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三栄コポ Research Memo(1):ブランド輸入販売とOEM供給が伸長、過去最高益を更新

注目トピックス 日本株
三栄コーポレーション<8119>は、付加価値の高いブランド商品を取り扱う創業70周年を迎える老舗商社である。国内関連会社9社、海外20拠点を展開し、製造・卸売・小売販売まで多様な機能を担う。セグメント別には、家具・家庭用品事業(売上高の50%)、服飾雑貨事業(売上高の29%)、家電事業(売上げの13%)の3事業が柱である。ビジネスモデル別にはOEM事業とブランド事業に分かれる。OEM事業では、グローバルな製造ネットワークを強みに良品計画<7453>などに商品を提供する。ブランド販売においては、調達から小売直販・アフターサービスにまで責任を持つブランドマネジメントに強みがあり、「ビルケンシュトック」(サンダル)や「キプリング」(バッグ)など欧州のこだわりブランドを多数取り扱う。

2016年3月期は、売上高49,415百万円(前期比11.2%増)、営業利益2,361百万円(同202.6%増)と、売上高で30期ぶり史上2位、利益では過去最高益を更新した。売上高は主力3セグメントともに好調で、地域別には日本の売上高が特に伸長。増益要因としては、増収効果に加えて、総利益率・販管費率の改善が寄与した。2017年3月期業績予想は、売上高は49,000百万円(前期比0.8%減)、営業利益は1,800百万円(同23.8%減)と減収減益となっているが、長いレンジで見れば過去20年で最高だった昨年の売上高に肉薄し、経常利益においても史上3番目であり、高い水準が続く。

中長期の方向としては「ブランド事業の拡大による安定収益確保」に取り組む。最新のトピックとしては、業務用調理機器「MULTI CHEF(マルチシェフ)」ブランドの始動が挙げられる。長年にわたりフードプロセッサーの有名ブランドである「クイジナート」の輸入販売を手掛けてきた同社ならではの知見やノウハウを生かして、最新の駆動技術と伝統の切削技術を融合した商品を開発し、レストラン・介護施設などの業務用に販売する。

同社のROEは13.7%(2016年3月期)であり、上場する輸入商社及びブランド小売企業10社の直近決算の中でもトップレベルであり、経営効率の高さを示している。2016年3月期の1株当たり配当金は、年間160円(特別配当60円を含む)となった。2017年3月期は年間120円を予想する。

■Check Point
・2016年3月期は同社史上2位の売上高、過去最高益を達成
・2017年3月期の業績予想は前期に及ばないものの、依然高水準
・ブランド事業の規模拡大で収益基盤強化を狙う。2017年3月期の注目トピックは業務用調理機器「MULTI CHEF」ブランドの始動

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



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