テラ Research Memo(1):樹状細胞ワクチンの医師主導治験が開始、2022年の薬事承認申請を目指す
[17/03/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
テラ<2191>は、がん免疫療法の1つである樹状細胞ワクチン療法を中心に、医療機関に対する技術・運用ノウハウの提供、及び再生医療・細胞医療に関する研究開発を行っている。2017年3月より和歌山県立医科大学による膵臓がんを適用対象とした樹状細胞ワクチンの医師主導治験が開始され、子会社テラファーマ(株)は2022年までに薬事承認申請を目指していく。
1. 樹状細胞ワクチンの医師主導治験が開始
2016年12月に同社の子会社であるテラファーマ(株)と和歌山県立医科大学で、WT1ペプチドパルス樹状細胞ワクチン「TLP0-001」(以下、樹状細胞ワクチン)の薬事承認を目指した医師主導治験実施のための契約を締結した。和歌山県立医科大学は膵臓がんや免疫療法の症例数で国内トップクラスの実績を持っており、治験を進めていくうえで最適なパートナーと言える。一次化学療法が効かない患者を対象に、二重盲検法により185症例実施する。当初は和歌山県立医科大学で治験を進め、一定症例を超えればほかの医療機関でも進めていく計画で、テラファーマ(株)が2022年までに承認申請を目指す。主要評価項目は全生存期間となり、統計的有意差が認められることを目指す。同社では樹状細胞ワクチン療法で1万症例を超える実績があり、一定の延命効果が確認されていることから、順調に治験が進めば薬事承認される可能性はあると弊社では見ている。治験開始から承認取得までの費用として約38億円を見込んでおり、必要資金は株式市場等から調達していくことになる。
2. 2016年12月期業績は損失続く
2016年12月期の連結業績は、売上高が前期比5.6%減の1,801百万円、営業損失が621百万円(前期は601百万円の損失)となった。売上高は細胞医療事業での症例数減少に伴い、2期連続の減収となった。利益面ではグループ全体で固定費の削減に取り組んだものの、減収に加えて売掛金に対する貸倒引当金の計上、並びに医薬品事業における樹状細胞ワクチンの薬事承認に向けた開発費用等の増加によって前期並みの損失が続いた。
3. 2017年12月期は4期ぶりの営業黒字を目指す
2017年12月期の連結業績は、売上高が前期比4.5%減の1,720百万円と減収が続くものの、営業利益は100百万円と4期ぶりの黒字転化を見込む。細胞医療事業における症例数の減少や2016年12月期に子会社のテラ少額短期保険(株)を売却した影響で減収が続くものの、固定費の更なる削減や前期に計上した貸倒引当金134百万円の戻入れ等が収益改善要因となる。
4. 今後の成長戦略
細胞医療事業では新規患者獲得に向け新たな抗原を用いた樹状細胞ワクチン療法の提供や、海外患者の受入れ拡大、先進医療申請のための支援などを推進していく。また、樹状細胞ワクチンの新しい用法として、手術後の再発予防目的としての導入を進めていくほか、複数のアカデミアと連携して様々ながん種で樹状細胞ワクチン療法の先進医療を進めていくための支援を行っていく計画となっている。有望な成績が得られたがん種については、順次治験を進めていく方針となっており、その動向も注目される。
■Key Points
・第4のがん治療法である樹状細胞ワクチン療法で世界トップクラスの症例実績
・2017年12月期は費用削減効果により営業利益段階で4期ぶりの黒字化へ
・薬事承認されれば業績は飛躍ステージへ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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テラ<2191>は、がん免疫療法の1つである樹状細胞ワクチン療法を中心に、医療機関に対する技術・運用ノウハウの提供、及び再生医療・細胞医療に関する研究開発を行っている。2017年3月より和歌山県立医科大学による膵臓がんを適用対象とした樹状細胞ワクチンの医師主導治験が開始され、子会社テラファーマ(株)は2022年までに薬事承認申請を目指していく。
1. 樹状細胞ワクチンの医師主導治験が開始
2016年12月に同社の子会社であるテラファーマ(株)と和歌山県立医科大学で、WT1ペプチドパルス樹状細胞ワクチン「TLP0-001」(以下、樹状細胞ワクチン)の薬事承認を目指した医師主導治験実施のための契約を締結した。和歌山県立医科大学は膵臓がんや免疫療法の症例数で国内トップクラスの実績を持っており、治験を進めていくうえで最適なパートナーと言える。一次化学療法が効かない患者を対象に、二重盲検法により185症例実施する。当初は和歌山県立医科大学で治験を進め、一定症例を超えればほかの医療機関でも進めていく計画で、テラファーマ(株)が2022年までに承認申請を目指す。主要評価項目は全生存期間となり、統計的有意差が認められることを目指す。同社では樹状細胞ワクチン療法で1万症例を超える実績があり、一定の延命効果が確認されていることから、順調に治験が進めば薬事承認される可能性はあると弊社では見ている。治験開始から承認取得までの費用として約38億円を見込んでおり、必要資金は株式市場等から調達していくことになる。
2. 2016年12月期業績は損失続く
2016年12月期の連結業績は、売上高が前期比5.6%減の1,801百万円、営業損失が621百万円(前期は601百万円の損失)となった。売上高は細胞医療事業での症例数減少に伴い、2期連続の減収となった。利益面ではグループ全体で固定費の削減に取り組んだものの、減収に加えて売掛金に対する貸倒引当金の計上、並びに医薬品事業における樹状細胞ワクチンの薬事承認に向けた開発費用等の増加によって前期並みの損失が続いた。
3. 2017年12月期は4期ぶりの営業黒字を目指す
2017年12月期の連結業績は、売上高が前期比4.5%減の1,720百万円と減収が続くものの、営業利益は100百万円と4期ぶりの黒字転化を見込む。細胞医療事業における症例数の減少や2016年12月期に子会社のテラ少額短期保険(株)を売却した影響で減収が続くものの、固定費の更なる削減や前期に計上した貸倒引当金134百万円の戻入れ等が収益改善要因となる。
4. 今後の成長戦略
細胞医療事業では新規患者獲得に向け新たな抗原を用いた樹状細胞ワクチン療法の提供や、海外患者の受入れ拡大、先進医療申請のための支援などを推進していく。また、樹状細胞ワクチンの新しい用法として、手術後の再発予防目的としての導入を進めていくほか、複数のアカデミアと連携して様々ながん種で樹状細胞ワクチン療法の先進医療を進めていくための支援を行っていく計画となっている。有望な成績が得られたがん種については、順次治験を進めていく方針となっており、その動向も注目される。
■Key Points
・第4のがん治療法である樹状細胞ワクチン療法で世界トップクラスの症例実績
・2017年12月期は費用削減効果により営業利益段階で4期ぶりの黒字化へ
・薬事承認されれば業績は飛躍ステージへ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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