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ケアネット Research Memo(1):新規事業の臨床医学教育コンテンツのクラウドサービスに期待

注目トピックス 日本株
ケアネット<2150>はインターネットを使った製薬企業向けの医薬営業支援サービスが主力。医師・医療従事者向けに様々な医療情報を無料で提供するWebサイト「CareNet.com」を運営しており、同サイトに登録した会員の属性やニーズなどを収集し、製薬企業に対して医薬品のマーケティング活動支援を行うビジネスモデルとなる。登録医師会員数は2015年12月末時点で12.8万人と医師数全体の約4割をカバーしている。

3月24日付で中期経営ビジョンを発表した。医薬品業界の市場環境が変化していくなかで、既存事業のサービス強化と新規事業を立ち上げていくことで更なる成長を目指していく。経営目標値としては、2019年12月期に売上高で2015年12月期実績の1.8倍増となる3,500百万円を掲げている。既存事業で年率5%の持続的成長を図るほか、新規事業で1,000百万円の売上高を目指す。なかでも、今後期待されるのが2016年7月から開始予定の臨床医学教育メディア「MEDuLite」を活用した、医師向け教育サービスである。今後、国内で上市される新薬の約8割は専門性の高いスペシャリティ薬となるが、こうした医薬品については、疾患情報等の教育コンテンツを医師にとどけたいという製薬企業のニーズが高いためだ。実際、欧米市場ではこうした医師向けの教育サービスが先行して普及しており、企業が協賛する医師向けの教育サービスの市場規模は800億円規模に拡大している。今後は日本においても、同様の市場が本格的に立ち上がる見通しで、医師向け教育コンテンツの制作で国内トップの実績を持ち、また、欧米市場で約4割のトップシェアを握る米WebMDと業務提携し、WebMDが制作した数千種類のコンテンツの活用もできる同社にとっては、収益を拡大する好機となるだろう。

2015年12月期(2015年1月−12月)の連結業績は売上高が1,911百万円、営業利益が153百万円となった。前期が9ヶ月変則決算のため伸び率は算出していないが、会社計画(売上高2,200百万円、営業利益200百万円)対比では若干下回る格好となった。主力の医薬営業支援サービスにおいて、主力顧客先での広告自粛が響いた。2016年12月期は主力顧客からの発注が再開されることが予想されており、売上高は前期比7.2%増の2,050百万円、営業利益は同11.0%増の170百万円と増収増益となる見通し。

■Check Point
・会員数は年々増加し12.8万人、全国の医師数の約4割をカバー
・No.1の臨床医学教育メディアを目指す、19/12期の売上高は前期実績比1.8
・主力顧客の発注再開、新規サービス販売拡充で16/12期は増収増益見通し

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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