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ケアネット Research Memo(2):会員数は年々増加し12.8万人、全国の医師数の約4割をカバー

注目トピックス 日本株
■会社概要

(1)会社沿革

ケアネット<2150>は医師向けの医療情報提供サービスを目的に、1996年7月に現代表取締役社長の大野元泰(おおのもとやす)氏らによって設立された。当初は衛星通信放送「スカパー!」にて「ケアネットTV・メディカルCh.®」の放送サービスを提供していたが、2000年よりインターネットを使った医師(医療従事者含む)向けの無料会員制サイト「クラブ・ケアネット」(現CareNet.com)を開設し、同サイトの会員を基盤としてインターネットを活用した医薬品メーカー向けのビジネスへと展開していった。

2000年10月にはマーケティング調査サービスを、2001年11月には現在の主力サービスとなる医薬営業支援サービスを開始し、その後の成長をけん引していくことになる。2014年以降は、更なる飛躍を目指すため国内外企業との提携も活発に進めており、既存サービスの強化を図るとともに、新規サービスの開発、展開も進めている。なお、マーケティング調査サービスは2014年12月に(株)マクロミルと合弁で設立した(株)マクロミルケアネット(持分法適用関連会社、出資比率49%)に事業移管している。

(2)事業内容

同社の事業セグメントは製薬企業向けの医薬営業支援サービスと、医師向けの医療コンテンツサービスの2つの事業で構成されている。このうち売上高、利益ともに約8割が医薬営業支援サービスで占められている。

同社のビジネスモデルのうち、医薬営業支援サービスとは、製薬企業の営業・プロモーション活動を効率的に行うことができるよう支援するサービスとなる。製薬企業は通常、MRと呼ばれる医薬情報担当者が実際に医師に面会し、様々な医薬情報を提供した上で販売している。同社のサービスの1つである「MRPlus」は、インターネットを通じて医薬品情報の動画などを医師に配信すると同時に、視聴した医師とMRが情報交換を行うことができるサービスであるため、製薬企業の営業活動の生産性向上に大きく寄与する。情報を配信する医師は同社の「CareNet.com」の無料会員となるため、同会員数を拡大することが同サービスの価値を高めることにつながっている。国内の医師数が約31万人いる中で、同社の会員数は12.8万人(2015年12月末時点)と年々増加しており、約4割のカバー率となっている。

「MRPlus」のサービスは、対象となる医薬品が抱える課題によって支援の方法が異なるため、金額や契約形態には様々な形がある。また、製薬企業のプロモーション活動費用は年後半に偏重する傾向にあることから、同サービスの売上高も四半期で見れば10月−12月期が最も高くなる。なお、競合企業としてはエムスリー<2413>やメドピア<6095>が挙げられる。

一方、医療コンテンツサービスでは医師・医療従事者に対して、教育コンテンツを有償で提供する動画配信サービス「CareNeTV」(月額5千円)やDVDの販売を行っており、医師向けの教育コンテンツ制作において国内トップの実績を持つ。

なお、連結子会社として医療情報提供サービスを行うAskle Information Consulting Co.,Ltd(中国)やMDQA(株)(東京)等3社があるが、いずれの事業もまだ規模が小さく業績へ与えるインパクトは軽微となっている。また、2015年12月期より持分法適用関連会社として、マクロミルケアネットが対象となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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