エネクス Research Memo(5):小売電力量の伸びが増収増益に貢献
[16/08/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業セグメントの動向
(2)電力・ユーティリティ部門
電力・ユーティリティ部門の2017年3月期第1四半期の業績は、売上高11,973百万円(前年同期比17.6%増)、営業活動に係る利益1,301百万円(同13.1%増)と増収増益となった。
2017年3月期は電力事業において防府発電所の定修が予定されているが、第1四半期中には行われておらず順調に販売を伸ばした。特に小売電力量が伸びたことで採算面が改善し、増益に貢献した。子会社の東京都市サービス(株)(以下、TTS)が手掛ける熱供給事業においては、今第1四半期は熱需要が前年同期を下回ったものの、原油価格の低迷の恩恵で前年同期並みの利益を確保することができた。
電力・ユーティリティ部門における今第1四半期の最大のトピックスは、4月から電力小売が全面自由化されたことだ。伊藤忠エネクス<8133>も従来から自由化されていた法人の大口需要家(スーパー、オフィスなど)に加えて、一般家庭等の小口需要家向けの電力販売に参入した。
一般家庭向け電力販売に当たって同社が採用したスキームは、バランシンググループ(BG)を通じた販売というものだ。これは、同社がBGリーダーとなり、販売力のある企業を“需要家PPS”としてグループを形成し、各需要家PPS(新電力)企業を通じて一般家庭向けに電力を販売するというものだ。同社はBGリーダーとして電源提供、需給管理、システム提供などを行う。
今第1四半期は、グループ内2社(伊藤忠エネクスホームライフ関東とエコア)と社外の2事業者((株)とっとり市民電力、(株)トドック電力)とともにBGを形成して一般家庭向けに電力を販売してきたが、これまでのところ計画を上回る1万件近い契約を獲得しているもようで、順調な滑り出しとなっていると言える。前述のように、BGメンバー企業はグループ各社を中心に拡大途上にあり、今後、一般家庭向け契約件数が順調に伸びていくものと期待される。特にグループ内のBGメンバー各社はこの8月から順次、小売販売を開始する計画となっている。
また、電力全面自由化で大口需要家との契約も伸びてきているもようだ。全面自由化により、改めてPPSとの契約の有利性が注目を集めるようになったことが背景にあるとみられる。小口及び大口需要家との契約の増加は、同社が目標としている、電力の小売販売量の増加にも寄与することになる。同社も含めたPPS各社は、電力を需要家向けに小売するほか、(社)日本卸電力取引所(JEPX)を通じた卸売を行っている。卸電力に比べて小売電力は価格が安定しているため、現在のような原油価格低迷局面では小売販売の採算性が卸電力販売のそれを上回る状況となっている。
前述のように、現状では小売価格が卸売価格よりも高い水準にある。こうした状況下では、PPS各社は小売電力の比率を高めようとするのは当然であり、同社もまたそうした事業計画だ。2016年3月期において同社は、1,616GWhの電力を販売したが、そのうち54%に当たる871GWhは小売販売であった。2017年3月期については、中期経営計画において2,200GWhを販売し、うち77%相当の1,700GWhを小売販売する計画となっていた。今期の期初予想の段階では、電力販売総量は明確にされていないが、小売電力量については1,950GWhへと修正が成されている。第1四半期の段階では小口需要家との契約がまだ十分に積み上がっていないこともあって、小売販売量の割合は60%程度とみられるが、今後の小口契約の増加に伴い、小売販売量の構成比は高まっていくものとみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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(2)電力・ユーティリティ部門
電力・ユーティリティ部門の2017年3月期第1四半期の業績は、売上高11,973百万円(前年同期比17.6%増)、営業活動に係る利益1,301百万円(同13.1%増)と増収増益となった。
2017年3月期は電力事業において防府発電所の定修が予定されているが、第1四半期中には行われておらず順調に販売を伸ばした。特に小売電力量が伸びたことで採算面が改善し、増益に貢献した。子会社の東京都市サービス(株)(以下、TTS)が手掛ける熱供給事業においては、今第1四半期は熱需要が前年同期を下回ったものの、原油価格の低迷の恩恵で前年同期並みの利益を確保することができた。
電力・ユーティリティ部門における今第1四半期の最大のトピックスは、4月から電力小売が全面自由化されたことだ。伊藤忠エネクス<8133>も従来から自由化されていた法人の大口需要家(スーパー、オフィスなど)に加えて、一般家庭等の小口需要家向けの電力販売に参入した。
一般家庭向け電力販売に当たって同社が採用したスキームは、バランシンググループ(BG)を通じた販売というものだ。これは、同社がBGリーダーとなり、販売力のある企業を“需要家PPS”としてグループを形成し、各需要家PPS(新電力)企業を通じて一般家庭向けに電力を販売するというものだ。同社はBGリーダーとして電源提供、需給管理、システム提供などを行う。
今第1四半期は、グループ内2社(伊藤忠エネクスホームライフ関東とエコア)と社外の2事業者((株)とっとり市民電力、(株)トドック電力)とともにBGを形成して一般家庭向けに電力を販売してきたが、これまでのところ計画を上回る1万件近い契約を獲得しているもようで、順調な滑り出しとなっていると言える。前述のように、BGメンバー企業はグループ各社を中心に拡大途上にあり、今後、一般家庭向け契約件数が順調に伸びていくものと期待される。特にグループ内のBGメンバー各社はこの8月から順次、小売販売を開始する計画となっている。
また、電力全面自由化で大口需要家との契約も伸びてきているもようだ。全面自由化により、改めてPPSとの契約の有利性が注目を集めるようになったことが背景にあるとみられる。小口及び大口需要家との契約の増加は、同社が目標としている、電力の小売販売量の増加にも寄与することになる。同社も含めたPPS各社は、電力を需要家向けに小売するほか、(社)日本卸電力取引所(JEPX)を通じた卸売を行っている。卸電力に比べて小売電力は価格が安定しているため、現在のような原油価格低迷局面では小売販売の採算性が卸電力販売のそれを上回る状況となっている。
前述のように、現状では小売価格が卸売価格よりも高い水準にある。こうした状況下では、PPS各社は小売電力の比率を高めようとするのは当然であり、同社もまたそうした事業計画だ。2016年3月期において同社は、1,616GWhの電力を販売したが、そのうち54%に当たる871GWhは小売販売であった。2017年3月期については、中期経営計画において2,200GWhを販売し、うち77%相当の1,700GWhを小売販売する計画となっていた。今期の期初予想の段階では、電力販売総量は明確にされていないが、小売電力量については1,950GWhへと修正が成されている。第1四半期の段階では小口需要家との契約がまだ十分に積み上がっていないこともあって、小売販売量の割合は60%程度とみられるが、今後の小口契約の増加に伴い、小売販売量の構成比は高まっていくものとみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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