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ソルクシーズ Research Memo(4):ソフトウェア開発事業の減益をデジタルサイネージ事業の黒字転換でカバー

注目トピックス 日本株
■業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) ソフトウェア開発事業
ソルクシーズ<4284>のソフトウェア開発事業の業績は、売上高が前期比19.7%増の12,964百万円と好調に推移したものの、営業利益は同6.6%減の556百万円と5期ぶりの減益に転じた。増収にもかかわらず減益となったのは、人的リソースが限られるなかで受注をこなしていくために外注費が増加したことや、利益率の低い機器販売の売上高(単独)が前期の91百万円から347百万円と急増し、プロダクトミックスが悪化したことが要因となっている。

売上高の内訳を見ると、主力のSI/受託開発事業が前期比20.4%増の11,747百万円となったほか、ソリューション事業※も同13.2%増の1,216百万円となり、いずれも好調に推移した。

※ソリューション事業は、パッケージソフトのライセンス、カスタマイズ、保守等の売上、セキュリティコンサルティング及び関連機器・サービスの売上を指し、組織的にはソルクシーズのソリューション部(機器販売除く)、IoT事業推進室、クラウド事業推進部の売上及び子会社のノイマンの売上げを対象としている。

単独ベースの業種別売上動向を見ると、金融業界向けが前期比29.1%増の6,973百万円となり、なかでもクレジット向けが同28.9%増、証券向けが同38.1%増と好調に推移した。また、その他金融向けが大きく伸びているが、これは債権回収会社の大型開発案件を獲得したことが要因となっている。また、金融業界向けの売上総利益率は前期の18.9%から16.7%に低下している。

一方、産業界向けの売上高は前期比6.2%増の2,804百万円となった。通信向けが前期比10.9%減、官公庁向けが同2.4%減と低調だったものの、その他産業向けが同15.0%増、流通向けが同7.7%増と増加した。市場全体としてシステム開発需要は旺盛だったものの、人的リソースが限られる中で選別受注を行ったため、売上高の伸びも限定的となった。売上総利益率は前期の21.7%から21.0%と若干低下したが、数年前までは10%台の売上総利益率だったことからすると高水準を維持したと言える。

一方、主要な子会社の収益動向を見ると、エクスモーションは増収減益となった。2016年12月期はコンサルタントの教育、育成に注力する方針のもと減収減益で計画を立てていたものの、自動車業界で自動運転技術に関する開発が活発化し、コンサルティングニーズが想定以上に強まったことから当初計画を上回った。また、ノイマンについては増収増益となった。自動車教習所向け情報システムのリプレース需要が期末に集中したことが要因だ。また、証券バイサイド向けシステム開発を行うコアネクスト、ICTインフラの設計・構築を行うアスウェアは、良好な市場環境を追い風に過去最高業績を更新している。一方、銀行勘定系の開発を行うエフ・エフ・ソルは開発案件の一巡により減収減益となった。

(2) デジタルサイネージ事業
デジタルサイネージ事業の業績は、売上高が前期比33.0%減の324百万円と減収となったものの、営業利益は53百万円(前期は5百万円の損失)となり、同社が事業セグメントを開示した2011年12月期以降で初めて黒字を計上した。売上高については太陽光発電設備工事の案件がなくなったことや、アミューズメント施設向けデジタルサイネージの受注が減少したことで落ち込んだが、東京事務所を縮小するなど固定費の削減に取り組んだことが損益改善要因となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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