イグニス Research Memo(5):増収ながら積極的な事業投資により利益水準は一旦低下する可能性
[17/03/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績見通し
イグニス<3689>は2017年9月期の業績予想について、売上高を前期比7.4%増の6,000百万円と見込んでいるが、利益予想については現時点で開示はない。2017年9月期を「事業ポートフォリオの創造元年」と位置付け、積極的に投資を行う方針を打ち出しているが、既存事業におけるプロモーションコストや先行投資の規模、そのタイミングなどについて現時点で合理的な見積りが困難であることが利益予想を開示していない理由である。ただ、前年に稼ぎ出した利益のほぼ全てを新規事業等へ投資するという考え方から15億円規模を事業投資の目安としており、利益水準は一旦低下する可能性がある。ライフハック事業及びVR事業の本格的な事業立ち上げを行い、事業収益化に向けたプロモーションを積極的に実施する構えである。また、勝負どころとなってきた「with」についても積極的な広告宣伝費の投入により一気に攻勢をかける可能性が考えられる。
また、増収率が比較的緩やかな水準となっているのは、2016年9月期の業績の伸びをけん引した「ぼくとドラゴン」を保守的にみていることや、それ以外による業績寄与についても慎重な見方をしていることが理由と考えられる。また、開発中であるネイティブゲームの新規タイトルやVR事業についても織り込んでいない。したがって、中期経営計画(2020年9月期目標)の達成に向けては、新規事業の収益化を含めて、2018年9月期からの成長加速を想定している。
弊社では、「ぼくとドラゴン」については、2016年9月期のような大きな伸びは期待できないものの、高い水準での業績寄与を維持することは可能であるとみている。また、新たな成長軸である「with」が足元で順調に立ち上がってきたことから、同社の売上高予想は最低ラインと捉えるのが妥当であろう。「ぼくとドラゴン」の持続的成長、「with」による業績寄与、新規事業の立ち上がりのほか、中長期的な目線から新規事業投資15億円の使い道と収益化に向けた道筋にも注目している。
今期における各事業の推進イメージは以下のとおりである。
(1) コミュニティ事業は、心理学を活用した最適なマッチングを実現する新機能「超性格分析」を2017年1月より実装した。他社にはない価値提供で更なる差別化を図るとともに、ユーザー数拡大に向けた積極的なプロモーションを実施することにより強固な収益基盤の確立を目指す。
(2) ネイティブゲーム事業は、新コラボ企画等により「ぼくとドラゴン」の安定運用を継続する一方、新タイトル「GK(コードネーム)」の開発にも取り組む。
(3) メディア事業は、2017年1月より、新メディア「CAREER ABOUT」をスタートした。キャリアに関わる様々な情報をカバーした若手ビジネスパーソン向けのメディアサービスである。これまでは、ビジネス情報を掲載した「U-NOTE」を通じて、リクルーティングサイトへの送客により広告収入を獲得してきたが、キャリア情報(採用情報、トレンド情報、インタビュー、転職ガイド等)に特化したメディアとして切り離すことで、さらに送客の精度を高める戦略である。
(4) VR事業は、認知症関連のほか、複数のプロジェクトが準備中となっている。ただ、事業収益化に向けては、外部環境における市場規模の拡大やVRデバイスの普及度合い等も考慮したうえで、長い時間をかけて進めていく方針のようだ。
(5) ライフハック事業は、「mornin’」の量産体制を確立するとともに、販売チャネルの拡大にも取り組む。「mornin’」によるブランディング強化を図ることで、次のプロダクトにつなげていくところにも狙いがあるようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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イグニス<3689>は2017年9月期の業績予想について、売上高を前期比7.4%増の6,000百万円と見込んでいるが、利益予想については現時点で開示はない。2017年9月期を「事業ポートフォリオの創造元年」と位置付け、積極的に投資を行う方針を打ち出しているが、既存事業におけるプロモーションコストや先行投資の規模、そのタイミングなどについて現時点で合理的な見積りが困難であることが利益予想を開示していない理由である。ただ、前年に稼ぎ出した利益のほぼ全てを新規事業等へ投資するという考え方から15億円規模を事業投資の目安としており、利益水準は一旦低下する可能性がある。ライフハック事業及びVR事業の本格的な事業立ち上げを行い、事業収益化に向けたプロモーションを積極的に実施する構えである。また、勝負どころとなってきた「with」についても積極的な広告宣伝費の投入により一気に攻勢をかける可能性が考えられる。
また、増収率が比較的緩やかな水準となっているのは、2016年9月期の業績の伸びをけん引した「ぼくとドラゴン」を保守的にみていることや、それ以外による業績寄与についても慎重な見方をしていることが理由と考えられる。また、開発中であるネイティブゲームの新規タイトルやVR事業についても織り込んでいない。したがって、中期経営計画(2020年9月期目標)の達成に向けては、新規事業の収益化を含めて、2018年9月期からの成長加速を想定している。
弊社では、「ぼくとドラゴン」については、2016年9月期のような大きな伸びは期待できないものの、高い水準での業績寄与を維持することは可能であるとみている。また、新たな成長軸である「with」が足元で順調に立ち上がってきたことから、同社の売上高予想は最低ラインと捉えるのが妥当であろう。「ぼくとドラゴン」の持続的成長、「with」による業績寄与、新規事業の立ち上がりのほか、中長期的な目線から新規事業投資15億円の使い道と収益化に向けた道筋にも注目している。
今期における各事業の推進イメージは以下のとおりである。
(1) コミュニティ事業は、心理学を活用した最適なマッチングを実現する新機能「超性格分析」を2017年1月より実装した。他社にはない価値提供で更なる差別化を図るとともに、ユーザー数拡大に向けた積極的なプロモーションを実施することにより強固な収益基盤の確立を目指す。
(2) ネイティブゲーム事業は、新コラボ企画等により「ぼくとドラゴン」の安定運用を継続する一方、新タイトル「GK(コードネーム)」の開発にも取り組む。
(3) メディア事業は、2017年1月より、新メディア「CAREER ABOUT」をスタートした。キャリアに関わる様々な情報をカバーした若手ビジネスパーソン向けのメディアサービスである。これまでは、ビジネス情報を掲載した「U-NOTE」を通じて、リクルーティングサイトへの送客により広告収入を獲得してきたが、キャリア情報(採用情報、トレンド情報、インタビュー、転職ガイド等)に特化したメディアとして切り離すことで、さらに送客の精度を高める戦略である。
(4) VR事業は、認知症関連のほか、複数のプロジェクトが準備中となっている。ただ、事業収益化に向けては、外部環境における市場規模の拡大やVRデバイスの普及度合い等も考慮したうえで、長い時間をかけて進めていく方針のようだ。
(5) ライフハック事業は、「mornin’」の量産体制を確立するとともに、販売チャネルの拡大にも取り組む。「mornin’」によるブランディング強化を図ることで、次のプロダクトにつなげていくところにも狙いがあるようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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