ソフトブレーン Research Memo(2):eセールスマネージャー関連事業とフィールドマーケティング事業が両輪
[17/03/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 会社沿革
ソフトブレーン<4779>は1992年創業のソフトウェア開発会社で、営業部門の生産性向上に寄与するソフトウェア「eセールスマネージャー」を1999年に開発し、以降、同ソフトウェアの開発販売を主に事業を展開してきた。
また、2004年から2006年にかけて業容拡大に向け、子会社を相次いで設立した。2004年には小売店舗における売場構築や情報収集などのフィールドマーケティング支援業務の受託を行うソフトブレーン・フィールド(株)や、営業課題にフォーカスしたコンサルティング・スキルトレーニング等を行うソフトブレーン・サービス(株)を設立した。また、2005年には、ソフトウェアオフショア開発案件の受注、プロジェクト管理を行うソフトブレーン・オフショア(株)を設立したほか、営業及び販売促進に関する雑誌・書籍の発行、販売を行う(株)ダイヤモンド・ビジネス企画の株式を取得し子会社化した。2006年にはタブレットやスマートフォンの導入コンサルティングを行うソフトブレーン・インテグレーション(株)を設立し、現在に至っている。
2. 事業内容
同社の事業は「eセールスマネージャー関連事業」「フィールドマーケティング事業」「システム開発事業」「出版事業」の4つに区分されている。売上高、利益ともに「eセールスマネージャー関連事業」「フィールドマーケティング事業」で大半を占めており、両事業が収益の2本柱となっている。また、連結子会社数は2016年12月末時点で5社となっている。各事業の概要は以下のとおり。
(1) eセールスマネージャー関連事業
eセールスマネージャー関連事業は、営業支援システム(CRM/SFA)「eセールスマネージャー」のライセンス販売、クラウドサービス、カスタマイズ開発及び営業コンサルティング、営業スキルトレーニングのほか、タブレットやスマートフォンなどスマートデバイスの導入支援サービス及び教育サービスなどからなる。同社では企業が抱える営業課題解決のための仕組みづくり(営業マンのIT化)として、「eセールスマネージャー」やスマートデバイスの販売・導入コンサルティングを行い、また、型づくりとして営業課題にフォーカスしたコンサルティングやトレーニングを実施していくことで、より効果的に営業生産性を高めていく取り組みを子会社と連携しながら進めている。なお、ソフトブレーン・インテグレーションは2014年に米Appleの認定を受け、Apple Consultants Networkに参加しており、現在はiPhoneやiPadなどiOSデバイスの企業への導入支援サービスを中心に事業展開している。
「eセールスマネージャー」は、営業活動における各工程を「見える化」することによって定量的に状況を把握し、改善点を抽出することによって、営業効率の向上を図るソフトウェアツールとなる。販売形態としては、ソフトのライセンス販売で収入を得るライセンスと、月額使用料を徴収するクラウドとに分けられる。また、ライセンスにはサーバーなどの物理環境を自社で構築するオンプレミス型タイプと、ホスティング型があり、ここ最近では、サーバーなどの設備負担を必要としないホスティングサービスを利用する顧客が増加傾向にある。クラウド型に関しては「eセールスマネージャーRemix Cloud」(1 ID当たり月額6,000円〜)のほか、従業員10名以下の中小企業向けに機能を絞った簡易版「eセールスマネージャーnano」(1 ID当たり月額1,000円)を提供している。
現在、営業支援システム(CRM/SFA)の国内市場規模は50〜80億円程度で、同社のシェアは2〜3割とみられる。競合企業は、(株)NIコンサルティング、米Salesforce.com inc.(クラウド型のみ)など。クラウド市場だけで見るとSalesforce.comが4割超のトップシェアを握っている。
「eセールスマネージャー」の導入実績は累計で4,000社を超えており、製造業からサービス業に至るまで幅広い企業に導入されている。同社製品の強みは、操作性や処理速度など使い勝手の良さに加えて、オンプレミス型、クラウド型と両方の販売形態に対応可能なこと、導入効果を高めるためのコンサルティング、教育研修サービスなどサポート体制が充実していることが挙げられる。
(2) フィールドマーケティング事業
子会社のソフトブレーン・フィールド(株)で展開しており、主に店頭におけるフィールド活動やマーケット調査などを、30〜50代の主婦層を中心としたキャスト(登録スタッフ)を活用して行っている。また、フィールド活動を行うラウンダー人材の派遣・紹介事業「ラウンダー人材バンク」などを展開している。
フィールド活動とは、主に食品や日用品など消費財メーカーの新商品発売時期に小売店舗において、当該商品に関する店舗商談、売場構築、POP広告設置作業などを行う業務がメインとなる。従来はこうした業務をメーカーの社員が行っていたが、販促費の効率化を進めるためにアウトソーシングする流れとなっている。顧客企業は過去実績を含めて350社以上で、食品・飲料やヘルスケア関連メーカーを中心に多岐に広がっている。キャスト数は直近で約6.3万人、カバー店舗数もドラッグストアやコンビニエンスストア、専門店など様々な業態にわたって全国で12万店舗を超えている。
(3) システム開発事業
子会社のソフトブレーン・オフショア(株)でソフトウェアの受託開発を行っている。2013年9月に事業構造改革により中国の開発子会社を売却したが、現在も同社を外注先として活用しているほか、ベトナムや国内ニアショアの活用も進めている。2016年8月には沖縄に(株)大洋クラウドサービスとの協業により、開発拠点を開設した。
(4)出版事業
子会社の(株)ダイヤモンド・ビジネス企画による営業販促関連に関する書籍の企画・発行・販売事業となる。(株)ダイヤモンド社との合弁による協力関係を活用し、書籍の出版を通じて企業のマーケティング・IR・ブランディングをしており、通常のビジネス書籍のみならず、企業の歴史を伝える「新しい」社史制作という切り口で、企業ブランディングにおける新たな価値創出を推進している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 会社沿革
ソフトブレーン<4779>は1992年創業のソフトウェア開発会社で、営業部門の生産性向上に寄与するソフトウェア「eセールスマネージャー」を1999年に開発し、以降、同ソフトウェアの開発販売を主に事業を展開してきた。
また、2004年から2006年にかけて業容拡大に向け、子会社を相次いで設立した。2004年には小売店舗における売場構築や情報収集などのフィールドマーケティング支援業務の受託を行うソフトブレーン・フィールド(株)や、営業課題にフォーカスしたコンサルティング・スキルトレーニング等を行うソフトブレーン・サービス(株)を設立した。また、2005年には、ソフトウェアオフショア開発案件の受注、プロジェクト管理を行うソフトブレーン・オフショア(株)を設立したほか、営業及び販売促進に関する雑誌・書籍の発行、販売を行う(株)ダイヤモンド・ビジネス企画の株式を取得し子会社化した。2006年にはタブレットやスマートフォンの導入コンサルティングを行うソフトブレーン・インテグレーション(株)を設立し、現在に至っている。
2. 事業内容
同社の事業は「eセールスマネージャー関連事業」「フィールドマーケティング事業」「システム開発事業」「出版事業」の4つに区分されている。売上高、利益ともに「eセールスマネージャー関連事業」「フィールドマーケティング事業」で大半を占めており、両事業が収益の2本柱となっている。また、連結子会社数は2016年12月末時点で5社となっている。各事業の概要は以下のとおり。
(1) eセールスマネージャー関連事業
eセールスマネージャー関連事業は、営業支援システム(CRM/SFA)「eセールスマネージャー」のライセンス販売、クラウドサービス、カスタマイズ開発及び営業コンサルティング、営業スキルトレーニングのほか、タブレットやスマートフォンなどスマートデバイスの導入支援サービス及び教育サービスなどからなる。同社では企業が抱える営業課題解決のための仕組みづくり(営業マンのIT化)として、「eセールスマネージャー」やスマートデバイスの販売・導入コンサルティングを行い、また、型づくりとして営業課題にフォーカスしたコンサルティングやトレーニングを実施していくことで、より効果的に営業生産性を高めていく取り組みを子会社と連携しながら進めている。なお、ソフトブレーン・インテグレーションは2014年に米Appleの認定を受け、Apple Consultants Networkに参加しており、現在はiPhoneやiPadなどiOSデバイスの企業への導入支援サービスを中心に事業展開している。
「eセールスマネージャー」は、営業活動における各工程を「見える化」することによって定量的に状況を把握し、改善点を抽出することによって、営業効率の向上を図るソフトウェアツールとなる。販売形態としては、ソフトのライセンス販売で収入を得るライセンスと、月額使用料を徴収するクラウドとに分けられる。また、ライセンスにはサーバーなどの物理環境を自社で構築するオンプレミス型タイプと、ホスティング型があり、ここ最近では、サーバーなどの設備負担を必要としないホスティングサービスを利用する顧客が増加傾向にある。クラウド型に関しては「eセールスマネージャーRemix Cloud」(1 ID当たり月額6,000円〜)のほか、従業員10名以下の中小企業向けに機能を絞った簡易版「eセールスマネージャーnano」(1 ID当たり月額1,000円)を提供している。
現在、営業支援システム(CRM/SFA)の国内市場規模は50〜80億円程度で、同社のシェアは2〜3割とみられる。競合企業は、(株)NIコンサルティング、米Salesforce.com inc.(クラウド型のみ)など。クラウド市場だけで見るとSalesforce.comが4割超のトップシェアを握っている。
「eセールスマネージャー」の導入実績は累計で4,000社を超えており、製造業からサービス業に至るまで幅広い企業に導入されている。同社製品の強みは、操作性や処理速度など使い勝手の良さに加えて、オンプレミス型、クラウド型と両方の販売形態に対応可能なこと、導入効果を高めるためのコンサルティング、教育研修サービスなどサポート体制が充実していることが挙げられる。
(2) フィールドマーケティング事業
子会社のソフトブレーン・フィールド(株)で展開しており、主に店頭におけるフィールド活動やマーケット調査などを、30〜50代の主婦層を中心としたキャスト(登録スタッフ)を活用して行っている。また、フィールド活動を行うラウンダー人材の派遣・紹介事業「ラウンダー人材バンク」などを展開している。
フィールド活動とは、主に食品や日用品など消費財メーカーの新商品発売時期に小売店舗において、当該商品に関する店舗商談、売場構築、POP広告設置作業などを行う業務がメインとなる。従来はこうした業務をメーカーの社員が行っていたが、販促費の効率化を進めるためにアウトソーシングする流れとなっている。顧客企業は過去実績を含めて350社以上で、食品・飲料やヘルスケア関連メーカーを中心に多岐に広がっている。キャスト数は直近で約6.3万人、カバー店舗数もドラッグストアやコンビニエンスストア、専門店など様々な業態にわたって全国で12万店舗を超えている。
(3) システム開発事業
子会社のソフトブレーン・オフショア(株)でソフトウェアの受託開発を行っている。2013年9月に事業構造改革により中国の開発子会社を売却したが、現在も同社を外注先として活用しているほか、ベトナムや国内ニアショアの活用も進めている。2016年8月には沖縄に(株)大洋クラウドサービスとの協業により、開発拠点を開設した。
(4)出版事業
子会社の(株)ダイヤモンド・ビジネス企画による営業販促関連に関する書籍の企画・発行・販売事業となる。(株)ダイヤモンド社との合弁による協力関係を活用し、書籍の出版を通じて企業のマーケティング・IR・ブランディングをしており、通常のビジネス書籍のみならず、企業の歴史を伝える「新しい」社史制作という切り口で、企業ブランディングにおける新たな価値創出を推進している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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