C&GSYS Research Memo(1):金型用CAD/CAMシステム専業メーカー、シェアアップで事業成長を目指す
[17/03/24]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
C&Gシステムズ<6633>は金型用CAD/CAMシステムの専業メーカーで国内シェア(推定)は20%を誇る。大手メーカーから従業員20人未満の中小金型メーカーまで顧客数は約7,000事務所に上る。
1. 2016年12月期は減益だがほぼ想定内の結果
発表された2016年12月期の決算は、売上高が4,445百万円(前期比3.1%増)、営業利益が408百万円(同10.6%減)、経常利益が438百万円(同10.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が242百万円(同21.8%減)となった。国内や北米向けは堅調であったが、中国、台湾、韓国などのアジアが予想を下回ったことから減益となった。減益ではあったが、全体的にはほぼ想定内であり驚く結果ではなかった。
2. 2017年12月期は先行き不透明から控えめな予想
また、進行中の2017年12月期の通期連結業績は、売上高4,217百万円(前期比5.1%減)、営業利益385百万円(同5.4%減)、経常利益419百万円(同4.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益437百万円(同80.3%増)と予想されている。国内や北米は堅調が続く見込みだが、アジア等の先行きが不透明であること、前期比で金型事業が落ち込むことから控えめの予想となっている。親会社株主に帰属する当期純利益は繰延税金資産の回収可能性予想から大幅増益が見込まれている。
3. 安定した既存収益源に加え次世代収益源の育成により成長を目指す
同社では中長期の目標として、既存の基幹収益源(国内CAD/CAMシステム事業)の維持・拡張、成長する海外CAD/CAM市場の取り込み、次世代収益源の育成という3つの柱を掲げて業容の拡大を図っている。その中でも次の収益源として特に注目されるのが、同社の持つCAM技術と3Dプリンタを組み合わせたAM-CAM※である。これは、同時5軸制御により積層造形と切削加工を同一の機械で行うもので、自由曲面や、中空形状などの複雑な形状の積層造形が可能になる。既に某中堅工作機械メーカーと協同開発した試作機を公開しており、今後の展開が大いに注目される。
※AM-CAM:AMとは「Additive Manufacturing(積層造形法)」の略で、いわゆる3Dプリンタなどの「付加加工」を実現するためのCAMのことをAM-CAMと言う。一般的に製品(部品)の加工法では、3Dプリンタなどによる「付加加工」に加えて、マシニングセンター等などによる「除去加工」、金型などによる「成型加工」がある。
■Key Points
・金型用CAD/CAMシステム専業メーカーで国内シェア(推定)20%、顧客数は7,000事業所超
・2017年12月期はかなり控えめの減益予想
・3Dプリンタ関連の次世代製品を育成中、今後の展開は要注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>
C&Gシステムズ<6633>は金型用CAD/CAMシステムの専業メーカーで国内シェア(推定)は20%を誇る。大手メーカーから従業員20人未満の中小金型メーカーまで顧客数は約7,000事務所に上る。
1. 2016年12月期は減益だがほぼ想定内の結果
発表された2016年12月期の決算は、売上高が4,445百万円(前期比3.1%増)、営業利益が408百万円(同10.6%減)、経常利益が438百万円(同10.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が242百万円(同21.8%減)となった。国内や北米向けは堅調であったが、中国、台湾、韓国などのアジアが予想を下回ったことから減益となった。減益ではあったが、全体的にはほぼ想定内であり驚く結果ではなかった。
2. 2017年12月期は先行き不透明から控えめな予想
また、進行中の2017年12月期の通期連結業績は、売上高4,217百万円(前期比5.1%減)、営業利益385百万円(同5.4%減)、経常利益419百万円(同4.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益437百万円(同80.3%増)と予想されている。国内や北米は堅調が続く見込みだが、アジア等の先行きが不透明であること、前期比で金型事業が落ち込むことから控えめの予想となっている。親会社株主に帰属する当期純利益は繰延税金資産の回収可能性予想から大幅増益が見込まれている。
3. 安定した既存収益源に加え次世代収益源の育成により成長を目指す
同社では中長期の目標として、既存の基幹収益源(国内CAD/CAMシステム事業)の維持・拡張、成長する海外CAD/CAM市場の取り込み、次世代収益源の育成という3つの柱を掲げて業容の拡大を図っている。その中でも次の収益源として特に注目されるのが、同社の持つCAM技術と3Dプリンタを組み合わせたAM-CAM※である。これは、同時5軸制御により積層造形と切削加工を同一の機械で行うもので、自由曲面や、中空形状などの複雑な形状の積層造形が可能になる。既に某中堅工作機械メーカーと協同開発した試作機を公開しており、今後の展開が大いに注目される。
※AM-CAM:AMとは「Additive Manufacturing(積層造形法)」の略で、いわゆる3Dプリンタなどの「付加加工」を実現するためのCAMのことをAM-CAMと言う。一般的に製品(部品)の加工法では、3Dプリンタなどによる「付加加工」に加えて、マシニングセンター等などによる「除去加工」、金型などによる「成型加工」がある。
■Key Points
・金型用CAD/CAMシステム専業メーカーで国内シェア(推定)20%、顧客数は7,000事業所超
・2017年12月期はかなり控えめの減益予想
・3Dプリンタ関連の次世代製品を育成中、今後の展開は要注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>