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テックファーム Research Memo(4):ソフトウエア受託開発事業の収益力は着実に向上

注目トピックス 日本株
■業績動向

2. 事業セグメント別の動向
(1) ソフトウエア受託開発事業
ソフトウエア受託 開発事業の売上高は前年同期比14.2%減の1,442百万円、セグメント利益は同13.5%増の150百万円となった。売上高については、スマホアプリ開発等の既存事業が、競争激化により案件数・受注単価ともに減少傾向となっていること、既存顧客での大型プロジェクトが終了したことなどが減収要因となっている。ただ、テックファームホールディングス<3625>が注力中のソリューションビジネスについては、規模は小さいながらも着実に受注案件を獲得し始めている。製造業の生産現場等で用いられるIoT(位置管理ソリューション)やAI(音声認識ソリューション)案件の引き合いが増加しているほか、ホテル客室向けee-TAB*事業も導入客室数の増加に伴い、売上高は前年同期比2倍増の20百万円となった。

顧客別売上高で見ると、NTTドコモが前年同期比0.3憶円増の4.0億円と堅調に推移した一方で、その他既存顧客が同3.1億円減の9.1億円と大きく落ち込んだ。また、新規顧客については0.3億円増の0.9億円となった。

減収にもかかわらず営業利益が増加したのは、ここ数年取り組んできた不採算プロジェクト削減施策の効果が出てきたことや開発部門における生産性向上、採算重視の受注活動等に取り組んできた効果が出てきたものと考えられる。不採算プロジェクト削減や生産性向上施策としては、会社全体のプロジェクトの進捗管理を前期より新設したPM部門で一括管理するようになったこと、開発ガイドラインの作成により開発工程の標準化を進めてきたこと、プログラムのバグを早期発見するためにソースコードの静的解析ツールを導入したこと等の効果が出ている。また、コスト削減のためベトナムでのオフショア開発も今期から開始している。不採算プロジェクトの発生件数比率は、前年同期の7%から当第2四半期累計期間では5%まで低下し、不採算プロジェクト損失額も10百万円と軽微となっている。なお、外注比率については売上高が減少したこともあって、従来の4割強の水準から4割弱の水準へと低下している。

ee-TAB*事業については、2016年8月に「ホテルシティオ静岡」、12月に「京王プラザホテル」(最上級クラブフロア「プレミアグラン」限定)、「琉球温泉瀬長島ホテル」及び「ホテルWBFアートステイ那覇」に相次いで導入が決定し、導入客室数で前期末比40%増の約2,200室に増加した。京王プラザホテルでは、日本文化体験プログラムやホテル内のスパメニューなど豊富なアクティビティメニューを多言語で配信できる点が評価され導入に至った。従来は、ビジネスホテルへの導入にとどまっていたが、知名度の高い大型ホテルに導入されたことで、ee-TAB*サービスに関する問い合わせ件数も増加している。また、沖縄の2ホテルについては世界最大の口コミサイト「TrustYou」と提携し、アンケート集計や分析システムを付加した新バージョンを導入した。同社ではホテルへの導入実績が積み重なってきたことから、ガソリンスタンドや小売店向けなど他業種への営業展開も開始しており、今後の受注獲得が期待される。

(2) 自動車アフターマーケット
自動車アフターマーケット事業の売上高は前年同期比24.9%減の440百万円、セグメント損失は98百万円(前年同期は42百万円の利益)となった。今期は競合他社との差別化を図るため、主力の整備システムについての商品ラインナップを25本に拡充したほか、部品・ガラス商向けシステムのバージョンアップによる商品力強化に取り組んだ。

特に部品・ガラス商向けについては、従来、取り扱いデータが少なかったため、ほとんど顧客開拓できておらず、業界トップのブロードリーフの独壇場であったが、テックファームグループに入ったことで信用力が増し、取り扱いデータ量も引けを取らない規模まで拡充が進んだことで、今期より本格的に顧客開拓を進めていく計画となっていた。ただ、部品商向けの第1号納入案件で開発トラブルが発生し、その収束に人的リソースが削がれたこともあって、その他の顧客開拓が進まず、結果的に売上高の減少、並びに利益の大幅悪化要因となった。なお、同案件については既に顧客への納入を終えており、現在は通常の営業活動に回復している。

その他のトピックスとしては、テックファームとの協業により羽田空港内での特殊車両の車両管理・整備システムの受注を獲得している。同システムを導入することで、特殊車両に起因する飛行便の発着スケジュールの遅延発生リスクを抑える効果が期待されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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