ブイキューブ Research Memo(12):投資の第1次収穫を目指した2016年12月期(1)
[17/04/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
4. 2016年12月期の取り組み
(1) 2016年12月期の取り組み
2016年に入ってからブイキューブ<3681>の取り組みに関する主要なプレスリリースは以下のとおりであるが、成長戦略に沿って、様々なサービスの提供、戦略的なアライアンスの発表が数多く行われており、事業展開を加速させるための施策が着実に実行されているのがうかがえる内容となっている。
以下、2016年に入ってからの戦略的アライアンスについて見てみた。
1. 子会社アイスタディ、インドのEduTechカンパニーFliplearnとの業務提携(1月)
子会社アイスタディがインドで教育プラットフォームを提供するFliplearn Education Private Limited※(以下、Fliplearn(フリップラーン)、本社インド)と業務提携を行い、インド市場での事業展開を開始した。提携の内容は、Fliplearnが提供するLMS(学習管理システム:Learning Management System)とオンデマンド中心のコンテンツに、アイスタディが提供する「iStudy」と同社が提供する「V-CUBEミーティング」と「V-CUBEセミナー」を組み合わせた「iStudy Live」(Fliplearnへの独占提供権を獲得)を提供することで、リアルタイムかつ双方向での授業環境を加えることにより、サービスの相互補完、より高い学習効果の提供が可能になる。
※Fliplearnのサービスは提供開始後わずか7ヶ月で、約2,000の学校と約40万人(足元では100万人)の生徒及び保護者に利用されるプラットフォームに成長している。
ビジネスモデルは、Fliplearnが自社サービス利用中の学生から授業料として料金を回収し、その一部を「iStudy Live」の利用料としてアイスタディが受け取る仕組み。
2. 日本マイクロソフトとクラウド分野での協業(2月)
同社と日本マイクロソフトは、ビジュアルコミュニケーションによる働き方改革を推進することを狙い、両社のクラウドサービスを連携し、クラウド分野で協業した。同社のVCサービス「V-CUBE」と日本マイクロソフトの「Office365」との連携ソリューションを開発、2月より提供を開始した。マイクロソフトの顧客に対して同社のWeb会議サービスの普及促進と、「Office365」の代理店による同社製品、サービスの拡販を狙ったものと言える。
具体的な内容は、「Office365」の最新機能を最大限に活かした「V-CUBE」ソリューションを開発するために「V-CUBE」のシステムインフラを「Amazon Web Services」から「Microsoft Azure」への移行と、「V-CUBE」と「Office365」の連携ソリューションの提供(「Office365」から「V-CUBE」へのシングルサインオンや、「V-CUBE」を利用するWeb会議やWebセミナーの予約情報の「Office365」の「Outlook」へのスケジュール自動同期を実現)。今後については、マイクロソフトの持つ高度な分析技術を活用し、自動翻訳による多言語コミュニケーションや機械学習分野の技術を活用したソリューションを提供していく予定であるほか、「V-CUBE」の「Windows10」対応アプリケーションの開発・提供も進めることになっている。
また、子会社アイスタディも5月から「Office365」との連携サービスの提供を開始している。
3. インド最大手のWeb会議サービス事業者INTELLISYSとビジュアルコミュニケーション分野で提携(3月)
同社とインド最大手のWeb会議サービス事業者のINTELLISYS Technologies & Research Pvt. Ltd. (以下、INTELLISYS、本社インド)とビジュアルコミュニケーション分野で提携した。提携の内容は、インド国内における「V-CUBE」サービスの提供とアジアで使いやすいサービスを目指した技術交流の2点で、インドのみならずアジア地域における競争優位性を高め、ビジュアルコミュニケーション市場の拡大を図るのが狙い。
提携により、INTELLISYSは自社サービスの「Vennfer」※と「V-CUBE」を顧客ニーズに合わせて提供することで、インド国内における収益拡大とビジュアルコミュニケーション市場自体の成長を目指す。加えて、「V-CUBE Box」も販売することで、インド国内におけるテレビ会議市場に進出する。一方、同社は「Vennfer」と「V-CUBE」の技術交流を深め、インターネット環境が不安定な地域でも快適に利用できるビジュアルコミュニケーションサービスへの進化を目指し、アジア地域における展開を加速する。
※INTELLISYSのWeb会議サービス名。128kbpsという狭帯域における映像と音声のスムーズな送受信や複数拠点への同時配信を実現するマルチキャストに優れた技術を保有しており、大規模配信に強みがある。
さらに、6月にはINTELLISYSと共同で、西ベンガル州コルカタ市を含むコルカタ都市圏の衛星都市であるBidhannagar Municipal Corporationと同市政府が推進しているスマートシティミッションに協力することで合意した。
4. Logitech InternationalとVCサービスの拡販をグローバルで推進するパートナーとして提携(6月)
同社とビジネスデバイス市場における世界のリーディング・カンパニーLogitech International(以下、Logitech、本社スイス)は、両社製品・サービスの販売並びにR&Dを強力に推進するパートナーとして提携した。提携の内容は、ロジクールのカンファレンスカメラをブイキューブのテレビ会議システムの映像音声デバイスとして採用、ブイキューブのテレビ会議システム「V-CUBE Box」のグローバルでの拡販、両社のユーザーの利便性の向上を目指した製品・サービスの共同開発の3点。
同社はLogitechがグローバルで実施しているLogitech Collaboration Program※のAPAC初のパートナー企業に認定された。
※完全なビデオ会議ソリューションによって、パートナーが販売とマーケティング機会を拡大させるのを支援する。
Web会議などのビジュアルコミュニケーションサービスは、業務効率化や生産性の向上を実現する仕組みとして幅広い企業で採用が進んでいるが、低価格で高品質なシステムへのニーズが増加してきている。実際、同社が2015年に市場投入した「V-CUBE Box」は、従来のテレビ会議システムと比較して約3分の1の費用で利用でき、市場で好評を博している。今後、両社の製品・サービスを組み合わせていくことで、さらなる製品の高付加価値化が進んでいく可能性も高い。今回の提携は部品の安定調達による製品の安定供給にもつながっていくことになる。展開力の強化が図れることで、今後は市場規模の拡大余地が大きいアジア地域を中心にして、潜在需要の取り込みに注力していく計画だ。
5. 米国Qumu Corporationと日本並びにアジア太平洋地域のエンタープライズ向けビデオコンテンツ管理の分野で戦略的パートナー提携(9月)
同社とエンタープライズ向けビデオ領域の世界的なリーディング・カンパニーであるQumu Corporation(以下、Qumu、本社米国ミネソタ州ミネアポリス)は、日本並びにアジア太平洋地域のエンタープライズ向けビデオコンテンツ管理の分野で戦略的パートナー提携した。提携の内容は、Qumuのビデオコンテンツマネジメントソリューションの拡販と連携ソリューションの開発の2点。
同社は、Qumuの日本法人であるクムジャパン(株)の経営に参画。同時に、日本を中心としたアジアで、Qumuのビデオコンテンツ管理ソリューションの提供を開始する。Qumuが提供するソリューションでは、セキュリティや内部統制への対応といった、エンタープライズに必要とされる高度なニーズを満たしており、グローバルに事業展開する企業で、映像を活用した情報共有による競争力向上のために導入が進んでいる。同社のVC分野とエンタープライズ向けビデオコンテンツ管理分野は今後融合が進むと見られることから、実績と競争力があるQumuのソリューションを採用することにより独自開発よりコストを抑えられるメリットがある。日本並びにアジア各国向けにローカライズして展開し、研修やトレーニング、情報共有といった企業内コミュニケーションで活用できるサービスを提供する予定。
同社にとっては、自社開発での対応と比べて、コストが低減でき、リスクも大きく低下することができる。また、輸入モデルを同社の国内販路を活かして拡大させることで、円高メリットを享受できる体制も構築されることになる。
クムジャパンの既存顧客や代理店は同社が全部引き取ることになり、日本やアジアをほぼ独占的に担当することになる。Qumuでのグローバルで来る案件も獲得できることになるが、Gartner社から受ける高評価の効果は大きく、これまで同社がリーチできなかったような企業との接点も増加して、販路が大きく広がっていく契機となる可能性もあろう。
6. 同社とレノボ・ジャパンが協業し、テレビ会議システムの提供を開始 [11月]
同社とレノボ・ジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:留目真伸、以下レノボ)は、働き方改革分野での共同ソリューション販売に関して協業する。第一弾として、レノボは、テレビ会議システム「V-CUBE Box」の法人向け販売を予定している。
レノボは、同社と共同で「V-CUBE Box」の利便性向上を目指した製品開発に取り組む。また、レノボが提供する PC、タブレット端末やスマートフォンと、「V-CUBE Box」サービスを組み合わせ、研修や教育、顧客への営業活動、オンライン採用面談、現場と本部を接続した状況監視、在宅ワークなど、ビジネスに求められる、あらゆるコミュニケーションシーンで活用できるソリューションを提案していく。
ハードウェアのレノボ、ソフトウェアの同社が、両社の製品・サービスを組み合わせ、場所にとらわれることなく働きやすい環境を常時サポート可能で、コストや運用負担を軽減できるソリューションを共同で販売していく計画だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)
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4. 2016年12月期の取り組み
(1) 2016年12月期の取り組み
2016年に入ってからブイキューブ<3681>の取り組みに関する主要なプレスリリースは以下のとおりであるが、成長戦略に沿って、様々なサービスの提供、戦略的なアライアンスの発表が数多く行われており、事業展開を加速させるための施策が着実に実行されているのがうかがえる内容となっている。
以下、2016年に入ってからの戦略的アライアンスについて見てみた。
1. 子会社アイスタディ、インドのEduTechカンパニーFliplearnとの業務提携(1月)
子会社アイスタディがインドで教育プラットフォームを提供するFliplearn Education Private Limited※(以下、Fliplearn(フリップラーン)、本社インド)と業務提携を行い、インド市場での事業展開を開始した。提携の内容は、Fliplearnが提供するLMS(学習管理システム:Learning Management System)とオンデマンド中心のコンテンツに、アイスタディが提供する「iStudy」と同社が提供する「V-CUBEミーティング」と「V-CUBEセミナー」を組み合わせた「iStudy Live」(Fliplearnへの独占提供権を獲得)を提供することで、リアルタイムかつ双方向での授業環境を加えることにより、サービスの相互補完、より高い学習効果の提供が可能になる。
※Fliplearnのサービスは提供開始後わずか7ヶ月で、約2,000の学校と約40万人(足元では100万人)の生徒及び保護者に利用されるプラットフォームに成長している。
ビジネスモデルは、Fliplearnが自社サービス利用中の学生から授業料として料金を回収し、その一部を「iStudy Live」の利用料としてアイスタディが受け取る仕組み。
2. 日本マイクロソフトとクラウド分野での協業(2月)
同社と日本マイクロソフトは、ビジュアルコミュニケーションによる働き方改革を推進することを狙い、両社のクラウドサービスを連携し、クラウド分野で協業した。同社のVCサービス「V-CUBE」と日本マイクロソフトの「Office365」との連携ソリューションを開発、2月より提供を開始した。マイクロソフトの顧客に対して同社のWeb会議サービスの普及促進と、「Office365」の代理店による同社製品、サービスの拡販を狙ったものと言える。
具体的な内容は、「Office365」の最新機能を最大限に活かした「V-CUBE」ソリューションを開発するために「V-CUBE」のシステムインフラを「Amazon Web Services」から「Microsoft Azure」への移行と、「V-CUBE」と「Office365」の連携ソリューションの提供(「Office365」から「V-CUBE」へのシングルサインオンや、「V-CUBE」を利用するWeb会議やWebセミナーの予約情報の「Office365」の「Outlook」へのスケジュール自動同期を実現)。今後については、マイクロソフトの持つ高度な分析技術を活用し、自動翻訳による多言語コミュニケーションや機械学習分野の技術を活用したソリューションを提供していく予定であるほか、「V-CUBE」の「Windows10」対応アプリケーションの開発・提供も進めることになっている。
また、子会社アイスタディも5月から「Office365」との連携サービスの提供を開始している。
3. インド最大手のWeb会議サービス事業者INTELLISYSとビジュアルコミュニケーション分野で提携(3月)
同社とインド最大手のWeb会議サービス事業者のINTELLISYS Technologies & Research Pvt. Ltd. (以下、INTELLISYS、本社インド)とビジュアルコミュニケーション分野で提携した。提携の内容は、インド国内における「V-CUBE」サービスの提供とアジアで使いやすいサービスを目指した技術交流の2点で、インドのみならずアジア地域における競争優位性を高め、ビジュアルコミュニケーション市場の拡大を図るのが狙い。
提携により、INTELLISYSは自社サービスの「Vennfer」※と「V-CUBE」を顧客ニーズに合わせて提供することで、インド国内における収益拡大とビジュアルコミュニケーション市場自体の成長を目指す。加えて、「V-CUBE Box」も販売することで、インド国内におけるテレビ会議市場に進出する。一方、同社は「Vennfer」と「V-CUBE」の技術交流を深め、インターネット環境が不安定な地域でも快適に利用できるビジュアルコミュニケーションサービスへの進化を目指し、アジア地域における展開を加速する。
※INTELLISYSのWeb会議サービス名。128kbpsという狭帯域における映像と音声のスムーズな送受信や複数拠点への同時配信を実現するマルチキャストに優れた技術を保有しており、大規模配信に強みがある。
さらに、6月にはINTELLISYSと共同で、西ベンガル州コルカタ市を含むコルカタ都市圏の衛星都市であるBidhannagar Municipal Corporationと同市政府が推進しているスマートシティミッションに協力することで合意した。
4. Logitech InternationalとVCサービスの拡販をグローバルで推進するパートナーとして提携(6月)
同社とビジネスデバイス市場における世界のリーディング・カンパニーLogitech International(以下、Logitech、本社スイス)は、両社製品・サービスの販売並びにR&Dを強力に推進するパートナーとして提携した。提携の内容は、ロジクールのカンファレンスカメラをブイキューブのテレビ会議システムの映像音声デバイスとして採用、ブイキューブのテレビ会議システム「V-CUBE Box」のグローバルでの拡販、両社のユーザーの利便性の向上を目指した製品・サービスの共同開発の3点。
同社はLogitechがグローバルで実施しているLogitech Collaboration Program※のAPAC初のパートナー企業に認定された。
※完全なビデオ会議ソリューションによって、パートナーが販売とマーケティング機会を拡大させるのを支援する。
Web会議などのビジュアルコミュニケーションサービスは、業務効率化や生産性の向上を実現する仕組みとして幅広い企業で採用が進んでいるが、低価格で高品質なシステムへのニーズが増加してきている。実際、同社が2015年に市場投入した「V-CUBE Box」は、従来のテレビ会議システムと比較して約3分の1の費用で利用でき、市場で好評を博している。今後、両社の製品・サービスを組み合わせていくことで、さらなる製品の高付加価値化が進んでいく可能性も高い。今回の提携は部品の安定調達による製品の安定供給にもつながっていくことになる。展開力の強化が図れることで、今後は市場規模の拡大余地が大きいアジア地域を中心にして、潜在需要の取り込みに注力していく計画だ。
5. 米国Qumu Corporationと日本並びにアジア太平洋地域のエンタープライズ向けビデオコンテンツ管理の分野で戦略的パートナー提携(9月)
同社とエンタープライズ向けビデオ領域の世界的なリーディング・カンパニーであるQumu Corporation(以下、Qumu、本社米国ミネソタ州ミネアポリス)は、日本並びにアジア太平洋地域のエンタープライズ向けビデオコンテンツ管理の分野で戦略的パートナー提携した。提携の内容は、Qumuのビデオコンテンツマネジメントソリューションの拡販と連携ソリューションの開発の2点。
同社は、Qumuの日本法人であるクムジャパン(株)の経営に参画。同時に、日本を中心としたアジアで、Qumuのビデオコンテンツ管理ソリューションの提供を開始する。Qumuが提供するソリューションでは、セキュリティや内部統制への対応といった、エンタープライズに必要とされる高度なニーズを満たしており、グローバルに事業展開する企業で、映像を活用した情報共有による競争力向上のために導入が進んでいる。同社のVC分野とエンタープライズ向けビデオコンテンツ管理分野は今後融合が進むと見られることから、実績と競争力があるQumuのソリューションを採用することにより独自開発よりコストを抑えられるメリットがある。日本並びにアジア各国向けにローカライズして展開し、研修やトレーニング、情報共有といった企業内コミュニケーションで活用できるサービスを提供する予定。
同社にとっては、自社開発での対応と比べて、コストが低減でき、リスクも大きく低下することができる。また、輸入モデルを同社の国内販路を活かして拡大させることで、円高メリットを享受できる体制も構築されることになる。
クムジャパンの既存顧客や代理店は同社が全部引き取ることになり、日本やアジアをほぼ独占的に担当することになる。Qumuでのグローバルで来る案件も獲得できることになるが、Gartner社から受ける高評価の効果は大きく、これまで同社がリーチできなかったような企業との接点も増加して、販路が大きく広がっていく契機となる可能性もあろう。
6. 同社とレノボ・ジャパンが協業し、テレビ会議システムの提供を開始 [11月]
同社とレノボ・ジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:留目真伸、以下レノボ)は、働き方改革分野での共同ソリューション販売に関して協業する。第一弾として、レノボは、テレビ会議システム「V-CUBE Box」の法人向け販売を予定している。
レノボは、同社と共同で「V-CUBE Box」の利便性向上を目指した製品開発に取り組む。また、レノボが提供する PC、タブレット端末やスマートフォンと、「V-CUBE Box」サービスを組み合わせ、研修や教育、顧客への営業活動、オンライン採用面談、現場と本部を接続した状況監視、在宅ワークなど、ビジネスに求められる、あらゆるコミュニケーションシーンで活用できるソリューションを提案していく。
ハードウェアのレノボ、ソフトウェアの同社が、両社の製品・サービスを組み合わせ、場所にとらわれることなく働きやすい環境を常時サポート可能で、コストや運用負担を軽減できるソリューションを共同で販売していく計画だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)
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