サイバネット Research Memo(7):CAEソリューションサービス、ITソリューションサービス事業ともに好調
[16/08/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■サイバネットシステム<4312>の業績動向
(3)セグメント別の動向
○CAEソリューションサービス事業
CAEソリューションサービス事業は、売上高が前年同期比6.0%増7,366百万円、営業利益は同22.9%増の1,465百万円と、増収、2ケタ増益を確保した。セグメント利益率は17.2%から19.9%へ2.7ポイント上昇した。国内では、主力のMCAE分野が横ばいとなったものの、光学設計分野、MBD分野が順調に拡大したことに加えて、開発子会社のうちカナダMaplesoftと中国、台湾の販売子会社2社が順調に推移したことが主要因。
a) MCAE分野
MCAE分野は横ばいにとなった(単独の売上高は前年同期比0.4%増の3,066百万円)。主力のマルチフィジックス解析ツールは、保守契約の更新は堅調に推移したものの、新規ライセンス販売が機械・精密機器及び輸送用機器業界からの受注落込みにより低調となった。また、エンジニアリングサービスも、自動車業界からの受注が増加したものの、建設業界向けが落込んだことにより、横ばいにとどまった。
b)光学設計分野
光学設計分野は順調に推移した(単独の売上高は前年同期比7.8%増の1,843百万円)。主力商品である照明設計解析ソフトウェアは、車載及び産業用途への展開が進み、新規ライセンス販売が堅調に推移したほか、保守契約更新が好調に推移。加えて、光学設計評価プログラムの新規ライセンス販売は、電気機器及び機械・精密機器業界向けに好調に推移し、保守契約更新も堅調であった。さらに、自動車用照明設計プラットフォームは、自動車サプライヤーへの導入が進み、新規ライセンス販売及び保守契約更新ともに好調となった。
c) EDA分野
EDA分野は好調となった(単独の売上高は前年同期比18.9%増の196百万円)。電子回路基板設計ソリューションは、取扱商品の変更に伴う立ち上げが徐々に進み、新規ライセンス販売及び保守契約更新ともに計画ほどではないものの、積み上がった。一方、プリント基板(PCB)エンジニアリングサービスは、既存顧客からの受注が堅調に推移した。
d) MBD分野
MBD分野は好調に推移した(単独の売上高は前年同期比35.9%増の403百万円)。同社のグループ製品である1D CAEツールに関しては、保守契約の更新が横ばいにとどまったものの、新規ライセンス販売は電気機器業界でのモデルベース開発への関心が高まり好調となった。加えて、エンジニアリングサービスは、自動運転技術などに関する受託開発・コンサルティングへの投資意欲の高まりを背景に、自動車関連業界、特に完成車メーカーを中心に好調に推移した。
e)テスト・計測分野
テスト・計測分野は、同社が開発したFPD(Flat Panel Display)自動検査システムの大型受注があったものの、前期にあった中国向けの大型案件の反動減によるマイナス要因をカバーできず、半減を余儀なくされた(単独の売上高は前年同期比50.7%減の51百万円)。
f)その他分野
その他の分野は横ばいとなった(単独の売上高は前年同期比0.7%増の167百万円)。CAE技術教育ビジネスは、自動車業界における人材育成ニーズの高まりを受け、各社教育計画の一環として採用されるケースが増加したことにより、好調に推移した。一方、同社グループ製品である最適設計支援ツールは、引き合いは増加傾向となったものの、新規ライセンス販売及び保守契約の更新ともに横ばいで推移。対照的に、3次元公差マネジメントツールは市場開拓が計画どおりに進まなかったことから低調となった。
g)開発子会社
開発子会社の3社の状況は明暗を分けたものの、カナダMaplesoft社の好調により3社合計の売上高は順調に拡大した。具体的に見ると、カナダMaplesoftは北米の大型OEM案件受注に加えて中国でSTEMコンピューティング・プラットフォームの好調推移も手伝って2ケタ成長となった。対照的に、ベルギーNoesisは最適設計支援ツールの販売が日本で好調であったものの、欧州、特にドイツで低調であったために減収(現地通貨、円ベースともに)を余儀なくされたほか、米Sigmetrix社は3次元公差マネジメントツールの販売が北米では好調であったものの、欧州で低調に推移したために、横ばい(円ベース)にとどまった。
h)販売子会社
販売子会社の売上高は好調に推移した。中国の莎益博工程系統開発(上海)有限公司は主力の工学系ソフトウェアの販売が好調であったことに加えて同社グループ製品であるSTEMコンピューティング・プラットフォーム及び3次元公差マネジメントツールの販売も好調に推移したことなどから好調に推移。また、台湾の思渤科技股フン有限公司は、主力商品である光学系ソフトウェアの販売が伸び悩んだものの、MBD関連ソフトウェアの販売が好調に推移したことにより堅調に推移した。
◯ITソリューションサービス事業
ITソリューションサービス事業は、売上高が前年同期比14.5%増の1,651百万円、営業利益は同41.5%増の229百万円と2ケタ増収・増益と好調に推移した。
a) ITソリューション分野
ITソリューション分野は好調に推移した(単独の売上高は前年同期比12.9%増の1,105百万円)。主力商品である大手開発ベンダーのセキュリティ関連ソリューションはベンダーとの連携強化により新規ライセンス販売、保守契約更新ともに好調に推移。加えて、ディスク暗号化ソフトウェアも新規ライセンス販売及び保守契約更新ともに好調となったほか、クラウドサービスも好調に推移した。
b)データソリューション分野
データソリューション分野も好調となった(単独の売上高は前年同期比18.0%増の550百万円)。イノベーション支援ソリューションは、大手素材メーカー向け大型案件を受注したほか保守契約更新も好調で順調に拡大。また、医療可視化分野は医療機関からの受託開発案件受注により好調となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )
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(3)セグメント別の動向
○CAEソリューションサービス事業
CAEソリューションサービス事業は、売上高が前年同期比6.0%増7,366百万円、営業利益は同22.9%増の1,465百万円と、増収、2ケタ増益を確保した。セグメント利益率は17.2%から19.9%へ2.7ポイント上昇した。国内では、主力のMCAE分野が横ばいとなったものの、光学設計分野、MBD分野が順調に拡大したことに加えて、開発子会社のうちカナダMaplesoftと中国、台湾の販売子会社2社が順調に推移したことが主要因。
a) MCAE分野
MCAE分野は横ばいにとなった(単独の売上高は前年同期比0.4%増の3,066百万円)。主力のマルチフィジックス解析ツールは、保守契約の更新は堅調に推移したものの、新規ライセンス販売が機械・精密機器及び輸送用機器業界からの受注落込みにより低調となった。また、エンジニアリングサービスも、自動車業界からの受注が増加したものの、建設業界向けが落込んだことにより、横ばいにとどまった。
b)光学設計分野
光学設計分野は順調に推移した(単独の売上高は前年同期比7.8%増の1,843百万円)。主力商品である照明設計解析ソフトウェアは、車載及び産業用途への展開が進み、新規ライセンス販売が堅調に推移したほか、保守契約更新が好調に推移。加えて、光学設計評価プログラムの新規ライセンス販売は、電気機器及び機械・精密機器業界向けに好調に推移し、保守契約更新も堅調であった。さらに、自動車用照明設計プラットフォームは、自動車サプライヤーへの導入が進み、新規ライセンス販売及び保守契約更新ともに好調となった。
c) EDA分野
EDA分野は好調となった(単独の売上高は前年同期比18.9%増の196百万円)。電子回路基板設計ソリューションは、取扱商品の変更に伴う立ち上げが徐々に進み、新規ライセンス販売及び保守契約更新ともに計画ほどではないものの、積み上がった。一方、プリント基板(PCB)エンジニアリングサービスは、既存顧客からの受注が堅調に推移した。
d) MBD分野
MBD分野は好調に推移した(単独の売上高は前年同期比35.9%増の403百万円)。同社のグループ製品である1D CAEツールに関しては、保守契約の更新が横ばいにとどまったものの、新規ライセンス販売は電気機器業界でのモデルベース開発への関心が高まり好調となった。加えて、エンジニアリングサービスは、自動運転技術などに関する受託開発・コンサルティングへの投資意欲の高まりを背景に、自動車関連業界、特に完成車メーカーを中心に好調に推移した。
e)テスト・計測分野
テスト・計測分野は、同社が開発したFPD(Flat Panel Display)自動検査システムの大型受注があったものの、前期にあった中国向けの大型案件の反動減によるマイナス要因をカバーできず、半減を余儀なくされた(単独の売上高は前年同期比50.7%減の51百万円)。
f)その他分野
その他の分野は横ばいとなった(単独の売上高は前年同期比0.7%増の167百万円)。CAE技術教育ビジネスは、自動車業界における人材育成ニーズの高まりを受け、各社教育計画の一環として採用されるケースが増加したことにより、好調に推移した。一方、同社グループ製品である最適設計支援ツールは、引き合いは増加傾向となったものの、新規ライセンス販売及び保守契約の更新ともに横ばいで推移。対照的に、3次元公差マネジメントツールは市場開拓が計画どおりに進まなかったことから低調となった。
g)開発子会社
開発子会社の3社の状況は明暗を分けたものの、カナダMaplesoft社の好調により3社合計の売上高は順調に拡大した。具体的に見ると、カナダMaplesoftは北米の大型OEM案件受注に加えて中国でSTEMコンピューティング・プラットフォームの好調推移も手伝って2ケタ成長となった。対照的に、ベルギーNoesisは最適設計支援ツールの販売が日本で好調であったものの、欧州、特にドイツで低調であったために減収(現地通貨、円ベースともに)を余儀なくされたほか、米Sigmetrix社は3次元公差マネジメントツールの販売が北米では好調であったものの、欧州で低調に推移したために、横ばい(円ベース)にとどまった。
h)販売子会社
販売子会社の売上高は好調に推移した。中国の莎益博工程系統開発(上海)有限公司は主力の工学系ソフトウェアの販売が好調であったことに加えて同社グループ製品であるSTEMコンピューティング・プラットフォーム及び3次元公差マネジメントツールの販売も好調に推移したことなどから好調に推移。また、台湾の思渤科技股フン有限公司は、主力商品である光学系ソフトウェアの販売が伸び悩んだものの、MBD関連ソフトウェアの販売が好調に推移したことにより堅調に推移した。
◯ITソリューションサービス事業
ITソリューションサービス事業は、売上高が前年同期比14.5%増の1,651百万円、営業利益は同41.5%増の229百万円と2ケタ増収・増益と好調に推移した。
a) ITソリューション分野
ITソリューション分野は好調に推移した(単独の売上高は前年同期比12.9%増の1,105百万円)。主力商品である大手開発ベンダーのセキュリティ関連ソリューションはベンダーとの連携強化により新規ライセンス販売、保守契約更新ともに好調に推移。加えて、ディスク暗号化ソフトウェアも新規ライセンス販売及び保守契約更新ともに好調となったほか、クラウドサービスも好調に推移した。
b)データソリューション分野
データソリューション分野も好調となった(単独の売上高は前年同期比18.0%増の550百万円)。イノベーション支援ソリューションは、大手素材メーカー向け大型案件を受注したほか保守契約更新も好調で順調に拡大。また、医療可視化分野は医療機関からの受託開発案件受注により好調となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )
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