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ダイヤモンドD Research Memo(3):卓越した業態開発力やエンターテイメント性に富むマルチコンセプト戦略

注目トピックス 日本株
■事業概要

(1)ダイヤモンドダイニング<3073>の事業内容

首都圏を中心に多ブランド展開による飲食事業を主力とするとともに、ダーツやビリヤード、カラオケなどのアミュ−ズメント事業も手掛けている。保有ブランドの多様性を活かしたブランドマネジメント制と好立地に集中的に出店するドミナント展開などに特徴がある。

「世界No.1のエンターテイメント企業グループ」をビジョンに掲げ、「コンセプト」「空間」「ストーリー」を重視した独自の発想による業態開発力には定評があり、「VAMPIRE CAFE」や「アリスのファンタジーレストラン」「ベルサイユの豚」など個性的な人気ブランドを創出してきたことや積極的なM&Aによる規模拡大がこれまでの同社の成長を支えてきた。最近では、高収益ブランドの積極展開が同社の業績をけん引している。

事業セグメントは、「わらやき屋」や「九州熱中屋」など高収益ブランドを軸とした飲食事業と「BAGUS」ブランドなどによるアミューズメント事業とライセンス事業の3つに分類される。飲食事業(海外を含む)が、売上高の73.2%、営業利益(報告セグメントベース)の62.2%を占めている(2017年2月期上期実績)。

同社グループは、同社と連結子会社10社(国内4社、海外6社)及び非連結子会社2社で構成されている(2016年8月末現在)。ただ、シンガポールでラーメンダイニング等を手掛けるDiamond Dining Singapore Pte. Ltd.については、ラーメンダイニングが国内外で飽和状態であり、内外環境を鑑みた結果、今後の投資回収及び採算性を確保していくことが困難であるとの判断から2017年2月期上期に事業撤退を完了した。

同社は、2016年9月1日付でゼットンを公開買付けにより持分法適用会社とした。取得割合は発行済株式数の42.0%(取得金額約1,429百万円)となっている(のれんについては精査中)。将来的には会計上の支配下基準により連結子会社化することも視野に入れているようだ。ゼットンは、「アロハテーブル」ブランドによるハワイアンレストラン事業を軸とするほか、ブライダル事業やハワイを中心とした海外事業なども展開している。2016年8月末の店舗数は75店舗(うち、海外は3店舗)。直近(2016年2月期)の業績は、売上高が10,141百万円、営業損失が93百万円となっている。

今回の資本業務提携は、それぞれのノウハウを有する人材の共有や仕入れ面でのスケールメリットの享受、バックオフィス機能の集約などのシナジー効果に狙いがある。具体的には、同社にとって以下のような価値創出が想定される。
1)ブランドポートフォリオの拡充(ハワイアンフードとノンアルコール類を中心に提供するハワイアン・カフェなどのブランドの獲得)
2)地域的な補完(特に、ゼットンが営業基盤とする中部地区の強化)
3)同社の海外店舗とは異なる海外進出ノウハウの獲得(同社が現地人及び米国本土からの旅行者を対象としていることに対して、ゼットンは日本人旅行者を対象)
4)運営ノウハウと経験豊富な人材の獲得(特に、レストランブライダル分野)
5)季節的な業績変動要因の緩和(同社が冬季偏重であるのに対して、ゼットンは夏季偏重)

一方、ゼットンにとっても以下のような価値創出が想定される。
1)同社との提携により取引先への交渉力や人材採用面での強化が図れること
2)同社の物流購買機能等を活用することで仕入れコストの削減が期待できること
3)同社の会員制度システムである「DDマイル」や「予約コールセンター」、「24時間オンライン予約システム」に参加することにより、同社の会員や来店客を誘導できること

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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