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鴻池運輸 Research Memo(5):2017年3月期第3四半期は伸び率鈍化も増益を維持

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2017年3月期第3四半期の業績概要
鴻池運輸<9025>の2017年3月期第3四半期決算は、売上高195,478百万円(前年同期比2.5%増)、営業利益8,759百万円(同3.3%増)、経常利益9,052百万円(同4.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益6,050百万円(同4.1%増)となった。前年同期比では増収・増益となったが、営業増益率は第2四半期実績(9.8%増)より鈍化しており、第3四半期だけの業績は芳しくなかったと言える。複合ソリューション事業は増収・増益となったが、国内物流の低迷により国内物流事業は減収・減益となった。また中国の景気低迷に加え将来に向けた投資的な経費を計上したことから国際物流事業も減収・減益となった。

(1) セグメント別概況
売上高は複合ソリューション事業133,667百万円(同4.8%増)、国内物流事業37,496百万円(同1.8%減)、国際物流事業24,314百万円(同3.2%減)となった。またセグメント利益は、複合ソリューション事業11,042百万円(同8.1%増)、国内物流事業1,511百万円(同10.9%減)、国際物流事業711百万円(同27.5%減)、その他27百万円(同1.3%増)となった。

複合ソリューション事業では、鉄鋼関連分野での新規連結子会社の寄与があったこと、食品関連や空港関連が好調であったことなどにより増収・増益となった。一方で国内物流事業では、アパレル系顧客の荷動きが鈍化したことに加え、新規センターの立ち上げ費用が予想以上となったことから減収・減益となった。国際物流事業では、フォワーディングのマージンが低下したことに加え、将来の事業展開に備えて現地での特別な費用を計上したことから減収・減益となった。特に第3四半期会計期間だけでは損失計上となったが、将来への投資も含まれているため懸念される内容ではないようだ。

(2) 分野別概況
また、分野別に見ると、鉄鋼関連では顧客工場内での生産工程付帯業務はほぼ前年並みになったものの、M&Aによる新規子会社の寄与もあり売上高は43,666百万円(前年同期比5.9%増)となった。食品関連も顧客の荷動きが堅調であったことから売上高は53,091百万円(同4.1%増)となった。メディカル関連の売上高は12,885百万円(同0.9%増)と底堅く推移した。生活関連は47,378百万円(同3.1%増)であったが、内容にはバラツキがあった。内訳としては生活業務が13,230百万円(同2.8%増)、空港関連が10,794百万円(同12.5%増)と好調であった一方で、流通・アパレル業務は顧客の荷動きが低迷したことから23,354百万円(同0.6%減)となった。

食品関連(定温)は不採算部門撤退等により、売上高は14,142百万円(同3.7%減)となった。また海外関連もフォワーディングの輸送業務が低迷したことに加えて中国の景気減速などの影響から24,314百万円(同3.2%減)と減速感が強まった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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