イード Research Memo(1):質を伴った成長を継続できるか今後を注視したい
[17/03/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
イード<6038>は、コンテンツマーケティング企業で、コンテンツマーケティングプラットフォーム事業とコンテンツマーケティングソリューション事業を有する。
1. 事業内容と特徴・強み
セグメントは、コンテンツマーケティングプラットフォーム事業(CMP事業)とコンテンツマーケティングソリューション事業(CMS事業)の2つ。CMP事業では、Webメディア・コンテンツを運営しながら、顧客企業に対してインターネット広告・データコンテンツを提供。CMS事業においては、顧客企業に対してリサーチソリューションとECソリューションを提供している。2017年6月期第2四半期累計業績の内訳は、連結売上高でCMP事業が1,833百万円(構成比は83.2%)、CMS事業が370百万円(同16.8%)、セグメント利益段階でCMP事業が41百万円(同63.6%)、CMS事業が23百万円(同36.4%)という構成になっている。同社は、「iid-CMP」という独自のWebメディア・コンテンツ管理・配信システムを運用。このシステムは、集客機能、ローコストオペレーションノウハウ、コンテンツマネジメント機能を有しており、このシステムへの移行で、「シネマカフェ」のページビュー(PV)は12ヶ月で1.8倍に伸長するなど著しい効果を挙げている。また、同社の特徴の1つにM&Aが挙げられる。同社は基本5年の投資回収期間の適用を行っている。なお、2年以内の黒字化を徹底しており、これまではすべて達成している。取得した38サイトの平均取得額は2,765万円であるが、平均年間売上高6,871万円、同営業利益は1,028万円と投資収益率も高い。
2. 2017年6月期第2四半期連結決算
2017年6月期第2四半期連結業績は、売上高が前年同期比2.2%増の2,204百万円、営業利益が同57.0%減の64百万円。CMS事業のリサーチソリューション及びECソリューションの受注が好調だったものの、CMP事業のPV数が低下し、これが運用型広告を中心に主要な収益であるパフォーマンス広告売上高が減少したのが主な減益要因。効率的な広告宣伝費の投入ができず、PV数の低下につながったようだ。また、セールスミックスの変化で外注費や物流費等の増加も収支を圧迫した。
3. 通期業績予想を減額修正、修正後予想は保守的
同社は決算発表時に通期業績予想を修正しており、修正後の2017年6月期連結業績予想は、売上高4,700百万円(前回予想比6.4%減、前期比3.7%増)、営業利益80百万円(同76.6%減、同73.8%減)で、第2四半期の営業利益の通期進捗率は80.9%と高く、修正後予想は保守的と言える。同社はまだ成長を模索するステージにあり、売上を追及すべきと考える。長期的成長を視野に、今後は質を伴った成長が継続できるか注視したい。
■Key Points
・CMP事業とCMS事業を両輪とするコンテンツマーケティング会社。「iid-CMP」という独自のシステムへの移行で買収後のWebサイト等のPVを大きく引き上げるなどの成果をあげているほか、M&Aも積極的。基本5年での投資回収、また2年以内の黒字化を徹底し、投資収益率も高い。
・2Qの決算はCMP事業のPV数の低下が引き金となり、大きな減益となった。
・2Qの進捗率を考慮すると修正後の通期業績予想は保守的。今後は、質を伴う成長が継続できるか注視したい。
(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)
<TN>
イード<6038>は、コンテンツマーケティング企業で、コンテンツマーケティングプラットフォーム事業とコンテンツマーケティングソリューション事業を有する。
1. 事業内容と特徴・強み
セグメントは、コンテンツマーケティングプラットフォーム事業(CMP事業)とコンテンツマーケティングソリューション事業(CMS事業)の2つ。CMP事業では、Webメディア・コンテンツを運営しながら、顧客企業に対してインターネット広告・データコンテンツを提供。CMS事業においては、顧客企業に対してリサーチソリューションとECソリューションを提供している。2017年6月期第2四半期累計業績の内訳は、連結売上高でCMP事業が1,833百万円(構成比は83.2%)、CMS事業が370百万円(同16.8%)、セグメント利益段階でCMP事業が41百万円(同63.6%)、CMS事業が23百万円(同36.4%)という構成になっている。同社は、「iid-CMP」という独自のWebメディア・コンテンツ管理・配信システムを運用。このシステムは、集客機能、ローコストオペレーションノウハウ、コンテンツマネジメント機能を有しており、このシステムへの移行で、「シネマカフェ」のページビュー(PV)は12ヶ月で1.8倍に伸長するなど著しい効果を挙げている。また、同社の特徴の1つにM&Aが挙げられる。同社は基本5年の投資回収期間の適用を行っている。なお、2年以内の黒字化を徹底しており、これまではすべて達成している。取得した38サイトの平均取得額は2,765万円であるが、平均年間売上高6,871万円、同営業利益は1,028万円と投資収益率も高い。
2. 2017年6月期第2四半期連結決算
2017年6月期第2四半期連結業績は、売上高が前年同期比2.2%増の2,204百万円、営業利益が同57.0%減の64百万円。CMS事業のリサーチソリューション及びECソリューションの受注が好調だったものの、CMP事業のPV数が低下し、これが運用型広告を中心に主要な収益であるパフォーマンス広告売上高が減少したのが主な減益要因。効率的な広告宣伝費の投入ができず、PV数の低下につながったようだ。また、セールスミックスの変化で外注費や物流費等の増加も収支を圧迫した。
3. 通期業績予想を減額修正、修正後予想は保守的
同社は決算発表時に通期業績予想を修正しており、修正後の2017年6月期連結業績予想は、売上高4,700百万円(前回予想比6.4%減、前期比3.7%増)、営業利益80百万円(同76.6%減、同73.8%減)で、第2四半期の営業利益の通期進捗率は80.9%と高く、修正後予想は保守的と言える。同社はまだ成長を模索するステージにあり、売上を追及すべきと考える。長期的成長を視野に、今後は質を伴った成長が継続できるか注視したい。
■Key Points
・CMP事業とCMS事業を両輪とするコンテンツマーケティング会社。「iid-CMP」という独自のシステムへの移行で買収後のWebサイト等のPVを大きく引き上げるなどの成果をあげているほか、M&Aも積極的。基本5年での投資回収、また2年以内の黒字化を徹底し、投資収益率も高い。
・2Qの決算はCMP事業のPV数の低下が引き金となり、大きな減益となった。
・2Qの進捗率を考慮すると修正後の通期業績予想は保守的。今後は、質を伴う成長が継続できるか注視したい。
(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)
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