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サイオス Research Memo(8):2019年12月期に売上高160億円、EBITDA10億円を目指す

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

3. 中期計画について
サイオステクノロジー<3744>は2017年2月に中期3ヶ年計画について発表した。継続的な研究開発投資、マーケティング力、営業力の強化を推進し、最終年度となる2019年12月期に売上高で160億円、EBITDAで10億円を目指していく。2016年12月期実績比では売上高で32.4%増、EBITDAで53.0%増となる。

目標達成のため、同社は2017年7月に持株会社体制に移行することを発表した。同社が持株会社としてサイオス(株)に社名変更し、事業部門を分割しサイオステクノロジー(株)として子会社化する。持株会社体制にすることによって、グループのバックオフィス機能を持株会社に集約化し、グループ全体の経営戦略立案機能及びガバナンス・コンプライアンス機能を強化するほか、間接業務の効率化を図ることでグループ価値の最大化を実現していく。また、各事業会社においては市場環境の変化に対応した迅速な意思決定で機動的・効率的な事業運営を進めていくほか、M&Aについても積極推進していく方針となっている。

3ヶ年計画の基本方針は2016年12月期と同様で、「Fintechを含む新たな領域での新規事業創出」「継続的な研究開発投資」「コアビジネスの競争力強化」に取り組んでいく。

「新規事業創出」ではここ最近、様々な分野で利用が広がっているAI分野でのニーズを掘り起こす取り組みをスタートさせている。具体的には、2016年8月に「サイオスAI相談室」、同年10月には「サイオスAIアカデミー」の提供を開始した。このうち「サイオスAIアカデミー」では事業会社の情報システム担当者等を対象とした「機械学習入門コース」を開催し、5回連続で満席となるなど非常に活況となった。これらの業績貢献は小さいものの、これらサービスの提供によって、顧客からのニーズを掘り起し、自社のサービス開発に繋げていく戦略だ。

「研究開発投資」については、今後も継続的に実施していく方針だ。2016年12月期は特別損失を計上したこともあり、前期比118百万円減の553百万円と一時的に減少したが、2017年12月期以降は再び増加傾向が続くものと予想される。

「コアビジネスの競争力強化」では、「LifeKeeper」において、様々なクラウド環境への対応強化を進めているほか、クラウド環境下でのシステムの高可用性にも取り組んでいる。国内ではクラウド対応で先行したことによりシェアを拡大しつつあるほか、海外においても採用が増加傾向にある。このように主力商品の機能強化を進めていくことで競争力を高め、売上拡大を進めていく戦略だ。

なお、経営課題としては人材の確保・増強が挙げられる。ITエンジニア不足が慢性化するなかで、同社においても2016年12月期末の人員は前期末比で2名増の416名にとどまった。今後、新サービスの開発や販売力の強化を進めていくためには人的リソースの拡充が必要であり、M&Aによってこうした人材を確保することも選択肢となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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