明光ネット Research Memo(8):明光義塾の再成長と新規事業の育成により20/8期に営業利益36億円を目指す
[17/04/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中期経営計画
明光ネットワークジャパン<4668>は2020年8月期までの4年間の中期経営計画を期初に発表している。経営目標値として最終年度に売上高で22,541百万円、営業利益3,620百万円を掲げている。
主力の明光義塾事業では、教室数で2,180教室(前期末2,102教室)、生徒数で15万人(同13万人)と再成長を目指していく方針で、その他の事業についても収益力を強化し、持続的な成長に向けた基盤を構築していく。また、教育・文化領域における横展開を進めるべく、M&Aも継続して検討していく考えだ。
1. 明光義塾事業の再成長に向けた取り組み
明光義塾事業の再成長に向けて、同社では前述した競争力向上施策に加えて、新たな学習指導スタイルの導入による差別化戦略を進めていく計画だ。ポイントは2つで、新生明光義塾の授業メソッドの導入、及びICTプラットフォームの導入となる。
(1) 新生明光義塾の授業メソッドの導入
2020年度の大学入試改革や学習指導要領改訂によって、今後は生徒が主体的に物事を考えて、課題を解決していく力が求められるようになってくる。明光義塾では従来から「明光式!自立学習」により生徒に勉強の仕方を教える指導を行ってきたが、今後はこれをさらに深化させ、生徒自身が主体的に学びを実現していく学習指導法を導入する。具体的には、生徒自身が学習スケジュールを作成し、授業の理解度を判断し、次の授業に生かしていくことになる。従来は、講師が行っていた作業を生徒自身が主体的に行っていくことで、今まで以上に自らが考える力が養成される効果が期待されている。既に、直営教室では新しい授業メソッドを導入済みで、効果も出ているようだ。2017年秋以降、FC教室にも導入していく計画となっている。
(2) ICTプラットフォームの導入
ここ数年で、タブレット端末やスマートフォンの普及が進んだことにより、これらスマートデバイスを学習塾で導入する動きが活発化している。同社も現在、スマートデバイスを活用するICTプラットフォームを開発中で、2018年春以降の稼働開始を計画している。
同プラットフォームでは、学習進捗状況や学習履歴のデジタル化による可視化が可能となるほか、デジタル教材を使った授業なども行えるようになる。現在、高校生向けの映像授業や中学生向けの理科・社会オンライン学習コース等も同プラットフォームを使って展開していくほか、小学生英語や英語リスニング授業なども今後開発し、提供していくことが可能となる。講師にとってはデジタル化によって従来、手作業で入力していた学習記録等の作業がデジタル化されることで負担が軽減されると言ったメリットもある。
また、将来的には学習現場でのデータと同社の基幹ネットワークシステムを連携し一元化することで、生徒の入会時から退会時までのデータ及び保護者とのコンタクト記録などすべての情報を統合する計画となっている。これらの蓄積したデータを活用することで、授業回数の増加や在籍期間の伸長に向けた提案を効果的に行うことが可能となるほか、地域や学年ごとに細分化したマーケティング施策を打つことも可能になると見ている。同社では2020年までにこうした経営情報システムの開発を段階的に進めていく予定となっている。
2. すべての事業の収益力強化
同社では明光義塾事業以外のすべての事業について、教室数や生徒数の拡大を進めながら収益力を強化していく方針だ。早稲田アカデミー個別進学館では校舎数を当第2四半期末の31校から2020年8月期には60校体制に倍増させる計画だ。難関校を中心とした進学学習塾となるため講師の確保が課題となるが、同課題を克服できれば達成可能な水準である。
同様に明光キッズスクールも当第2四半期末の15スクール(運営受託8件含む)から25スクールに拡大していく。また、日本語学校事業の生徒数は同1,654名から2,000名に、明光サッカースクール生徒数は同1,004名から1,300名に拡大することを目標としている。このうち、明光キッズスクールについては都内における学童保育需要が依然旺盛であり、人的リソースの拡充が進めば達成は十分可能と見られる。また、日本語学校事業についてもアジア圏からの人材流入が続いており、日本語教育機関における生徒数も2016年度に52,278名と過去最高を更新するなど増加傾向が続いていることから、経済環境や為替の急激な変動(円高)がない限りは達成可能な水準と言える。
同社では、グループ間で経営ノウハウや間接部門の共有化を図ることでグループ全体の収益力を強化し、2020年度までにすべての事業の黒字化を達成していく考えだ。
3. 持続的な成長に向けた事業領域拡大
同社では引き続き教育・文化の事業領域において、同社グループの理念に基づくビジネス展開で、明光義塾の強化及び各事業の連携につながる案件があれば、M&Aや投資などを行いながら事業領域を拡大していく方針となっている。海外展開についても韓国、台湾での事業展開に加えて、その他のアジア各国への進出も視野に入れている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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明光ネットワークジャパン<4668>は2020年8月期までの4年間の中期経営計画を期初に発表している。経営目標値として最終年度に売上高で22,541百万円、営業利益3,620百万円を掲げている。
主力の明光義塾事業では、教室数で2,180教室(前期末2,102教室)、生徒数で15万人(同13万人)と再成長を目指していく方針で、その他の事業についても収益力を強化し、持続的な成長に向けた基盤を構築していく。また、教育・文化領域における横展開を進めるべく、M&Aも継続して検討していく考えだ。
1. 明光義塾事業の再成長に向けた取り組み
明光義塾事業の再成長に向けて、同社では前述した競争力向上施策に加えて、新たな学習指導スタイルの導入による差別化戦略を進めていく計画だ。ポイントは2つで、新生明光義塾の授業メソッドの導入、及びICTプラットフォームの導入となる。
(1) 新生明光義塾の授業メソッドの導入
2020年度の大学入試改革や学習指導要領改訂によって、今後は生徒が主体的に物事を考えて、課題を解決していく力が求められるようになってくる。明光義塾では従来から「明光式!自立学習」により生徒に勉強の仕方を教える指導を行ってきたが、今後はこれをさらに深化させ、生徒自身が主体的に学びを実現していく学習指導法を導入する。具体的には、生徒自身が学習スケジュールを作成し、授業の理解度を判断し、次の授業に生かしていくことになる。従来は、講師が行っていた作業を生徒自身が主体的に行っていくことで、今まで以上に自らが考える力が養成される効果が期待されている。既に、直営教室では新しい授業メソッドを導入済みで、効果も出ているようだ。2017年秋以降、FC教室にも導入していく計画となっている。
(2) ICTプラットフォームの導入
ここ数年で、タブレット端末やスマートフォンの普及が進んだことにより、これらスマートデバイスを学習塾で導入する動きが活発化している。同社も現在、スマートデバイスを活用するICTプラットフォームを開発中で、2018年春以降の稼働開始を計画している。
同プラットフォームでは、学習進捗状況や学習履歴のデジタル化による可視化が可能となるほか、デジタル教材を使った授業なども行えるようになる。現在、高校生向けの映像授業や中学生向けの理科・社会オンライン学習コース等も同プラットフォームを使って展開していくほか、小学生英語や英語リスニング授業なども今後開発し、提供していくことが可能となる。講師にとってはデジタル化によって従来、手作業で入力していた学習記録等の作業がデジタル化されることで負担が軽減されると言ったメリットもある。
また、将来的には学習現場でのデータと同社の基幹ネットワークシステムを連携し一元化することで、生徒の入会時から退会時までのデータ及び保護者とのコンタクト記録などすべての情報を統合する計画となっている。これらの蓄積したデータを活用することで、授業回数の増加や在籍期間の伸長に向けた提案を効果的に行うことが可能となるほか、地域や学年ごとに細分化したマーケティング施策を打つことも可能になると見ている。同社では2020年までにこうした経営情報システムの開発を段階的に進めていく予定となっている。
2. すべての事業の収益力強化
同社では明光義塾事業以外のすべての事業について、教室数や生徒数の拡大を進めながら収益力を強化していく方針だ。早稲田アカデミー個別進学館では校舎数を当第2四半期末の31校から2020年8月期には60校体制に倍増させる計画だ。難関校を中心とした進学学習塾となるため講師の確保が課題となるが、同課題を克服できれば達成可能な水準である。
同様に明光キッズスクールも当第2四半期末の15スクール(運営受託8件含む)から25スクールに拡大していく。また、日本語学校事業の生徒数は同1,654名から2,000名に、明光サッカースクール生徒数は同1,004名から1,300名に拡大することを目標としている。このうち、明光キッズスクールについては都内における学童保育需要が依然旺盛であり、人的リソースの拡充が進めば達成は十分可能と見られる。また、日本語学校事業についてもアジア圏からの人材流入が続いており、日本語教育機関における生徒数も2016年度に52,278名と過去最高を更新するなど増加傾向が続いていることから、経済環境や為替の急激な変動(円高)がない限りは達成可能な水準と言える。
同社では、グループ間で経営ノウハウや間接部門の共有化を図ることでグループ全体の収益力を強化し、2020年度までにすべての事業の黒字化を達成していく考えだ。
3. 持続的な成長に向けた事業領域拡大
同社では引き続き教育・文化の事業領域において、同社グループの理念に基づくビジネス展開で、明光義塾の強化及び各事業の連携につながる案件があれば、M&Aや投資などを行いながら事業領域を拡大していく方針となっている。海外展開についても韓国、台湾での事業展開に加えて、その他のアジア各国への進出も視野に入れている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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