イーストン Research Memo(4):2017年3月期第3四半期は減収増益で着地
[17/03/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2017年3月期第3四半期決算の概要
ルネサスイーストン<9995>の2017年3月期第3四半期決算は、売上高57,283百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益845百万円(同21.7%増)、経常利益956百万円(同30.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益632百万円(同2.3%減)と、前年同期比減収ながらも増益で着地した。
品目別では、全体の約7割を占める集積回路が、産業分野の低迷の影響から前年同期比6.4%(2,790百万円)減の40,575百万円となった。しかし、半導体素子はパワーデバイスが自動車、民生分野で需要が増加したことから同0.3%(22百万円)増の8,667百万円となったほか、表示デバイスはアミューズメント分野の増加で同39.3%(581百万円)増の2,059百万円、その他が産業向けパーツの増加で同12.2%(652百万円)増の5,981百万円となった。全体では集積回路の減収が響き、前述のように同2.6%減の57,283百万円で着地した。
利益面では、売上高売上総利益率が前年同期の9.3%から今第3四半期は9.8%に、0.5%ポイント改善した。この結果、売上高は前年同期比2.6%減収となったものの売上総利益は同3.0%増益の5,624百万円となった。販管費が同0.3%増の4,778百万円に抑制されたため、営業利益は同21.7%増の845百万円となり、営業利益率は前年同期の1.2%から0.3%改善して1.5%となった。
今第3四半期決算では、売上高において集積回路の減収が注目点の1つとなったが、直接の要因である産業分野の需要低迷について、その背景や理由は必ずしも明確ではない。産業分野というくくりの中には様々な需要先業界が含まれていることが一つの要因だ。また、産業分野の需要牽引役と期待されるIoTやインダストリー4.0といわれる領域において、例えば自動車業界におけるADAS(先進運転支援システム)ほどには新規需要分野として立ち上がってきていないことも一つの要因とみられる。
利益において売上総利益率が改善した要因としては、同社がかねて進めてきた、業務本部による地道な改善活動が効果を発揮したことが挙げられる。また、今第3四半期は仕入先別に見た場合、ルネサスエレクトロニクス製品(集積回路はそのほとんどがルネサスエレクトロニクス製品)が減収となる一方、同社が独自に仕入れ・販売ルートを開拓しているCSB製品が伸びたことで、製品構成差も利益率改善に寄与したと推測される。
需要分野別では、第3四半期決算では詳細な内訳は開示されないが、産業向けが不振な一方、自動車向けは堅調に推移した結果、両者の売上構成比の差が開きつつある。従来は、産業向けと自動車向けがそれぞれ約40%を占める構図であったが、徐々に両者の差が拡大し、今第3四半期では自動車が約48%、産業向けが約35%と、一段と拡大したとみられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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1. 2017年3月期第3四半期決算の概要
ルネサスイーストン<9995>の2017年3月期第3四半期決算は、売上高57,283百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益845百万円(同21.7%増)、経常利益956百万円(同30.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益632百万円(同2.3%減)と、前年同期比減収ながらも増益で着地した。
品目別では、全体の約7割を占める集積回路が、産業分野の低迷の影響から前年同期比6.4%(2,790百万円)減の40,575百万円となった。しかし、半導体素子はパワーデバイスが自動車、民生分野で需要が増加したことから同0.3%(22百万円)増の8,667百万円となったほか、表示デバイスはアミューズメント分野の増加で同39.3%(581百万円)増の2,059百万円、その他が産業向けパーツの増加で同12.2%(652百万円)増の5,981百万円となった。全体では集積回路の減収が響き、前述のように同2.6%減の57,283百万円で着地した。
利益面では、売上高売上総利益率が前年同期の9.3%から今第3四半期は9.8%に、0.5%ポイント改善した。この結果、売上高は前年同期比2.6%減収となったものの売上総利益は同3.0%増益の5,624百万円となった。販管費が同0.3%増の4,778百万円に抑制されたため、営業利益は同21.7%増の845百万円となり、営業利益率は前年同期の1.2%から0.3%改善して1.5%となった。
今第3四半期決算では、売上高において集積回路の減収が注目点の1つとなったが、直接の要因である産業分野の需要低迷について、その背景や理由は必ずしも明確ではない。産業分野というくくりの中には様々な需要先業界が含まれていることが一つの要因だ。また、産業分野の需要牽引役と期待されるIoTやインダストリー4.0といわれる領域において、例えば自動車業界におけるADAS(先進運転支援システム)ほどには新規需要分野として立ち上がってきていないことも一つの要因とみられる。
利益において売上総利益率が改善した要因としては、同社がかねて進めてきた、業務本部による地道な改善活動が効果を発揮したことが挙げられる。また、今第3四半期は仕入先別に見た場合、ルネサスエレクトロニクス製品(集積回路はそのほとんどがルネサスエレクトロニクス製品)が減収となる一方、同社が独自に仕入れ・販売ルートを開拓しているCSB製品が伸びたことで、製品構成差も利益率改善に寄与したと推測される。
需要分野別では、第3四半期決算では詳細な内訳は開示されないが、産業向けが不振な一方、自動車向けは堅調に推移した結果、両者の売上構成比の差が開きつつある。従来は、産業向けと自動車向けがそれぞれ約40%を占める構図であったが、徐々に両者の差が拡大し、今第3四半期では自動車が約48%、産業向けが約35%と、一段と拡大したとみられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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