだ。新品では普通にみられるサービスだが、リユース品ではあまり例がない。
買取保証は7,000円以上の商品について、30日以内であれば購入代金の50%〜65%での買取を保証するものだ。これは短期間・一時的な利用ニーズやお試し気分での購入などのニーズの取り込みに有効であると考えられる。
これらの保証サービスはいずれも、C to B to CがC to Cに対して優位性を発揮する典型事例である。そしてこれらのサービスは運用の仕方によっては競合するリユース業者に対する差別化ツールとしても利用可能な手法だと弊社では考えている。
重要なことは、買い手にきちんと対応しながら企業として持続性を持って事業を運営していくためには、仕入れがきちんとしてオペレーションされていなくてはならないということだ。販売と仕入れがまさに車の両輪として機能する必要がある。ほとんどの事業者のビジネスモデルは、「仕入れ⇒販売」で一旦完結して終了という、直線的な流れで表現できると考えられる。他方、同社の場合は、“顧客満足度”を介して「仕入れ⇒販売⇒仕入れ」という循環型で表現できる事業モデルとなっている。これが同社の最大の強みとなっているということだ。
また、“顧客満足度”と並んで「仕入れ⇒販売⇒仕入れ」の循環形成に重要な役割を果たしているのが“査定DB”である。査定DBは買取実績と販売実績の双方が反映されて、取引量の増加に伴って精度が高まる仕組みとなっているためだ。売り手と買い手の間には価格を挟んで利害関係の対立が生じる。リユース業者としての同社の立ち位置は、やり方を間違えると「板挟み」というつらい立場に陥るリスクをはらんでいる。この状況で売り買い双方の満足度を高め、自社の収益を確保し、業容拡大を実現していく上では、査定DBの精度強化こそが根幹であると弊社では考えている(同社が有するデータベースは査定DBに限らないが象徴的な存在として査定DBにフォーカスして説明した)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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