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C&R Research Memo(5):付加価値の高い仕事が多く、景気悪化でも下方硬直性が働きやすい

注目トピックス 日本株
■強み

(1)プロフェッショナルにとってのメリット

多くのプロフェッショナルを惹き付けている要因の1つとなっているのが、プロフェッショナルに自身の仕事に集中させる自由を提供できているからだと考える。プロフェッショナルが独立を考えた時、少なくとも2つの問題と折り合いをつける必要があろう。1つは、これまで注力してきたプロフェッショナルとしての能力以外に求められるスキルがあることである。特に会社の経営や営業に大きな時間と労力を割かなければならないだろう。時間や労力は有限であり、仕事に思うように取り組めなくなることが考えられる。経営や営業を軽視することもできずジレンマに陥ることも多い。

もう一方の問題は、独立すると大きな案件に関与できなくなる可能性である。大規模プロジェクトの受注に当たっては資金やバックオフィスの事情なども選定理由となるため、個人事務所や個人経営の小規模な会社はコンペなどに参加しにくく、また参加できたとしても仕事を勝ち取るのは前述の理由で難しい。中小規模案件だけに特化するのであれば問題とならないが、大規模案件に意義を見出すプロフェッショナルにとって、これは独立を検討するに当たって大きな阻害要因になるかもしれない。

クリーク・アンド・リバー社<4763>は、分野や事業セグメントを超えた案件や試みを行うので、他社にはない視点による提案が可能となり、独立によるデメリットをメリットに転換することに成功している。クリエイティブや建築分野で主に展開されてきたが、今後は研究やITなどの分野でも同様のことが可能となるだろう。

大きな収益の柱となっているクリエイティブ分野のテレビ業界はあまり景気が芳しくないようだが、テレビ番組数そのものは減ってはおらず同社の収益への影響は見られない。また、その理由として、テレビ業界で費用削減を含む効率化・合理化は長距離ロケの削減やタレント起用の減少にとどまっており、同社が得意とするスタジオでの番組などが対象になっていないことが挙げられる。加えて、クリエイティブ分野に次ぐ利益寄与の大きい医療分野では、その性質上、景気の変動はほとんど受けない。よって、今後景気が悪化したとしてもそのマイナス影響は、他の人材会社や景気敏感セクターと比べ大きくないと言える。

(2)安定的な事業を支える取引先

同社の主要取引先は、テレビ局・制作会社、ゲーム会社、広告代理店、一般事業会社、出版社、医療機関、メーカー、ベンダー、法律事務所、会計事務所、監査法人、アパレル企業など、大規模で知名度もある企業名が並んでおり、同社の事業を行う上で収益の安定性が比較的高いと言える。

(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)



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