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C&R Research Memo(3):プロフェッショナルのためのエージェンシー、展開分野は10分野に及ぶ

注目トピックス 日本株
■事業内容と収益・利益構成

クリーク・アンド・リバー社<4763>は、国内で放送されるテレビ番組の45%に同社のディレクターが関わっているなど大きな存在感を示すプロフェッショナルのためのエージェンシー。現在の展開分野は、テレビ・映画、Web、ゲーム、広告などクリエイティブ分野の他、医療、IT、法曹、会計、出版、建築、ファッション、食、研究の10分野に及ぶ。主な事業は以下の3つ。

(1)エージェンシー事業(派遣・紹介)

エージェンシー事業には、派遣と紹介があり、クライアント企業に同社のネットワークに登録しているプロフェッショナル人材を派遣もしくは紹介する。

エージェンシー事業(派遣)では、医療と法曹分野において法制上事業展開できないが、クリエイティブや会計、建築、ファッションが主力事業として育っており、シェフや研究分野でも新規に取り組んでいる。

エージェンシー事業(紹介)では、ITを除くほとんどの分野で主力事業として展開、ここでもシェフ及び研究分野も新規として取り組まれている。

2016年2月期におけるエージェンシー事業が連結売上高に占める割合は、派遣49%、紹介12%、計61%と最大。売上総利益も派遣25%、紹介35%、合計60%と稼ぎ頭である。派遣では、一般人材派遣と同様の20〜30%が同社の取り分で、紹介では想定年収の30〜35%と見られ、これらが売上高の源泉となっている。

(2)プロデュース事業(請負・アウトソーシング)

同社のネットワーク内のプロフェッショナル人材でチームを編成し仕事を請け負うことが多い。

法曹分野では法制上事業展開ができないが、テレビ・映画、ゲーム、Web、出版、会計、ファッション分野で重点的に展開、現在はIT、建築分野でも新たに取り組み始めている。

クリエイティブ分野では、案件ごとにチームを組み仕事を請け負うことが多い。同社は、豊富な人材を擁しており、実際の案件の受注にも優位性を発揮しているもよう。同社の2016年2月期の連結売上高と売上総利益に占める割合は、それぞれ36%と38%。エージェンシー事業とともに同社の屋台骨を支える事業である。

(3)ライツマネジメント事業(知的財産)他

ライツマネジメントはもっとも新しい事業であり、テレビ・映画、ゲーム、出版、IT、建築、法曹分野で展開している。

2016年2月期連結業績では、売上高の3%、売上総利益の2%と現在は小規模であるが、同社で制作した映画を流通させていくなど上記の2事業と密接に連携する事業となっている。

クリエイティブ分野(日本)における領域別割合は、映像(テレビと映画)、ゲーム、Web・紙媒体等の3領域が同分野の売上高の94%程度を占め、営業利益では同分野で初期投資を回収段階にある領域の赤字を補っている。

■展開例〜医療分野〜

展開がうまくいった例として、医療分野の民間医局を紹介したい。かつて医局と呼ばれる主要な大学病院を頂点としたピラミッド型組織が、医師の人事を一手に引き受けていた。テレビドラマ等でも取り上げられたほど、その閉鎖性や特殊性で既得権益化し批判されていた。そのような時代の背景もあり、同社は、18年前に民間医局を立ち上げた。その仕組みは、レジナビフェアという就職フェアで医学生を集客することからスタート。その時点では医学生から収益を上げることはできないが、数年後、レジナビフェア参加者が病院を探すことになるときに同社ネットワークを活用してもらう仕組み。医師不足も手伝って病院施設も民間医局を採用するようになり、現在では、同社は全国の7〜8割の病院人事を請け負うビジネスにまで伸ばすまでに成功した。

(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)



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