アイリッジ Research Memo(8):新規事業に取り組みつつ既存領域拡大とサービス拡張で売上高は30%成長の見込
[16/10/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
(1)既存サービスの顧客拡大
2016年9月にコンビニ大手のファミリーマートのアプリがリリースされたことから推察すると、大企業でもO2Oに取り組んでいない顧客はまだ十分に存在すると思料される。このため、アイリッジ<3917>では引き続き既存サービスの顧客拡大に努めるとのことである。スーパー、百貨店など小売・流通業や、外食、イベント等の業界に加え、株式上場による信用力の向上も活かし、金融機関や自治体などの顧客拡大も図る計画である。
また、中堅・中小企業向けにはNTTドコモ<9437>グループのO2O戦略子会社である(株)ロケーションバリューと提携し、サービス展開を図る。ロケーションバリューの「Moduleapps(モジュールアップス)」というサービスを活用することで、低価格かつ短期間で実現可能なモジュール型O2Oアプリを提供し、中堅・中小企業の顧客獲得を図る計画である。
(2)新規領域への進出
a)ラインナップ拡充
従来から得意としていた集客・販売促進だけでなく、その前段のターゲティングや、販売後に必要となるサービス購入時の決済など、購買活動の一連の流れを網羅することを目指している。例えば、ターゲティングであれば、従来の販売履歴やサイト閲覧履歴から割り出される趣味・嗜好に加え、これに位置情報を組み合わせることで、 “店舗には足を運んだけれど、商品を買わなかった”というような非購買行動を把握することも可能である。これらの情報を活用すると、従来より高精度のターゲティングが可能となる。また、決済であれば、バス業界向け決済アプリ「BUS PAY」を既に実用化済みであり、今後は飲食店でのテーブル支払い、テイクアウトカフェでの事前支払いなど、サービス拡大を計画している。
b) FinTechへの取り組み
同社はO2Oで培った技術やノウハウを活かし、FinTech領域への取り組みを強化している。既に取り組んでいる金融機関のバンキングアプリや為替レート通知機能に加え、デジタルガレージ<4819>、クレディ セゾン<8253>と組んでのテイクアウトカフェ、チケットなど、新たな業界へのアプリペイメント(アプリ活用による決済)の導入開発を行っている。今後は、日本国内唯一のプライベート・ブロックチェーン技術「mijin」を持つテックビューロ(株)と提携し、ポイントを活用したプラットフォームの実現を目指している。2017年7月期に実用化の目途を立て、2018年7月期以降のサービス提供を予定している。
(3)課題及び今後の見通し
同社の課題は人材育成と新規技術へのキャッチアップである。人材に関しては、2016年7月期に33百万円の採用費を投じ、社員数を2015年7月末の32人から2016年7月末では59人へと約2倍に増加させ、今後の事業拡大への足固めを行った。これらの人材を育成し内製化の割合を上げ、企業規模が拡大しても収益力の維持・向上を図る計画である。また、技術革新が頻繁に発生する業界であるため、既存ビジネスが好調なうちに、例えば現在行っているFinTechへの取り組みのように、次世代技術の開発・研究が今後も継続的に必要である。
スマートフォンは今後さらに浸透する見込みであり、少し前の資料ではあるが(株)MM総研の「スマートフォン市場規模の推移・予測(2014年4月)」によると、携帯電話全体のうちスマートフォンの契約率は、2019年には7割にまで達するとのことである。加えて、O2Oマーケティングを活用する企業が拡大し、大企業だけでなく、中堅・中小企業・地方企業などへと広がることが見込まれる。さらには、2020年の東京五輪に向けてのインバウンド消費拡大、デジタルマーケティングの更なる発展、等の可能性も踏まえ、2017年7月期は30%増収を見込み、中期的にも同程度の成長を見込んでいる。
2017年7月期業績は、売上高が前期比30.1%増の1,600百万円、営業利益は同46.1%増の200百万円、当期純利益は同49.7%増の138百万円を計画している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)
<HK>
(1)既存サービスの顧客拡大
2016年9月にコンビニ大手のファミリーマートのアプリがリリースされたことから推察すると、大企業でもO2Oに取り組んでいない顧客はまだ十分に存在すると思料される。このため、アイリッジ<3917>では引き続き既存サービスの顧客拡大に努めるとのことである。スーパー、百貨店など小売・流通業や、外食、イベント等の業界に加え、株式上場による信用力の向上も活かし、金融機関や自治体などの顧客拡大も図る計画である。
また、中堅・中小企業向けにはNTTドコモ<9437>グループのO2O戦略子会社である(株)ロケーションバリューと提携し、サービス展開を図る。ロケーションバリューの「Moduleapps(モジュールアップス)」というサービスを活用することで、低価格かつ短期間で実現可能なモジュール型O2Oアプリを提供し、中堅・中小企業の顧客獲得を図る計画である。
(2)新規領域への進出
a)ラインナップ拡充
従来から得意としていた集客・販売促進だけでなく、その前段のターゲティングや、販売後に必要となるサービス購入時の決済など、購買活動の一連の流れを網羅することを目指している。例えば、ターゲティングであれば、従来の販売履歴やサイト閲覧履歴から割り出される趣味・嗜好に加え、これに位置情報を組み合わせることで、 “店舗には足を運んだけれど、商品を買わなかった”というような非購買行動を把握することも可能である。これらの情報を活用すると、従来より高精度のターゲティングが可能となる。また、決済であれば、バス業界向け決済アプリ「BUS PAY」を既に実用化済みであり、今後は飲食店でのテーブル支払い、テイクアウトカフェでの事前支払いなど、サービス拡大を計画している。
b) FinTechへの取り組み
同社はO2Oで培った技術やノウハウを活かし、FinTech領域への取り組みを強化している。既に取り組んでいる金融機関のバンキングアプリや為替レート通知機能に加え、デジタルガレージ<4819>、クレディ セゾン<8253>と組んでのテイクアウトカフェ、チケットなど、新たな業界へのアプリペイメント(アプリ活用による決済)の導入開発を行っている。今後は、日本国内唯一のプライベート・ブロックチェーン技術「mijin」を持つテックビューロ(株)と提携し、ポイントを活用したプラットフォームの実現を目指している。2017年7月期に実用化の目途を立て、2018年7月期以降のサービス提供を予定している。
(3)課題及び今後の見通し
同社の課題は人材育成と新規技術へのキャッチアップである。人材に関しては、2016年7月期に33百万円の採用費を投じ、社員数を2015年7月末の32人から2016年7月末では59人へと約2倍に増加させ、今後の事業拡大への足固めを行った。これらの人材を育成し内製化の割合を上げ、企業規模が拡大しても収益力の維持・向上を図る計画である。また、技術革新が頻繁に発生する業界であるため、既存ビジネスが好調なうちに、例えば現在行っているFinTechへの取り組みのように、次世代技術の開発・研究が今後も継続的に必要である。
スマートフォンは今後さらに浸透する見込みであり、少し前の資料ではあるが(株)MM総研の「スマートフォン市場規模の推移・予測(2014年4月)」によると、携帯電話全体のうちスマートフォンの契約率は、2019年には7割にまで達するとのことである。加えて、O2Oマーケティングを活用する企業が拡大し、大企業だけでなく、中堅・中小企業・地方企業などへと広がることが見込まれる。さらには、2020年の東京五輪に向けてのインバウンド消費拡大、デジタルマーケティングの更なる発展、等の可能性も踏まえ、2017年7月期は30%増収を見込み、中期的にも同程度の成長を見込んでいる。
2017年7月期業績は、売上高が前期比30.1%増の1,600百万円、営業利益は同46.1%増の200百万円、当期純利益は同49.7%増の138百万円を計画している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)
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