アジュバン Research Memo(7):17/3期は増収増益の見通し
[16/06/06]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■2016年3月期決算分析
2017年3月期についてアジュバンコスメジャパン<4929>は、売上高5,135百万円(前期比16.7%増)、営業利益768百万円(同18.8%増)、経常利益769百万円(同8.8%増)、当期利益450百万円(同69.4%増)を予想している。これらの数字は2015年4月に発表したローリング中期経営計画における業績計画から変更はない。
売上高の数字は従来予想どおりではあるが、その中身には変動が生じている。同社は2016年6月をめどにエクシードシステムを完全子会社化する予定で、2017年3月期決算にはエクシードシステムの収益が9ヶ月分反映される見通しだ。エクシードシステムの2015年5月期実績は売上高639百万円、営業利益18百万円であった。同社の2017年3月期予想にはエクシードシステムの新規連結影響が新たに織り込まれているが、1年前の予想値と同じというのが現在の業績予想の中味だ。これは、2016年3月期において非正規流通対策の影響により、売上高が計画に対して386百万円ショートしたことなどを踏まえて、保守的に業績予想を策定した結果だと弊社ではみている。
商品区分別内訳では、スキンケア(2017年3月期からボディケア商品を含む。前期も同様に組み替えての比較)の売上高は前期比162百万円(7.6%)増の2,282百万円を、ヘアケアの売上高は同308百万円(12.8%)増の2,716百万円を、それぞれ予想している。2017年3月期は新商品のローンチはせず、低刺激で安全・安心な自然派化粧品という原点に立ち返りつつ、既存のロイヤルサロンとの関係強化を図って拡販につなげていく計画だ。非正規流通対策が効果を挙げているため登録サロンのモチベーションも上がってきており、これも拡販に寄与すると期待している。
カラーについては前述のように、利用店舗数の拡大は追わず、既存の取扱店舗の売上高底上げに注力する方針だ。営業担当者に加えてカラーインストラクターを活用し、店舗売上拡大につなげる計画だ。前期まではスキンケアのリニューアル品投入や非正規流通対策を優先したという事情があったが今期はより直接的にカラーの営業推進が行われるとみられる。現在の売上高予想には今期中に期待される改善・拡販努力の効果が織り込まれていないため、保守的に過ぎるというのが弊社の印象だ。
利益については、2016年3月期とほぼ同じ水準の売上高総利益率、販管費率を想定している。売上高が増加する分だけ売上高総利益率が減少して、その結果営業利益率が改善するという構図になっている。会社予想のとおりスキンケアとヘアケア商品を拡販できれば、前期比120百万円の営業利益の増加は十分達成すると弊社ではみている。前述のように、エクシード社の新規連結効果が含まれているため、販管費のコントロールが従来計画で想定したとおり行くのかどうかについては注意が必要だろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<HN>
2017年3月期についてアジュバンコスメジャパン<4929>は、売上高5,135百万円(前期比16.7%増)、営業利益768百万円(同18.8%増)、経常利益769百万円(同8.8%増)、当期利益450百万円(同69.4%増)を予想している。これらの数字は2015年4月に発表したローリング中期経営計画における業績計画から変更はない。
売上高の数字は従来予想どおりではあるが、その中身には変動が生じている。同社は2016年6月をめどにエクシードシステムを完全子会社化する予定で、2017年3月期決算にはエクシードシステムの収益が9ヶ月分反映される見通しだ。エクシードシステムの2015年5月期実績は売上高639百万円、営業利益18百万円であった。同社の2017年3月期予想にはエクシードシステムの新規連結影響が新たに織り込まれているが、1年前の予想値と同じというのが現在の業績予想の中味だ。これは、2016年3月期において非正規流通対策の影響により、売上高が計画に対して386百万円ショートしたことなどを踏まえて、保守的に業績予想を策定した結果だと弊社ではみている。
商品区分別内訳では、スキンケア(2017年3月期からボディケア商品を含む。前期も同様に組み替えての比較)の売上高は前期比162百万円(7.6%)増の2,282百万円を、ヘアケアの売上高は同308百万円(12.8%)増の2,716百万円を、それぞれ予想している。2017年3月期は新商品のローンチはせず、低刺激で安全・安心な自然派化粧品という原点に立ち返りつつ、既存のロイヤルサロンとの関係強化を図って拡販につなげていく計画だ。非正規流通対策が効果を挙げているため登録サロンのモチベーションも上がってきており、これも拡販に寄与すると期待している。
カラーについては前述のように、利用店舗数の拡大は追わず、既存の取扱店舗の売上高底上げに注力する方針だ。営業担当者に加えてカラーインストラクターを活用し、店舗売上拡大につなげる計画だ。前期まではスキンケアのリニューアル品投入や非正規流通対策を優先したという事情があったが今期はより直接的にカラーの営業推進が行われるとみられる。現在の売上高予想には今期中に期待される改善・拡販努力の効果が織り込まれていないため、保守的に過ぎるというのが弊社の印象だ。
利益については、2016年3月期とほぼ同じ水準の売上高総利益率、販管費率を想定している。売上高が増加する分だけ売上高総利益率が減少して、その結果営業利益率が改善するという構図になっている。会社予想のとおりスキンケアとヘアケア商品を拡販できれば、前期比120百万円の営業利益の増加は十分達成すると弊社ではみている。前述のように、エクシード社の新規連結効果が含まれているため、販管費のコントロールが従来計画で想定したとおり行くのかどうかについては注意が必要だろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<HN>