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テックファーム Research Memo(1):参入障壁の高いITソリューションビジネスに注力していく

注目トピックス 日本株
テックファームホールディングス<3625>は、モバイル関連のアプリケーションソフトやWebサイトの開発を行うテックファーム(株)を中心に、米カジノ向け電子決済サービス事業のPrism Solutions Inc.や2015年3月に子会社化した自動車アフターマーケット向け業務支援システムを提供する(株)EBEを傘下に置く持株会社となる。

同社は、2016年10月4日付で住宅リフォーム支援事業に参入すると発表した。不動産事業等を展開する(株)三輝と合弁で(株)サンキテックを設立し、住宅リフォームの見積支援パッケージソフトの開発販売を展開していく予定で、全国に約4万ある中小工務店を対象に拡販していく。住宅リフォーム市場は2013年の約7兆円から2025年には約12兆円まで拡大する見通しだが、事業者によって見積もり方法や金額が様々で不透明なことが業界の課題となっていた。増加する見積もりニーズに対し、対応する人的リソースが不足している中小工務店で見積支援パッケージが導入されることで、見積もりコストを迅速かつ明確に顧客に提案することが可能となるため、工務店側の導入メリットも大きいと考えられる。合弁会社への出資比率は14%となり、同社業績への影響は軽微だが、将来的には子会社化も視野に入れている。同社は参入障壁の高い業界に対するITソリューションビジネスに注力しており、自動車アフターマーケット向けに続く事業として育成していく考えだ。

また、2016年10月21日付で第3者割当による行使価額修正条項付き新株予約権を発行した。当初の行使価額2,640円(上限行使価額なし、下限行使価額1,584円)ですべて行使されれば株式数は100万株増加(発行済株式総数比率14.9%)し、資金調達の総額は2,657百万円となる。調達資金の主な使途は、EBEの株式取得対価の残額分支払いで200百万円、米国市場での事業投資資金として200百万円、残りを事業規模拡大に向けたM&Aや資本業務提携投資、新たに参入する住宅リフォーム支援事業の合弁会社への出資金や今後の事業投資のほか、最先端のテクノロジーを利用した自社の新ソリューションへの投資に充当していく予定となっている。

2017年6月期第1四半期の業績は、売上高が前年同期比17.7%減の920百万円、営業損失が122百万円(前年同期は51百万円の損失)となった。通期計画(売上高4,700百万円、営業利益137百万円)に対する進捗率は低いものの、ほぼ会社計画どおりの推移となった。自動車アフターマーケット向けシステムが新製品の端境期に当たり落ち込んだことが収益悪化要因となっているが、下期には新製品のリリースが予定されており、通期では挽回できる見通しだ。

■Check Point
・不動産・建築事業等を展開する三輝と合弁会社、サンキテックを設立
・事業規模の拡大に向けて新株予約権発行による資金調達を実施
・17/6期1Qは減収減益での着地だが、ほぼ会社計画の範囲内

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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